Bear-1の登山基礎講座
第3回
Bear-1の登山基礎講座
第3回目のテーマは「冬の日帰り登山(低山)の注意点」です。
雪山の登山は若干注意が必要ですが、霧氷など素晴らしい景色にも出会えます。
今回は、冬の日帰り登山の注意点について解説します。

【服装】
 冬、特に積雪時には、寒いというイメージがある為厚着になりがちです。 しかし、飯南・飯高辺りの山では、稜線に出るまでは、人工林を登る場合が多く、余程の悪天候でない限り風はそんなに強く無いのが普通です。 風さえなければ、雪があっても行動中は、寒さどころか汗がでてきます。
 私は真冬にTシャツ1枚で登ったことが何度もあります。
 汗をかいてしまうと、風が出てきた時一気に体温を低下させてしまうので大変危険です。
 したがって、行動中は冬だからといってあまり厚手(キルティング等)のものより、薄手のものを重ね着するほうが良いと思われます。
 特に下着類は 途中で着替えることが出来ないので、十分考えて選びましょう。
 休憩時には、セーター・フリース等で体温の低下を防ぐように注意しましょう。
【防風対策】
 冬季は、稜線に出ると、必ず風が吹いていると思って間違いないでしょう。
 ウインドヤッケ(ブレーカー)等の、防風着が必要です。雨具(カッパ)を兼用すれば事足りるわけですが、ザック・体力にゆとりがあるのなら、色々な製品が出ているので、ファッションを楽しむのも良いでしょう。
 薄い作業用のヤッケ(¥500〜1000)は軽くコンパクトで、特にズボンは歩きやすく、アイゼン・火等で破れても安価なためショックが少なくて済むので、私は重宝しています。
 又、フードを被っても耳が冷たい事が多いので、帽子(耳当て付き?)か、耳カバー?も用意しておきたいグッズです。
【雪対策】
 スパッツは勿論、アイゼンもあればかなり効果があります。
 4本もしくは6本爪の軽アイゼンで十分です。着脱は手袋をはいたままで出来るように練習をしておきましょう。
 着脱の簡単な4本爪は歩行中に外れてしまうことがある為(私も無くしました)、何らかの工夫が必要と思われます(紐を付けるとか)。
 手袋も必需です。これも色々な製品がありますが、私はスキー用の物を使用しています。
 それ以外に薄い手袋を2〜3枚。これは食事、アイゼンの着脱時等に使用します。氷点下になると、金属類に直接触ると凍傷になる場合があるので気を付けて下さい。
又、雪が深い時は、普段より足を高く上げなければならない為ストックがあると バランスがとりやすく便利です。
 その他、天気の良い日は、雪目(サングラス・ゴーグル)、雪焼け(化粧品)等の対策が必要になります。
【飲食物】
 これは絶対温かい物です。
 ラーメン、うどん、コーヒー等で、身も心も暖まります。
 保温水筒に熱湯を入れていけば簡単にできるので、おすすめです。
 ストーブの有る時は、おにぎりに雑炊の素(お茶漬けも可)で、雑炊もなかなかのものです。
 ただ、雪の上に温かい物を置くと、雪が解けて倒れてしまう事があるので注意して下さい。
 又、天候によっては(特に強風)落ち付いて食事をとることが出来ない場合があるので、すぐ食べられるもの(パン ビスケット等)も用意しておきましょう。
【行動】
 最近は積雪期でも人が多く、道が踏み固められている事が多く、アイゼンが無いと苦労する事がしばしばですが、まだあまり雪が踏まれていない場合は、極力前の人の足跡をなぞって歩く様にして下さい。そうすると坂道に階段状のものが出来て、安全・確実に歩くことが出来ます。又、アイゼンをつけている時は、前後の距離を少し多めに取らないと転倒した時に危険なので注意してください。
 積雪も20cm未満だと、気分も良く、かえって歩きやすいくらいですが、30cmを超えると、かなりの体力が必要となってきます。したがって、そのような場合は先頭を10〜20分位で交代しながら歩くようにしましょう。
 又、ルートも解りにくいので2番目3番目の人がアドバイスするよう心掛けましょう。
 ルートは、テープと標識が頼りとなります。
 鹿等のケモノ道(足跡)がルートと重なったり、交差したりしている為、それに惑わされ無い様に注意しましょう。もし変だなと思ったら、引き返してルートを確かめる事が大事です。
 特に下りは、普段なら降りられない様な所でも、雪があると降りられるので後で苦労する事になります。慎重に行動しましょう。
 稜線には、小規模な雪庇が出来ている処も在るので、風下が崖になっている様な所は雪庇を踏み抜かない様に気を付けて下さい。
 積雪時に休憩を取るときは、先に雪を踏み固めてからシート等を敷いて、ザックを降ろしましょう。 軟らかい雪の上だと小物(キー、携帯等)を落としても気が付かない事がよくあるので注意して下さい。
 又、お尻に敷くマットがあると便利です。
 出発以前に天気予報をチェックしておくのは当然のことです。
 いくら低山でも冬山は侮れません。無理(無謀)な計画は命取りになります。断念する勇気を持ちましょう。
 しかし、予報が良くても天候の急変によって風雪になる場合もあります。もしも、視界が効かない位の風雪に見舞われた場合は、絶対的な自信(ルート・体力等)がある場合を除いては、待機すべきです。 普通この辺の山では長時間の暴風雪は考えにくいのですが、冷静な判断をしなくてはなりません。こういう状況になる前に下山出来る様、行動中も天候の変化には十分注意している事が大切です。
 地球の温暖化によるものなのか、霧氷も年々少なくなって来ています。是非、今年もすばらしい自然の芸術を楽しみたいものですね。


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