平成20年3月3日

春キャベツ

入荷と県内産地の状況

 県内でのキャベツ生産は、春キャベツ約120ha、秋冬キャベツ約80ha、北勢地域では四日市市に、中勢地域では津市を中心に栽培がされています。また、南勢地域でも近年は玉城町を中心に栽培がされるようになっています。その中でも、津市雲津川沿岸の久居、一志、白山では春キャベツの栽培が盛んなことで有名で、4月から5月の近鉄沿線(中川駅から桃園駅の間)は春キャベツが一面に広がります。

ほ場のキャベツ1

写真のキャベツは、津市久居元町周辺の春キャベツで4月以降の収穫が予定されています。平成20年2月下旬に撮影したものです。

三重県中央卸売市場へのキャベツの入荷は、平成19年の入荷実績では約5800トン、そのうち三重県産は約2800トンで県内比率の高い野菜の一つです。三重県でのキャベツ栽培が難しい夏から初秋にかけては、長野県や群馬県等の県外産の比率が高くなりますが、11月から6月には小売店で三重県産キャベツが多く並んでいます。 特に4月から5月は、春キャベツの出荷がピークになることから三重県のキャベツの旬と言えます。  
 

キャベツの月別入荷量

キャベツの産地別入荷量

由来と豆知識

 キャベツも小売店で1年中買うことのできる野菜ですが、季節等によって形状が異なっていることはご存じですか?玉の形が扁平で硬くよくしまっているキャベツが寒玉や冬玉と呼ばれ、春以外がこのキャベツがほとんどです。それに対して、玉の形が甲高で巻きがやや緩く葉の凹凸が目立つキャベツが春系(玉)、サワー系と呼ばれ4月5月に多く出回ります。それ以外には、葉の色が鮮やかな赤紫色をしたレッドキャベツや玉の形状がまん丸に近いグリーンボール等があります。
春キャベツ 冬キャベツ

左が春キャベツ、右が寒玉キャベツです。違いがよくわかると思います。  キャベツの原産地はヨーロッパの地中海沿岸や大西洋沿岸といわれ、ケルト人によって栽培化された野生種のケール(非結球)がキャベツのルーツとされています。紀元前後には結球性のキャベツの記載がみられ、ヨーロッパ各地にも広がっていたようです。また、ケールからキャベツ以外にも分化や改良が行われ、ブロッコリーやカリフラワー、芽キャベツ、コールラビ(蕪キャベツ)等が一般的に流通している野菜です。観賞用に改良されたものには葉ボタンがあります。
 現在のようにしっかりと結球するキャベツが栽培されるようになったは13世紀頃とされ、その後16世紀にカナダへ伝搬し、17世紀にはアメリカ、中国へ、日本へは18世紀頃に非結球のケールが渡来しました。当初は、野菜としてでなく鑑賞用に利用されることがほとんどで、食用として定着したのは明治時代以降に多くの品種が導入されてからです。その後、第二次世界大戦以降、急速に消費も伸び、現在では栽培面積、消費量ともに大根に次いで二位の品目となっています。
 キャベツの名称は、英語のキャベッジに由来していますが、もとは古いフランス語で頭でっかちをからかうカボシュからです。日本では、キャベツの芯が甘いことから甘藍(かんらん)や形状から玉菜(たまな)等とも呼ばれています。

食と健康

 五訂増補日本食品標準成分表によるキャベツ(結球葉)可食部100グラムあたりの一般栄養成分は以下のとおりです。

 キャベツ(結球葉)の一般的な栄養成分は以下のとおりです。
           生          ゆで
エネルギー   23キロカロリー   20キロカロリー
水分       92.7グラム      93.9グラム
たんぱく質    1.3グラム       0.9グラム
脂質        0.2グラム       0.2グラム
炭水化物     5.2グラム       4.6グラム
灰分        0.5グラム       0.3グラム
重量      100グラム      100グラム
廃棄率     15パーセント     15パーセント

 また、これ以外にもカリウムや、葉酸などのビタミンB群も多く含みます。特に、キャベツに含まれる特徴的な成分として、ビタミンUが胃腸の働きを助けることがよく知られています。  成分表では寒玉と春玉の区分はされていませんが、調理する際はそれぞれの特徴を活かして調理をすると良いでしょう。寒玉の場合は、熱を加えると甘みが増し煮汁の吸いも良いので煮込み料理に向いています。春キャベツの場合は、葉が柔らかく芯まで黄緑色を帯びているのでサラダ等の生食や彩りに向いています。  また、ビタミンCやビタミンUは水に溶けやすく熱に弱いので、調理する時間を短くしたりや煮汁ごと食べたりと工夫を行うと、効果的に栄養成分が摂取できます。

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