左が春キャベツ、右が寒玉キャベツです。違いがよくわかると思います。
キャベツの原産地はヨーロッパの地中海沿岸や大西洋沿岸といわれ、ケルト人によって栽培化された野生種のケール(非結球)がキャベツのルーツとされています。紀元前後には結球性のキャベツの記載がみられ、ヨーロッパ各地にも広がっていたようです。また、ケールからキャベツ以外にも分化や改良が行われ、ブロッコリーやカリフラワー、芽キャベツ、コールラビ(蕪キャベツ)等が一般的に流通している野菜です。観賞用に改良されたものには葉ボタンがあります。
現在のようにしっかりと結球するキャベツが栽培されるようになったは13世紀頃とされ、その後16世紀にカナダへ伝搬し、17世紀にはアメリカ、中国へ、日本へは18世紀頃に非結球のケールが渡来しました。当初は、野菜としてでなく鑑賞用に利用されることがほとんどで、食用として定着したのは明治時代以降に多くの品種が導入されてからです。その後、第二次世界大戦以降、急速に消費も伸び、現在では栽培面積、消費量ともに大根に次いで二位の品目となっています。
キャベツの名称は、英語のキャベッジに由来していますが、もとは古いフランス語で頭でっかちをからかうカボシュからです。日本では、キャベツの芯が甘いことから甘藍(かんらん)や形状から玉菜(たまな)等とも呼ばれています。
キャベツ(結球葉)の一般的な栄養成分は以下のとおりです。
生 ゆで
エネルギー 23キロカロリー 20キロカロリー
水分 92.7グラム 93.9グラム
たんぱく質 1.3グラム 0.9グラム
脂質 0.2グラム 0.2グラム
炭水化物 5.2グラム 4.6グラム
灰分 0.5グラム 0.3グラム
重量 100グラム 100グラム
廃棄率 15パーセント 15パーセント
また、これ以外にもカリウムや、葉酸などのビタミンB群も多く含みます。特に、キャベツに含まれる特徴的な成分として、ビタミンUが胃腸の働きを助けることがよく知られています。
成分表では寒玉と春玉の区分はされていませんが、調理する際はそれぞれの特徴を活かして調理をすると良いでしょう。寒玉の場合は、熱を加えると甘みが増し煮汁の吸いも良いので煮込み料理に向いています。春キャベツの場合は、葉が柔らかく芯まで黄緑色を帯びているのでサラダ等の生食や彩りに向いています。
また、ビタミンCやビタミンUは水に溶けやすく熱に弱いので、調理する時間を短くしたりや煮汁ごと食べたりと工夫を行うと、効果的に栄養成分が摂取できます。
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