1997年8月6日(第4日目) Sさん夫妻のお宅での初めての朝。 昨日着いてすぐから、ずっと朝まで寝ていたのに、まだちょっとフラフラする。 日本でいうと20畳ほどもあるとても可愛い部屋に泊まらせてもらった。 この部屋は元々はもう独立されている息子さんの部屋で、今ではすっかり女の子の部屋に なってしまっている。 今は夫婦二人で住んでいらっしゃって、このお宅もホームスティをする子を今までに何人も 受け入れてみえるとMiriamから聞いていた。 冴えない顔をして1階のキッチン&ダイニングに下りていくと、昨日は会うことができなかった ホストファーザーのCさんがテーブルでコーヒーを飲んでいた。 とりあえず挨拶をして、昨日のことを謝る(チンプンカンプンの英語で!)。 Cさんは快く迎えてくれた。 Lさんが朝食の支度をしてくれていた。 まず、レーズン食パンかプレーンの食パンか聞かれ、レーズンの方を食べたかったので 「レーズン」と言うと、日本で普通に売っている食パンよりも小さいサイズの食パンを 2枚焼いてくれた。 それに牛乳をかけたフレークス、コーヒー・紅茶が苦手な私は100%のオレンジジュースを もらう。 カリカリにパンが焼けると、Lさんがバターそしてその上にイチゴのジャムを塗ってくれた。 私は自分でできることはしなければと思いながら、言葉が出てこない。 でも、パンにバター&ジャムは初めてで、ちょっと私にはヘビー。 Cさんは朝食はコーヒーだけで済ますみたいで、私より一足早く仕事に出掛けて行った。 今日の授業はなし。 丸1日Avonlea Toursによるアン・ツアーとなっている。 体調がすぐれないながらも、夢にまで見たキャベンディッシュなどのアンやモンゴメリゆかりの 地に行けると思うと、参加しないわけにはいかなかった。。 日本人ガイドのミシェールさん(私の中ではミッシェルと覚えていた)と女性ドライバーの方が それぞれのホームスティ先にピックアップしに来てくれて、アン・ツアーへと出発! ミシェールさんはアン風のかわいい制服を着ていた(ミシェールさんの情報によると、 Avonlea Toursが他の会社と合併したため、残念ながらこの制服は今では見られない そうです)。 まず私達が向かったのは、ニューグラスゴーにある島では有名なジャム工場兼 ジャム屋さんのPEIプリザーブ・カンパニー。
試食のコーナーがあって、少し味見をさせてもらったけど、 私は何も買わなかった。 ジャムよりニューグラスゴーの景色に心を奪われる。 日本の観光地によくある、顔だけを出す記念写真用の 看板(?)があったので、面白半分でRちゃんと一緒にパチリ。 次に向かったのはキャベンディッシュのグリーンゲイブルズ・ハウス。 やっとやっと来ることができて、とっても感激! でも、観光バスがいっぱい停まっていたりして、人・人・人で溢れていた。 グリーンゲイブルズの中を見学するのにもかなり並ばなければいけないので、とりあえず 恋人の小道、バルサム・ホロウ・トレイル、お化けの森だけ散歩することに。 Anneの物語に出てきた場所に自分がいるなんて信じられない! ぐるっと1周してグリーンゲイブルズの前に出てきて、残念ながら写真を少し撮って グリーンゲイブルズを後にした(このときミシェールさんと一緒に写真を撮ってもらった!)。 次に行く予定だったキャベンディッシュ・ホーム跡へと向かう。 モンゴメリが昔暮らしていた家の跡地で、建物はもうなくなっていて、土台だけが残っている。 そして、跡地の横にはリンゴの木が1本寂しく植わっている(記憶が確かならば…)。 お化けの森のような小道があり、敷地の周りにはジャガイモ畑が広がっていた。 入り口にあるブックストアで原書の「The Story Girl」を買ったら、モンゴメリの親戚に あたる方がサインをしてくれた。 そろそろお腹もすいてきたので、今日のランチ、ロブスター・サパーをいただくことに。 The
Friendly Fishermanはキャベンディッシュ・ホーム跡を出てからすぐのところにあって、 ギフトショップも併設している。 中に入るとムッとなにやらたまらない匂いが立ち込めていて、今まで少しスッキリ していたのに一気に気持ち悪くなった。 ここまできて私一人だけロブスターを食べないわけにも行かないので、無理やり口に 押し込んだ。 バターソースがいまいちだったのか、私の口が悪いのかあまり美味しく思えなかった。 でも、何とか残さず食べたような…。 ギフトショップを少し覗き、今度はキャベンディッシュの郵便局へ。 夏の間だけ郵便局として機能していて、ここから出した手紙は「GREEN GABLES」の 消印を押してもらえる。 ここもたくさんの観光客でごった返していた。 私は何とか書いてきたハガキを自宅と友達宛に数枚送った(帰ってから、自分宛に出すのを 忘れていたことに気づき、すごく後悔した…)。 まだまだ続く、アン・ツアー。 お次はモンゴメリが眠るキャベンディッシュ共同墓地でお墓参り。 ちょうど私が生まれる100年前に彼女は生まれている。 そして68歳で亡くなり、グリーンゲイブルズ・ハウスが一望できるこの丘の上に、旦那さまと 一緒に眠っている。 お墓の前にはピンクの花がたくさん咲いていた。 私達は一人一人お墓の前で手を合わせて、思い思いに彼女に語りかけているようだった。 さてさて、再びグリーンゲイブルズ・ハウスへと私達は戻る。 やっとグリーンゲイブルズへと足を踏み入れるときがやってきた! さっきより列は短くなったけど、まだすぐには入れず少し待たなければいけなかった。 玄関から入り、1階にはマシュウの部屋やキッチンなどがある。 そして、階段を上がると、まずアンの部屋。 中までは入れないので、柵から身を乗り出してしっかり見て来た。 マシュウからもらったパフスリーブのドレスも、壊れた石版もちゃんと置いてあった。 マリラの部屋には紫水晶のブローチが、多分あった(あれ、なかったのかな?無くなったのはいつのこと??)。 入ってからも順番に進んでいかなければいけなかったので、余りゆっくりと見ることが出来ず、 あっという間に2階から降りてきて寄付金の箱の前に出てしまった。 でも、キャベンディッシュに滞在することになっているので、また来れるからいいや!と思って グリーンゲイブルズを後にした。 キャベンディッシュを出て、スタンレー・ブリッジのOld Stanley
Schoolhouseで少しお買い物。 入るとすぐのところに、とても大きなキルトが壁に何枚も掛けてあった。 そして、ニューロンドンのモンゴメリの生家へ。 今は博物館として一般公開されている小さなお家でした。 次はフレンチ・リバーのビューポイントへ。 ここはとーーっても景色のいいところ。 私なんか写真に写らずに、景色だけをたくさん撮ってくればよかった…。 そしてそして、PEIに来る前から旅行会社のパンフレットを見て行きたい!と思っていた まさか、ここがツアーのコースに入っているとは思わなかった。Lucky! 舗装されていないガタガタ道をしばらく走ると、灯台が見えてきた。 車で入れるギリギリまで行き、途中からは車を停めて、一面の草原の中を歩く。 灯台と草原と海。言葉では表せないほど、きれいな景色。 フレンチ・リバーとケープ・トライオン、すっかり気に入ってしまった。 きっとずっと忘れられない景色だと思う。 パーク・コーナーのグリーンゲイブルズ博物館「銀の森屋敷」では、マシュウがアンを迎えに 行ったような馬車があり、3人で銀の森屋敷の周りを1周するコースを、それぞれアンに なった気分で楽しんだ。 残念なことにすっかり輝く湖水だと思っていた道を挟んだ向こう側の湖水は、後で聞いた 話によると本物の輝く湖水ではなかったみたい(本物は銀の森屋敷側の湖水なのだ そうです…(涙))。 全く覚えがないので見てなかったのかなぁ。 本物の輝く湖水見ること!これが次回(いつのことやら…)の課題となった。 このツアー最後の目的地、ケンジントン駅舎は石造りの建物でとても可愛らしい駅でした。 もちろん、もうこの島には鉄道は走っていないので、線路が一部だけ残っていて、寂しく 1両だけ車両が停められていた。 とっても盛りだくさんのツアーはついに終わってしまい、それぞれの家に送ってもらって ミシェールさん達ともお別れとなった。 家に帰ると、Lさん達に誘われて映画に連れて行ってもらうことにした。 彼女達は映画を見るのが好きで、よく行っているらしい。 近くのシャーロットタウン・モールの中に映画館があって、たくさんの映画が上映されていた。 「どんなのが観たい?」 と聞かれたけど、よくわからなかったのでお任せにして付いて行った。 ビックリしたのは日本の映画「Shall we dance?」がちょうど公開されていた(近日公開、 だったかな?)こと。 PEIで日本の映画??確かに日本で流行ってたけど…。 私達はコメディー&ラブストーリーの「PICTURE PERFECT」という映画を観ることにした。 チケット代をLさんに渡して、一緒に買ってきてもらう(もちろん、こういうお金は自分持ち)。 日本円で500円くらいなので、とっても安い! でも、ここでもまた字幕などはないのでとても聞き取れず、今日のツアーの疲れもあって、 途中で何度も寝てしまった。 なのに、なぜか最後はとても感動で、涙が…。 夕飯の前に事前に用意していった写真を見せたりして話をしたけど、私の英語では コミュニケーションをとるのは難しいみたい。 辞書を片手に、本を見ながらしか話せなくて情けなくなる…。 二人はゆっくり話してくれるし、一生懸命聞いてくれるのに、私の勉強不足で申し訳ない。 |