菜種(ナタネ)、菜の花の新芽や葉茎、蕾を食用利用している地域は全国各地で見られ、ハナナ、ナバナ、シンツミナ、カブレナ等の色々な呼び名があります。 「三重なばな」は、新芽や若い葉茎を食用として出荷しているのが特徴で、蕾や花を摘み取った「はなな」とは若干異なります。 もともと「江戸の灯りは伊勢でもつ」といわれたように伊勢平野では江戸時代から菜種の栽培が盛んであったことから、「三重なばな」は昭和30年頃に現在の桑名市(旧長島町)で菜種油用に栽培していた洋種菜種を食用として選抜し、栽培や市場出荷を行ったことから始まりました。 当初は、長島町の特産野菜として生産出荷が行われていましたが、平成元年頃からは県内各JAが「三重なばな」として統一した推進活動を行い、県下全域に栽培が幅広く普及し、約170ヘクタールが栽培されています。 三重県中央卸売市場への「三重なばな」入荷は昨年で約43トン、県内産地からはJA多気郡からの入荷が多く約30トンの実績でした。出荷される期間は11月中下旬から3月で、これからが「三重なばな」の多く出回る時期です。
洋種菜種(葉茎部)の100グラムあたり、五訂増補日本食品標準成分表による一般栄養成分は以下のとおりです。
それ以外には、カルシウムやビタミンCが豊富で、おひたしや油炒め、しゃぶしゃぶ等冬期の料理に手軽に利用できます。ただし、ビタミンCは熱に弱く、日本食品標準成分表でも(生)110ミリグラム(ゆで)55ミリグラムと半減しているので調理目的や方法には注意してください。
ほ場の写真は平成19年10月下旬に撮影したものです。