2005年4月11日
バカガイ
通称名 青柳(あおやぎ)
小柱(こばしら)(貝柱を寿司ネタにする場合)
旬の時期 春〜初夏
漁場 伊勢湾の水深20メートル以浅の砂底
漁法 貝桁網など(参考:三重の遊漁と漁業のルール)
出荷時の形態 ボイルむき身 活け(殻付き)
下ごしらえ (殻付きのもの)ボイル後むき身を水洗いして砂を落とす
料理 そのまま酢みそで、そのほか和え物、揚げ物など
2005年4月8日撮影

2005年4月11日撮影

バカの由来
名前に「バカ」とつく生き物はなかなか思いつきませんが、もちろん自分から名乗る訳はないので勝手に人が付けた名前で、当事者にとってみれば迷惑な話です。砂を吐かないとか、弱って死にやすいとか、すぐに殻を開いてだらしないとか、いわれはいろいろありますが、いずれも味とは無関係のこと。ゆめゆめ食べ物としてのバカガイをバカにしてはいけません。潮干狩りでもアサリと比べてあつかいの低いバカガイですが、砂の処理さえできればアサリやハマグリに勝るとも劣らない味を秘めているのです。
バカガイの秘密
バカガイは、アサリなどと比べてやや深い砂底にすみ、水の汚れや酸素不足に弱い生き物です。したがって家庭で砂抜きをしようとするとすぐに死んで悪臭を放ちますが、貝に自発的に砂を吐かせるのは無理とあきらめて別の手段を講じると、意外と簡単です。さっと湯がき、口が開きかけたら手で身を取り出してざるに入れ、水の中で砂が出なくなるまでかくはんするだけでO.K.!なお、ゆで汁にもいい出汁が出ていることをお忘れなく。ゆで時間は、次の調理で十分に火が通るようなら短い方が美味しく仕上がります。
漁獲と海の浄化
バカガイの美味しい季節は、アサリやハマグリ同様春先です。ようやく水がぬるむ頃になると、雪解け水などとともに陸から大量の栄養が海へと流れ込み、海の植物プランクトンが大発生します。これがバカガイをはじめとする二枚貝のえさとなり、産卵前ということもあって身入りが最高潮となるのです。水揚げされたバカガイなど二枚貝は我々の重要な食料となるのですが、実はこのとき、無意識のうちに「海を浄化する力」が働いています。考えてみてください、陸から流れる栄養とは何か。海の汚れの原因は何か。私たちの体を含め、生き物たちは物質の輪でつながっており、地産地消は地域での物質循環を促して環境を改善する力も持っているのです。
バカガイ食わぬは…
小売店やスーパーでは、伊勢湾でとれた新鮮なバカガイを地元でゆであげ、パック詰めにして販売しています。上記の下ゆで工程をプロが行い、素材の地力そのままに余分な調味を一切行わない、鮮度、味ともに郷土が誇るべき一品です。貝類は言わずと知れた健康食品で、バカガイは特にタウリンや葉酸、亜鉛、カリウムが豊富に含まれています。一度も食べず名前だけ聞いてバカにしていた方、今からでも美味しくて健康にも環境にもよい伊勢湾のバカガイをお試しあれ。
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