平成18年4月25日

アサリ


旬の時期

漁場

伊勢湾などの内湾域

漁法

採介藻など(参考:三重の遊漁と漁業のルール

小売の形態

殻付き、むき身

品質の特徴

ふっくらとしてうまみがたっぷり

見極め

(殻付きの場合)殻が薄く、大きさの割に厚みがなく、殻はしっかりと閉じているもの

下ごしらえ

(殻付きの場合)海水よりやや薄い程度の塩水(およそ3%)で砂抜き後よくこすり洗いすること。なお、水を切って数時間おくとうまみが増す。

料理

(殻付きの場合)蒸し物、汁物、焼き物、パスタなど(むき身の場合)和え物や味ご飯など

 アサリは、特に身近な浜で簡単に手に入れることが出来る食材として、太古の昔から私たち人間に利用されてきました。今でもアサリは私たち日本人にとってもっともなじみの深い貝ですが、近年は全国的にアサリが減少し、伊勢湾でもかつてのような漁獲はありません。水産統計によれば、日本に住む人が食べるアサリのうち、半分以上は輸入に頼っているとのことです。一方、アサリを増やす、あるいは守るための取組が漁業者等によって続けられており、アサリ資源の復活が豊かな海の象徴としても位置づけられています。消費者としてアサリや海に関心を持ち、積極的な消費行動にでることは、これらの取組を強力に後押しすることになります。まずは商品に関する情報を求めることからはじめてみませんか?


平成18年3月22日 アサリ 松阪産


潮干狩りの季節
 アサリの楽しみは単に食材としてだけではありません。自らの手で採ることも楽しい、数少ない生き物のひとつです。アサリの漁場が残る伊勢湾には、まだアサリのすむ干潟が数多くあります。また、アサリだけではなく、バカガイやマテガイなど、潮干狩りにはお楽しみが一杯です。年によって、あるいはわずかなタイミングのずれによって、同じ場所でも採れるときとそうでないときはありますが、何度も通えばだんだんわかってきます。なお、海のレジャーの中では比較的危険は少ないのですが、それでも十分な注意が必要です。また、場所によって採補のルールが異なることもあります。素人だけで行かず、詳しい人に教わりながらお楽しみください。

ご注意

 小さな貝は持ち帰らないようにしてください(殻長2センチ以下のアサリを採ることは規則で禁止されています。)また、残して良いのは足跡だけ。ゴミは必ず持ち帰ってください。


平成16年4月20日 津市の干潟 みえのうみ提供


アサリという生き物
 アサリは二枚貝という軟体動物の仲間で、二枚の殻の間に軟体部が収まっています。私たちが食べるのは軟体部ですが、アサリが成長するときには殻も一緒に大きくなっていきます。二枚貝はもっぱら砂や泥の中に潜ったり岩などに固着して暮らし、水の中に漂うものを水ごと吸い込み、餌になる物をこしとって食べています。河口付近から浅い海の底に潜っているアサリの餌も海を漂う植物プランクトンで、その他に有機物(動植物の遺骸などが細かくなったもの)も利用しています。  餌のある海水さえあれば、その場を動くことなく常に食べ続けることが出来るアサリは、一度に狭い場所で急成長することができ、時として予想外の大発生にいたることがあります。一方、姿の見えないアサリは知らない間にいなくなることもしばしばで、いったいどれくらいのアサリが伊勢湾にいるのか予想を立てるのは大変難しく、好不漁の波はつきものなのです。


平成15年5月31日 アサリ 殻長4センチ 鈴鹿産 みえのうみ提供


アサリの育つ海
 栄養豊かな海は餌をたくさん発生させるため、伊勢湾のアサリは美味しいのですが、私たちの暮らしから海に流れ込む大量の栄養分は、赤潮の原因となるなど、悪い影響を与える一面も持っています。アサリなどを海から食べ物として取り上げることはその悪影響を取り除く効果があり、伊勢湾のアサリを食べることは美味しくて環境によいことなのですが、そのためにはアサリにとって暮らしやすい海を守ることも欠かせません。一見矛盾するようですが、先人達は海の生き物を守りつつ採って食べてきました。漁業資源として大事にするということは、人と海とが漁業を通じて適切な関係を保つことにほかなりません。私たちがアサリを食べるとき、伊勢湾のことも思い浮かべるようになれば、きっといつまでも豊かな伊勢湾を維持し続けることが出来るでしょう。


沖のアサリと河口のアサリ
 アサリが食べる餌はもっぱら海の植物プランクトンや有機物といわれていて、それは河口のアサリでも同じようです。沖のアサリは常に餌がある状態で、殻の成長が追いつかないほど身が肥えるため、殻が薄くどちらかというとほっそりした外見をしています。一方、河口だと引き潮時には川の水が優勢になり、アサリは餌を食べることが出来ません。ゆっくりと成長する河口のアサリは殻がぶ厚く、見た目のボリュームはありますが沖のアサリほど身は詰まっていません。「殻が割れるほど身が詰まっている」というのはちょっと言い過ぎですが、殻が割れやすいのは美味しい貝のひとつの目安なのです。ただし、殻が割れては商品価値を損ないますので、店頭で確認していただくことは出来ませんが・・・。


アサリを食べる
 アサリの醍醐味はうまみたっぷりの汁ですので、それをできるだけ生かした料理がおすすめです。シンプルな酒蒸しやみそ汁のほか、炒め物やパスタソースにもよく合います。アサリは殻が開いたらすぐに取り出し、煮汁で他の具材を調理したあと、最後に戻してさっと絡めるようにすれば柔らかい身を楽しむことが出来ます。

関連リンク
 アサリ(さかなの目ガイドブック) みえのうみ

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