旅日記 第一章『 パリ編 』

その5


 建築の申請

パリの市役所にはPOS(PLAN D'OCCUPATION DES SOL)
というものが置かれています。
これは、パリの街並み統一のために取り決められた
都市計画書のようなものです。

おのおの地区ごとに、建築の最高の高さや
後退距離についての指定があり、
その地区のアドバイザー(Architect Voyer)が
指示をしているようです。
更にこれ以外にも美観の統制員(Architect Batimond)
という人がいて、周辺の美観を乱さぬように
チェックしています。

これらについて、いちいち行政の確認手続きが必要で、
日本の建築基準よりもはるかに厳しく面倒ということです。
どうやらパリの街の景観統制は
このようにして成立しているようです。

パリで知り合った建築を学ぶ学生から
『日本では周辺環境のことを考えなくていいし、
どんな建物でも制約なく建てられるからいいね』
と言われ、なんとなく複雑な気持ちになりました。