第1回探検

2001.6.10
記念すべき第1回目の探検は、三重県飯高町の三峰山登山になりました。
山頂までは大人の足で約1時間半で楽に登れます。
探検の記録を隊員のS氏が体験記にまとめてみました。
三峰山の神秘を探る
 今回の探検隊員は隊長を含め4人であった。隊員はやや太めのD氏、子供のリュックと水筒を肩に下げたH氏とS氏、探検隊長Tはその時思った。「探検隊を結成してよかったのか」 天候は今にも雨が落ちそうな曇り、片道は1時間30分の行程、隊長の掛け声があがった。「出発するぞ!」その声に引き攣られる様に隊員たちは歩を進めた。その山は出だしから急なのぼりであった。

 「隊長!だ、だいぶ登りましたね。」「登り始めて10分やぞ!」そんな会話をしながらもようやく頂上の手前八丁平に着いた途端、雲の間から幾つもの光が私たちに降り注いだ。それまで狭い林道を登っていた私たちは、目の前に広がる広稜とした八丁平の草原にトンネルから出たそれと同じようにまばゆい光に覆われた。決死の思いで登ったその行程を一気に忘れてしまう私たちだった。

 そして、やっと1235mの頂上にたどり着いた私たちは「さあ!昼飯にしよう!」と隊長の号令のもと、すき焼きを作ろうとしたその時、「た、隊長!たいへんです!コールマンスポーツスター508A(コンロ)からホワイトガソリンが漏れて引火しています!」「みんな下がってろ!」隊長は爆発すんでの所で消火しおえた。ガソリン臭い匂いが周囲を包んだ。 
右より、隊長、D隊員、HASSY、S隊員 ストーブを修理中のD隊員と、指をくわえているS隊員 炎をあげるストーブ
 すき焼きの材料しかもっていなっかった私たちはその状況に呆然とした。隊長は思った。(火が使えなかったら何も食えないじゃないか!)「D氏!何が何でもこれを修理しろ!」目の前の四人前の松阪牛を目の当りにしたD氏は持ち前のくいしんぼう根性とエンジニアの技術を駆使し修理にかかった。「隊長!ガソリン漏れの原因は低すぎる気圧です!」(そんなことはなかった・・・)その時S氏とH氏は日本酒を空きっ腹に流し込みながら(いつになったらくえるねえ)と思っていた。

 それから、修理に奮闘する事小一時間、ようやくコンロに火が入り、なんとも言葉に言い様のない、この世で一番美味しく思ったすき焼きに四人は舌鼓を打ったのであった。
 ひとしきり、たらふく飲んで食った四人は随分いい気分になっていた。突然その時、H氏が「お、俺、高山病や!」と言いながら横になり熟睡してしまった。(それはただ酔っ払っただけだった)それを見ていたS氏は「た、隊長たいへんです!ポテトチップスの袋が破裂しそうです!」と叫んだ。隊長が、おもむろに左腕にはめたカシオプロトレックに目をやると気圧計は880ヘクトパスカルを指していた。

 いろいろな苦難を克服した私たちは、頂上を後にした。下山の途についた私たちに三峰山は幻想的な霧の世界をみせてくれた。
こんなおいしいすき焼きは初めてでした 高山病?いいえ、ただの酔っ払いです! 本当に破裂しそうでした