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 第1回狩猟体験記録(平成  年9月6日晴れ)


 第1回狩猟体験は大杉自然学校の先生と、その募集で集まった子供たち、合わせて20人の参加で行いました。
 全国でも珍しい企画という事で、今回はテレビ局も同行する事となりました。

 まず入山する前に、今回の案内をしてくれる有害駆除のリーダーより、注意がありました。
「実際に鹿猟をしている所を見てもらいます。猟は真剣勝負なので声を出したり体を動かさないよう、身を伏せてじっとしているように」
という、子供たちにとって絶えられるのか心配になる話しでした。

いよいよ猟犬2匹と、【勢子】というリーダーを先頭に山に入りました
山に入ると銃のカバーをとりました 。そしてロープにつながれた猟犬を放すと、一目散に山を捜索しに、走り出していきました。本格的な狩猟の始まりです。

「この山に鹿がいたら5分位で追い出してくる。鹿が逃げ出したらここにまず走ってくるから、しばらく動かないように」
と。みんなは声を押し殺し緊張しています。

 10分位経って、無線で狩猟仲間から、犬が包囲網から抜けていったとの連絡がはいりました。この山には鹿はいなかった、という事らしいです。
 残念、というか、ほっとしているというか、子供たちは緊張感から解放されながらも、この体験を楽しんでいる様子。
 猟犬2匹は、鹿の居る所まで探しに行っているので、その間、【勢子】さんから、シカ、イノシシの寝る所や、追われた時に逃げる道、足跡によりシカ、イノシシを見分ける方法など、実際に現場で説明を受けながら山を登ります。

 30分位で、【待ち】と呼ばれる場所の一つに着きました。
「先ほどまでここに狩猟仲間が居て、鹿がこの道を逃げて来るのを待ち構えていた」
という話をしていた時です。上の方で、ガサッという音。
「静かにして!」
と言った瞬間、大きな角をした鹿が私達の方に向かって走って来ました。【勢子】さんは、安全の為に銃から弾を抜いてあったので、撃つことが出来ませんでした。鹿は私達を飛び越え、下の方に逃げ去ってしまいました。鹿のすぐ後ろには、やはり2匹の猟犬がついていました。この犬たちは遠い所からこの鹿を追い出し、ここまで追跡して来たのです。
「下の方に鹿が逃げていったので、すぐに廻るように」
と仲間に指示。10分ほどしてバーン、バーン、2発の銃声が鳴り響きました。
「どうやった?」
と聞くと、
「当たらんだ、逃げられた」
との返事。

 後で【勢子】さんが言うには、「いつもなら犬の発信機を聞いているので、獲物が近づいて来るのが分かり、待ち構えるのですが、子供たちに説明をしていて、発信機を見ていなかった」と、とても自分の失敗に悔しそうでした。
 
私はシカの白いおしりの部分しか見えませんでしたが、子供たちの中には、
「大きな角が見えた!」
「あたりそうでこわかった!」など、体全体を見た子もいて、超興奮していました。
 お昼休憩が終わったら、次は解体作業です。実は昨日、取れなかった時のためのシカを確保してあり、それで実演するらしいです。 解体する前、子供たちの中には、「痛そう」とか、「かわいそう」と言う子、また、「おいしそう」と、ちょっと怖いような事を言う子もいました。

狩猟(生き物を殺して食べる事)は、昔から日本の文化です。ひとつの命が失われても、このように再び人間の命に変わるのです。この子供たちに、傷をつけると血が出る、それを見て、相手に対する痛みや思いやりを、少しでも分かってもらえたら、という話などを聞いて、本日の狩猟体験は終了です。
 大杉自然学校の先生からも、シカやイノシシに限らず、魚やほかの動物などもその命があるので、しっかり、残さず食べてほしいとお話がありました。




第2回狩猟体験記録
 

 さて、2回目狩猟体験です。前回は山を早足で登り、シカが目の前を飛び出すという体験になりましたが、今回はどんな体験になるか楽しみです。

今回は、12月のとても寒い日に、20歳代前後の男女、10数人の参加で、はじまりました。冬のイノシシはおいしいという事なので、シカ狩りよりイノシシ狩りを!と、猟師さんに要望がありました。
最初に諸注意と、獣害についての話(シカやイノシシ、サルなど)をしました。最近では特にシカの被害が増大しているという事でした。
山の中で数時間、じっと動かずに居なければいけないので(獲物に気づかれるため)忍耐力、根性勝負になります。
今回も2匹の猟犬を使い(1匹は猪専用の犬)、被害の多い人里の畑から犬を放しました。10分位で、犬は寝屋(猪や鹿が寝ている場所)に着き、追い出すらしいとの話の通り開始から15分位で犬に取り付けられた発信機に「ワンワンキャンキャン」と、鳴き声。【待ち】の人に無線で、
「鳴き出したで気つけてな」と連絡。
 10分位経ち、【待ち場】の方で、バーンバーン、バーン。
「当たったかもしれんけど逃げていった」と無線で連絡が入った。
「ややこしい話やなー.。どっちが本当や」
と勢子。鹿が川を渡り、違う山へ行ってしまったらしい。

この日もテレビカメラが入っていたので、一部始終をカメラはとらえていました。ビデオに写っていたのは、大きな鹿が、見学者の方に向かって来て、それに【待ち場】の人が3発撃っている姿でした。
「こりゃ当たっとらんわ」
と勢子が言い、
「こんなにいっぱいの人に見られとったら当たるもんも当たらんわ」 と、撃った本人が言ったので、みんなで大笑になりました。
「犬に追われて来る鹿は、人がいても向かって来るんやなぁ。突き当たってくると思ったわ」
という、参加者の驚いた感想も聞こえました。
 後日、テレビで放送され、この猟師さんは、あちらこちらの猟師仲間からたくさんの電話をもらったそうです。

残念ながら、希望していたイノシシ狩りにはなりませんでしたが、参加者の方は喜んでお帰りになられました。
前回に引き続き逃げられてしまい残念ですが、次こそは!と第3回目を企画している模様です。



第3回狩猟体験記録



第3回狩猟体験
H22.5.29


 最近大台町では、鹿が増え続け、田畑に害を出したり、また、道路へ飛び出して車と接触する、という事故が多発しています。

駆除している所が見たいという名古屋からの見学者2名の方と朝5時に「奥伊勢フォレストピア」で待ち合わせをし、いざ近くの里山へ車で出発。
「最近はこの温泉宿の周りにも、夜になるとたくさんの鹿が現れる」
と話し始めた時、噂をすれば何とやらで、前方に
2匹の鹿が。後部座席から、「いるいる、あそこあそこ!」
と、鹿を発見した参加者の興奮した声が、車に響いた。
急いで猟師さんが銃を出し、弾を持って山に入り、1発込め、すぐに発射。猟師さんが撃つ時には、鹿はもうかなり遠くまで走ってしまっていたので、当たったかどうかは分からない。
車から降り、山の中を鹿が走っていた方向に進んで行くと、少し小さめの鹿が倒れていました。当たっていたのです。
車の荷台に載せた後、
「こんな民家の近くにいて、こんな簡単に獲れるんや」と、参加者2人は驚きの様子。
又、車に乗って移動して5分。
「ひと谷向こうの山の中に、
鹿がおる」という猟師さんの声に、
「どこどこ?」と、参加者は目を凝らして探し始めました。
猟師さんは、車から降りて山に入り、狙いを定めた鹿に向かって銃を1発。
「どうせ当たってないやろうけど、鹿の姿が見えやんなったから見に行ってくるわ」と言い、谷を越えて行ってしまった。
しばらく待っていると「ノリこぼしとる!近くにおるやろ!」(ノリとは血ノリの事)と大きな声でこちらに呼びかけてきました。そのまま猟師さんは又山の中に消えていきました。
5分位してバーン、と音がし、あっという間に2頭目ゲット。今回はそれなりに大きなメス。これも荷台に積み、「2頭も獲ったら剥ぐのがえらいで帰ろう」といい、車を廻そうとした所で、
山に3頭居るのを発見してしまった。また銃を出し、弾を持って山に入って1発、ゴロン。1頭はすぐ見えなくなったが、最後の1頭は、杉の木がたくさん生えている所を猛スピードで逃げる逃げる。それにバーン、と一発で仕留めた。これまたすごい名人だ。左目で鹿、右目で立ち木の間、一瞬の判断で撃つらしい〔本当かしら)。
止め矢を入れて5発で4頭倒した
「こんなにおったら、いっくらでも獲れるなぁ!それにしてもうまく当たるもんやなー」と、参加者の2人は感心していた。
「今日はたまたま当たっただけ、まぐれまぐれ」と言いながらも、満足そうな猟師さんでした。
話によると、毎月20頭以上もの鹿、猪を獲るらしい。当たらない事もよくあるので、鹿・猪用弾を年間で1000発近く消費する。日本中探しても、これだけ撃って獲る猟師はあまりいないだろう。
「そんなにたくさん獲ってその肉をどうするんですか?」という参加者の質問に、
「害獣被害の注文が入った時だけ、このように里山を巡回するんや」
という。それ以外は檻罠や、猟犬を使い、猪や鹿を獲るそうだ。
「なぜ、(獲る方法を)分けるんですか?」という質問には、
「品質の問題なんや。朝、エサを食べに来とる鹿はストレスが無いから肉質が良くて、逆に檻罠や猟犬に追いかけられて逃げ回った鹿は体中に血がまわり、肉質が良くなく、臭いもする」
と、説明してくれた。
より良い品質の肉を取るには、立っている鹿の頭を撃ち、すぐに血抜きをし、すぐに水に入れ冷やすのが、最も良い方法らしい。
今回は2人の猟師さんに同行し、ほんの1時間も経っていない間に4頭もの鹿を捕獲する、という見学が出来た。私も参加者も、貴重な体験が出来たと思います。