■エゴン・シーレ(画家)
1890〜1918年 オーストリア。
1979年日本ではじめてシーレの作品を大規模に紹介する展覧会が、
西武池袋美術館であり、たまたまそのとき東京に遊びに行っていて
見ることができました。作品を見たとき、
病的ともいえる神経を逆なでするような、しかし確信をもって
描かれた線、独特なグアッシュの使い方、
ガーンと頭を殴られたようなショックを感じました。
「100年近くも前にこんな絵を描いた人がいたのか」と。
自分が描きたかった絵を先に描かれてしまったという思いがありました。
油彩作品よりも鉛筆・グアッシュで描かれたものの方が私は好きです。
デヴィッド・ボウイは、映画でシーレを演じたかったそうです。(実現しませんでしたが)
ボウイのアルバム「ヒーローズ」のジャケットは、
シーレの影響を強く感じます。
シーレに影響を与えたグスタフ・クリムトについては、
改めて書きたいと思っています。

■手塚治虫(漫画家)
あまりにも有名な漫画家。あらゆる人があらゆることを書いていますが、
やはり私にとっても大きな存在でした。
ある意味で、親以上に私を育ててくれた面もあります。
私くらいの年齢で、マンガ好きの方なら多かれ少なかれそういうところはあるのではないでしょうか。
生命のイメージ、宇宙のイメージなどは、まさしく「火の鳥」に描かれたイメージがそのまま私の中にあります。
特に悪魔的な主人公が好きで、そういう主人公が以外にもたくさんいます。
未完の作品がたくさんありますが「ガラスの城の記録など」ぜひ続きが読みたいものです。
「MW」(ムウ)には、ビアズレーの作品が引用してあったり、
「ばるぼら」では、ウィーン幻想派の、ルドルフ・ハウズナーやエルンスト・フックスの作品が登場したりと
そういう面でも楽しめたりします。
作品について書こうとすると、それこそきりがないほどたくさんの思いがあふれてきます。

■河鍋暁斎(かわなべきょうさい)(画家)
1831年〜1889年
おもしろい絵がたくさんあります。
特に幽霊を描いた作品、京都府立総合資料館蔵の羽織に描かれた処刑場図。
(こんな不気味な羽織をいったい誰が着ていたのか気になるところです)
ドイツの画家ホルスト・ヤンセンなどもコピー作品を数点描いています。
驚くほどの創造力、画力はうらやましいかぎりです。

■ラファエロ前派ほか19世紀末の画家たち
どういうわけか19世紀末に好きな画家たちが集中してます。
バーン・ジョーンズ、J.W.ウォーターハウス、フレデリック・レイトンなど
神話や物語をテーマに、妖艶な女性たちが魅力的です。

ウォーターハウスの描く女性の横顔が非常に好きです。

■永島慎二(漫画家)
1937年7月8日生まれ 東京
「あぶさん」を描いている水島新司氏とは全くの別人です。
1960年代から70年代にかけて描かれた「漫画家残酷物語」「フーテン」「若者たち」ほか、は
すっかり私を魅了しました。それまで読んだマンガとは全く違っていました。
漫画家山本おさむ氏の作品「ペンだこパラダイス」の中にも、当時私が感じた気持ちが同じように登場します。
「なし、こげんよかとやろ」「よかねえ、永島慎二」「カッコよかねえ、コートさん」「芸術のごたる」
これは、その主人公たちの台詞です。コートさんとは「フーテン」の登場人物。
「若者たち」は1974年NHK銀河テレビ小説で「黄色い涙」というタイトルでドラマ化。
森本レオ、下条アトム、岸部シローほかの出演でした。
テーマ音楽は、佐藤春夫の詩に小椋佳作曲の「海辺の恋」優しく美しい曲でした。
太宰治などの文学作品を読むきっかけも作ってくれました。
「旅人くん」も素敵です。数年前、個人的にパソコンでスライドショーを作ってみました。
古いパソコンで作ったため最近のパソコン上では動作しなくなりました。残念。
「漫画家残酷物語」は、最近、「ふゅーじょんぷろだくと」より復刻されるようです。
素晴らしい作品がたくさんあります。短編が多いのですが、どれも宝石のように輝いて見えました。