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あん・誕生の軌跡

 

 

2度目の流産から約半年・・・。

小さな命が、また、私のお腹に宿ってくれました。それが、「あん」です。

今度こそは失いたくない、守りたい・・・無事生まれるまで、そう願っていました。

 

妊娠の兆候があって喜んだのも束の間、病院で妊娠検査を受ける前に、少量の出血がありました。主治医の先生に診てもらうと、心拍は確認できないけど、胎嚢はちゃんと見えているし、状態は悪くないとのこと。以前から聞いていた流産予防の為のお薬をいただき、早々から安静生活に入りました。

次の検診の時には、心拍もしっかり確認できて一安心。でも、5ヶ月に入るまでは、毎週病院に通いました。母子手帳をもらえるまでがどんなに長かったことでしょう。私の心配をよそに、検診の度に少しずつ大きくなって、手や足もしっかり確認できるようになり、流産の不安も徐々になくなりました。

安定期に入り、もうここまできたら大丈夫!と、やっと薬からも安静生活からも開放されるはずでした。が、1ヵ月後の検診でもう下に下がってきていたのです。りょうくんの時も切迫早産気味だったし、もしかしたらとは思っていたのですが・・・。体質なのか、一人目がそうだと次もそうなってしまうことが多いと聞きました。

りょうくんもいることだし、入院なんてことになったら大変と、気を付けていたつもりでした。でも、りょうくんからもらった風邪を拗らせてしまい、咳をし過ぎたせいでお腹を圧迫してしまったようで、今度こそ本当に切迫早産になってしまいました。まだ31週なのに、なんと、もう子宮口が開いていたんです!覚悟はしていたものの、即入院となりました。

24時間点滴で繋がれ、トイレ以外は歩いてはダメ。点滴の副作用で気持ちが悪くて吐き気はするし最悪でした。でも、点滴を抜いたらすぐにでも陣痛が始まってしまう状態と聞いて、かなりビビリました。せっかくここまで育ってくれたんだから頑張らなくては…と、1ヶ月と10日間の入院生活を気合で乗り切ったのです。入院中にもいろんなことがありました。一番辛かったのは、りょうくんと一緒にいてあげられないこと。4人部屋なのに、声をあげて泣いてしまったこともあったっけ。

体重が2,500gを少し切っていたこともあって、10ヶ月に入って2日目にやっと退院となりました(体重が2,500gないと、未熟児として保育器に入らなくてはいけないのです)。「点滴を抜いたらすぐ陣痛が来る」と脅されていたのに、毎日散歩をして、汗だくになって窓拭きや床磨きをしたのに陣痛は来ません(陣痛と思い込んで、2回もフライングして病院に走ったけど…)。結局、予定日の1週間後に、陣痛誘発剤を使って出産することにしました。

推定体重が3,200gを超えてしまい、151cmの小さな私の体で本当に産めるのか不安でした。予想に反して、お産はかなりの安産でした。誘発剤を点滴で入れてもらってから3時間後、お!きた〜!と、懐かしい鈍い痛みが徐々にやってきました。まだまだどんどん痛くなるはずと思っていたら、あっという間に子宮口が全開になって、「もういきんでもいいよ〜」と言われて、自分でもビックリしてしまいました。でも、いきもうにもいきめない。前回先生にお腹を手でしごいてもらう感じで出してもらったので、いきみ方がわからない。今回も先生の手をお借りしてやっと頭が見えてきて、ようやくあんがこの世に生まれることができました。9月7日午後6時56分、台風の最中のことでした。

りょうくんの出産の時は丸一日かかってしまい、もう死にそうだったけど、今回は6時間。痛みにも耐えられたので、かなり余裕を持って出産できました。出産までの長い道程…安産だったことだけがせめてもの救いです。流産の心配や精神的にも肉体的にも辛かった入院生活を考えると、とてももう一人欲しいとは思いませんが・・・。

 

そんなあんも、1歳の誕生日を迎えました♪

1歳までに数歩歩いたので、誕生日にお餅を背負って歩かせました。歩くどころか立っていられず、最後は大泣き!でも、ブドウや桃がたくさんのった、私特製の手作りケーキ(と言っても、レンジでチンの簡単なもの…)を美味しそうに頬張っていました。

つい最近までハイハイばかりしていたのに、だいぶ上手に歩くようになってきました。やっぱり女の子は言葉が早いのかな?もうかなりの言葉を喋っています。一番に覚えたのは、「おちゃお茶」なんです()。1歳にして、「おとうちゃん、おかあちゃん」と呼んでくれています。りょうくんは歩くのも言葉もゆっくり目だったので、早い成長にとても驚かされます。

妊娠中いろいろあって大変だった分、もう可愛くて仕方ありません。ずっと望んでいた女の子だったので、余計に。女の子だとはっきりわかったのは、切迫早産で入院中のことでした。やっと、「あん」と呼べる!女の子とわかった時はもう嬉しくてたまりませんでした。前々から、女の子だったら「赤毛のアン」にちなんで、「あん」と呼びたかったんです。実際は、ピンクの服を着ていても男の子に間違えられるほど、女の子!っていう顔をしていないんですけどね。生まれた時は「この子、美人かも〜!!」って思ったほどなのにな〜(笑)。しかも、階段を一人で上ったり、玄関に下りて遊んでみたり、やんちゃ娘になりそうです。

娘と一緒にPEIへ!という夢に、一歩づつ近づいていると思うと嬉しい毎日です。

 

 

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