7日目
盛岡ユースホステル

→秋田県十和田湖
 「国民宿舎とわだ」

Tシャツ文字対決 鳥人vs凡人

 昨日の晩のことはあまり覚えていないので、日記を見てみる。ちゃんと書いてある!日記の字がものすごく汚い(笑)。
 二日酔い気味で目が覚めたのはAM6時。すごい寝汗を掻いていた。エアコンとか無いのね。
 質素なロビーでタバコを吸って(YHはロビーでしか吸えない)、TVでやってる台風情報を見ていた。
 テレビの前にはもう一人男性がいた。彼はボクと目が合うと、「おはようございます」としゃべった。発声した。挨拶の出来る若者であった。ボクが企業の面接官ならもう合格だろう。すかさずボクも「おはようございます」と発声しようと脳ミソからの信号を口の筋肉に送信したが、ここ数日ほとんど人としゃべっていないのでしゃべり方を忘れてしまったのか「おはようごだいます」と。
 彼は気付かなかったのか、きずかないフリをしてくれたのか、あるいは「しまった!変なやつに話しかけてしまった」と後悔しながらも「旅の恥は掻き捨て、自分はいろんな人と話をしてこの旅でステイタスをアップさせるのだ計画」の半ばなのかどうなのかはわからないが、続けてしゃべりだした。
彼もバイクで旅をしていて、青森まで行くそうなのだが(四国発スズキ900R)、台風とか雨がいやでもう一泊していくらしい。彼には青森の友達がいるらしく、その友達曰く「青森に来て十和田湖見ないのはもったいない。ダメだ。うんこだ。チンカスだ。意味が無い。生きてる意味がまるで無い。このダメ人間がッ!」みたいな意味のことを言われたらしく(自己解釈)、僕にも勧めてくれた。
 そこまでいうなら行ってやろうじゃない!(自己解釈)と雨の中走りがしたのが朝8時。YHを出るときに、YHのおじさんから「気をつけてね」と南部せんべいを貰った。

4号線から282号線に乗り換え、十和田湖を目指す。雨は時々激しく降り、カッパ越しに打ちつける。グローブはレイン用ではないのではずして素手で運転しているが、けっこう痛い。だいぶ雨で白くふやけている。

YHから電話予約した「国民宿舎とわだ」は3時過ぎから入れます、ということだったが、出発して4時間、12時過ぎに十和田湖に着いてしまった。しかたがないのでとりあえず湖を1周走ってみる。全部で44kmあるそうなので1時間ぐらいは潰せそうだ。35kmくらい走ったところでお土産屋があった。食事も出来るところだったので、そこで昼食を。
 一番高い奥入瀬定職を「お、おくいらせ定食ください」とたのむと「おいらせ定食ですね」とやんわり訂正されたので、カチンときて、「きりたんぽもください!」と怒り口調で。「瓶ビールも」と半泣きで。

お腹も落ち着き、まだ2時前だったが雨も降っていたので、国民宿舎とわだへ。初老の男性が快く迎えてくれた。建物はぼろっちいけど。(1泊2食付6000円)
 この旅ではいろんな人が話しかけてくれる。昨日も盛岡周辺で道に迷っていると「どちらへ行かれるんですか?」とサラリーマン風50歳前後が、今日もお土産屋で駐車場係のおじいさんが。食事のときに、家族で来ていたおばあちゃんが。みんな決まって「三重からバイクで来た」というとそこで会話が一回途切れる。ビックリしているのか、あるいは三重県がどこにあるのか知らないのかどちらかだ。(20%:80%)
 そして、ちょっと予想はしていたが、食事つき6000円の夕食メニューは、昼に食べた奥入瀬定食と、内容が同じだった・・・・。


本日の独り言
 いろんな人に話しかけられて思ったことがある。というか実感したこと。それは、いろんなところにヒトは暮らしている、ということ。
話しかけられて、その人の内側を少し感じる。
その人の人生を少しだけ感じとる。

それは、すごく山奥の温泉郷で駐車場係をしているおじいさん。
日本海の浜辺で毎朝決まったコースを散歩する元漁師のおじいさん。
街のコンビニでレジを打つおばさん。
その店に来る言葉のなまった若者。
 
みんなみんな、その土地で産まれ、その土地、風景を見ながら育ち、その土地で育った仲間や恋人を作り、やがてそこで結婚、家族を持ち、そこで子供を育てる。その輪はずっと続いてきた。
 他の場所のことはあまり知らない。他の土地に今もヒトが暮らしていることを実感しない。
「この土地」という条件の中で、とりあえず過ごしていく。人生を。
それは決してダメなことではなくて、どちらかといえば正しい。



本日の出費
ウーロン茶・・・・・・100円
ガソリン・・・・・・・・・628円
奥入瀬定食・・・・・2500円
きりたんぽ・・・・・・・300円
ビール・・・・・・・・・・500円
かみそり・・・・・・・・・200円(ひげ剃った)

合計・・・・・・3958円

本日の走行距離・・・258km
総走行距離・・・・・・・1808km


明日の目標→青函連絡船

本日の風景