17日目 釧路
2,3日前から、髪の毛が重たい。段々重くなっているような気もする。・・・し、心霊現象か?
そういえばi入浴したのって、・・・5日前だ(笑)!
とりあえず社会人として失格なボクは、「温泉はどこかな〜、ル〜ルルル」、とテントの中で声を出して地図を開く。
で、調べると一番近くで別海町の「清乃湯」っていうのが東のほうにあった。
っていってもここから50kmくらい離れてますが。とりあえずそこに向かって出発。
すっかり日も昇りきり、別海町をうろうろしてみるがまったくそれらしいものがない。地図の場所には淋しげな公園がぽつねんとあるだけである。1時間ぐらい探したが見当たらず。
だまされたのか?誰に?
しょうがなくうろうろしていると、ホテル兼スポーツセンター(築8年くらいか)みたいなのがあって、そこの風呂が500円で入れるとのコトでしたのでそこへ。
貸しバスタオルも100円だったので借りました。タオルは小さいの一枚しか持って来てないので。
で、お風呂って久しぶりに入るとすこぶる気持ちが良いわけですわ。
毎日入ってたらこの気持ちよさってゆうか「さっぱり感」、ワカンナイだろうな〜とか思いました!
毎日お風呂に入っている世間一般の皆さん、一度試してみて欲しい。
真夏に5日間くらい入浴を我慢!親に怒られても無視!
「もうなんだか臭いわ〜、エレベーターとかムリだわ〜」(名古屋弁で)、ぐらいで入浴。ざっぷし。
すると浴後、ほほに当たる風が違いますから!
なんだかフワ〜ンと、生まれ変わった気分になります。名古屋人に。一皮むけたってゆうか・・・。
そんな感じで、今から行く「さんまいくら丼」のことと合わせてシアワセな気分になってきました。
さぁ、行こみゃ〜。
で、根室市にある「すし善」に行った。
店のつくりは広く、見通し悪く、入り口から奥のほうにカウンターがあったのでそこへ座った。
「雑誌を見てきたんですけど、さんまいくら丼・・・、あります?」とか注文。
昼間はシャキッとした大将と、愛嬌あふれる奥さんと二人でまわしているようだ。二人とも愛想良し。
大将の話では、さんまは北海道では8月が一番旬、とか。だって寒いもんね、この北海道って。
ちなみに今日は8/19.。さんまドンズバ。まあ、うまかった。臭くないし。新鮮。
奥さんが、自分の店の載っている「るるぶ」が見たい!とか言うのでバイクから持ってきてあげたら、大将と嬉しそうに見ていた。ずっと見ていた。そろそろ出発したいんですけど・・・(笑)。
さて、ご飯も食べたし、お風呂も入ったし、ハーイテンション!今からどこ行こう。
釧路湿原にでも行きますか?ってなことで釧路目指して出発。釧路まではおよそ100km。
途中、「ムツゴロウの動物王国」があったけど、見学は出来なかったので外からじーっと見ていました。ムツゴロウが出てきたら話しかけようとドキドキしていたんですが、30分くらい待っても餌やりのお姉ちゃんしか外にいなかったので、そのお姉ちゃんの体つきをずーっと見てました。
そして釧路へ。霧の中を抜けて。
・・・霧の中を抜けて。 ・・・霧の。 ・・・・・・・ものすごい霧。抜けれません(笑)。
もうかれこれ1時間くらい霧の中をとろとろ走ってますが。
霧で服がシトシト。テカテカ。ヌレヌレ。
しかも寒い。むっさ寒い!なにこれ?
寒いし、霧で前は見えないし、すっかりテンション下がり切りました。
ってゆうか体温も下がりつつある。体の震えが止まりません。
霧で見えないのは前方だけではなく、後方、あるいは左右、もしくは上方、そして地面すらうっすらとしか確認できない。この孤独感。
淋しかったので今日はキャンプはやめて、YHへ泊まることにした。
すっかり日は暮れ、霧の中をなんとか「釧路 星のまきばYH」へ辿り着き、とりあえず一息。
部屋に荷物を置いて、「さて、飯でも食べに釧路の町に繰り出すか!」と、トイレの小便器に小声で言い放ち、ホントはもう部屋で寝ていたいくせに、霧の中を再出発。
霧の中をのそのそ行くと、釧路の駅前では祭りをやっていて人がたくさん踊っていた。
2〜3千人は踊っていただろうか?こんな霧の日にご苦労なことである。
祭りだから、たこ焼きとか焼そばとかあるだろうから、今日はそれを夕食にしよう!とか思って歩いてみたが、テキ屋が全くいない。
通りの店もほとんど閉まっていて食いもん屋が全然無いし。踊るだけの祭りなのだろうか?
しょうがないので祭りをあとにして、飯屋を探しにあっち行ったりこっち行ったりしているうちに、ほら!言わんこっちゃ無い。
道に迷ってしまいました(笑)。
地図もホテルに置いてきたよ。
「とりあえず、今来た道を戻って・・・。」
「この大通りを走ってきたような・・・。」
「こんな地下道は通ってない気がするなぁ・・・。」
「ひょっとしたら知らんうちに通ったんかなぁ・・・。」
もう、どつぼであった。腹も減った。
初めての釧路ですっかりあたふた、そして次第にしょんぼりしてしまったボクは、ドヨ〜ンと霧まみれの道路を幽霊列車のように走行。
しばらくすると、霧の中にオレンジ色光る看板が見えた。
吉野家?オーイェイ。
とりあえず腹ごしらえを。
並・たまご・味噌汁をびしょびしょで注文する。30秒で来た。さすが吉野家、早い・うまい・安い。速攻3分で喰って今は20時。門限が確か21:30だったので、まあなんとか帰れるでしょう!ちょっとゲンキが戻った。ありがとう、吉野家!
あっちやこっちやそっちとかむこうとか、いろいろ走っているうちに霧も少し晴れてきて、ようやく見覚えのあるYH前の公園に来た。
その公園ではYHの泊り客だろうか?若い男女が楽しそうに花火をしていた。その会話から推測すると、どうやら今日、今さっき知り合ったばかりのような感じだった。ホテル内で知り合ったのだろうか?
ものすごくうらやましかったが、「オレも混ぜてよ〜!エヘヘ〜!」とかは言えず、大人な感じで「とりあえず近所で一杯いっとくか!ちくしょう!」と再出発。
しかし近所には古ーい、さびれーた、地元にあったら絶対入らんぞこんな店!というような店しかなく。
「ざんぎの店、鳥勝」。
店に入ると、ほらね。店のおやじが寝てます、枕で。カウンターの椅子を器用に使って。
僕が入っていくとビクッとして目覚めた。他に客はいません。
ざんぎの店と外に書いてあったので、「ざんぎってナニ?」と聞くと、
「ざんぎっていうのは・・・・・か、からあげみたいな・・・・なんとかかんとか・・・」と、申し訳なさそうに言っていた。
その「ざんぎ」と生ビールと注文。一杯目のビールを飲み終える頃にざんぎが揚がった。まさに鳥のから揚げであった。でもどの部分だろう?鳥なのか?なんだか昔食べたことのあるような懐かしい味であった。
「お、お兄さん、どこから来たの」
「三重県から」
「み、三重県ですか」
「はい、そうです」
「・・・・。」
「・・・・。」
テレビではナイター中継をやっていた。聞くと、おやじも阪神ファンらしい。が、話が続かない。
「おじさん、阪神ファンなんすか?」
「うん・・・・。」
「ほぅ・・・・。」
「・・・・。」
「・・・・・。」
こんなにしゃべりの少ない店も、逆にありかなぁ・・・
と、ボクは、この旅一番疲れたこの日を、
知らず知らずのうちに癒されながら、
3杯目のビールを頼んだ。
本日の出費
ガソリン7.0g 840円
ガソリン5.0g 602円
温泉 500円
さんまいくら丼 1570円
吉野家 380円
鳥勝 2300円
YH宿泊料 2620円
合計 8812円
走行距離 324km
総走行距離 4497km
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ざんぎの店 鳥勝