荒天航行

荒海に苦闘する自衛艦の情景集
外洋対潜訓練(ミッドウェー沖)
中部太平洋に於ける第1護衛隊群,。外洋の長大なうねりに難航する後続艦「しきなみ」

激浪の中、第1戦速18ktで後続する「しきなみ」「てるづき
両舷前進原速12ktに減速後
衝撃で天井のペイントがパラパラと剥がれ落ちロッカーの荷物はごちゃ混ぜ状態となる。
初任海士が「船体が折れて沈没しませんか?」と顔面蒼白でしがみつく傍らでタスマン海(オーストラリア〜ニュージーランド間の世界有数の荒海)経験のベテラン海曹が「こんな池みたいな海面で沈没するか」と一喝!
艦橋まで達する艦首波に観ている手空き乗員から喚声があがる「おー!いいなー」

その傍らで船酔いの百姓マドロスが「オエー船を降ろしてくれー!」
「きり」クラス護衛艦排水量(トン数)が2倍になっても苦難は同じ!
同、近景カリブ海の大波
移動物の固縛を厳となせ」の号令によりドラム缶等の流出防止対策.
海面は水平なのに艦が傾斜すると海面が覆いかぶさって来るが如し
土佐沖にて第4戦速27kt
艦隊勤務の初日がこの航海であった。
艦尾波が沸き上がり振動もかなり・・・

陸地も見えぬ遥か沖合いで1人乗りの小型カツオ漁船と遭遇することがあり見張員も気が抜けない。そんな勇敢なる漁師と出遭った時には思わず
帽振れとなる。
あのときの初老の船長さんお元気してますか?
荒天下のハイライン訓練
白波の下では前部甲板要員が全身ズブ濡れで配置に就いているのである。冬は大変!

教訓:
楽な金儲けはない!
いそなみ」艦首状況
右下に距離索と指標が見える。
GUAMに向かう途中マリアナ沖海面での近接運動訓練
こちらは干渉波
給油艦「はまな」先代との洋上給油
両艦の間隔は、わずか30m前後

洋上給油・ハイライン訓練時艦橋配置(測距手)に就いたとき、極度に緊張して胃がキリキリ痛んだ記憶がある。給油蛇管を繋いだまま変針したり、空襲警報による緊急離脱があったりと、こんな高度な操艦はソ連海軍では絶対無理やろなー。
日本海の荒海を第4戦速28ktの高速で航行中の「あまつかぜ」 合戦準備状態のため前後部旗竿が折畳まれ自衛艦旗はTOPマストに掲揚
佐渡沖にて
うねりに乗って艦首の赤腹を見せる「あまつかぜ」後甲板は水没して航跡だけが残っている。
当時の大型艦(全長131m)も木の葉の如し
ミッドウエー沖
連続写真
艦首を突っ込んだシーン
艦の全長(110m)より大きなうねりに突入した「ゆうだち」先代
天気晴朗なれど波高し!
この瞬間の衝撃と船体の軋み音が堪らない
板子一枚下は地獄・・・
高力運転中の「おおなみ」先代
艦首を持上げオランダ坂(斜甲板)から後部は水没状態
潜水艦乗員の厳しい職務の一つ水上航行
基地出港から潜航開始海面までは普通の水上艦船同様セイルトップの開口部から身を乗り出して目視見張りをしながら航行する。
セイル頂部では横揺れが大きく波しぶき・風雨にさらされ続ける過酷な配置である。

潜水艦「ふゆしお」初代 780tのミゼットSUB

日頃寒さに対する抵抗力の弱まってきた私は、「北朝鮮はもっと寒いぞ!」と、つぶやきながら乗切っている。歳とともに次第に北上して後2・3年で「シベリア」に5年後には「北極」に・・・
外洋対潜訓練時の「はるしお」先代
1600t全長88mの大型艦

訓練終了後ランデブー(会合)のため浮上したところ激浪にモミクチャのシーン
ハンドレール(手摺)もない平坦部の少ない上甲板だけに堕ちたらアウト!
珍しい潜水艦とのハイライン
セイル(司令塔)下の乗員の足元の平坦部は僅か30センチたらず。
女房はタスキ掛け親父は命懸!
無事に文書の受渡しを終了、
直ちに潜航して帰投、お疲れさんでした