☆これ、UKIUKI最高に気に入りました☆
2000年東京、波霧島で起こったウィルス感染の原因解明のため、世界最大の製薬メーカー”ネオ・ジェネシス社”の主席研究員(お抱え研究員) 有末静(伊藤英明)が来日した。彼は20年前、”ネオ・ジェネシス社”で遺伝子操作(品種改良)された”生物”で、12才で誘拐されて(取り戻されて)から、ネオ・ジェネシスの貴重な財産(頭の良くなる遺伝子の商品見本)として能力を開発されてきた。そして彼は偶然幼馴染みの永江茂市(もいっちゃん:柏原収史)に再会し、また雨宮凛(伊藤英明)という自分とそっくりの男に出会う。
とにかく内容がUKIUKIのツボ!バイオSFだし、サスペンスでもありアクションも楽しめてヒューマンドラマな要素で虜になりました。原作はコミックだそうですがキャラクター設定や結末はドラマ版オリジナルストーリーだそうで、なるほどそのキャラクター設定や結末の素晴らしさったらもう思い出すだけでも胸がズキズキするほど切なく涙が溢れてきてしまいます。細かい部分であれっ?と思うところもありますが、そんなこと一瞬に消え去って物語の世界に戻してくれるパワーがあります。とにかく一つ一つのシーンに何かしら心響くものがあってその積み重ねで、観れば観るほど深くのめり込んで逃れられなくなったという感じです。
それというのも、なんといっても遺伝子操作で生まれた兄 有末静と弟 雨宮凜の二役を演じる伊藤英明が凄いです。これはもし彼のことを全く知らずにこの作品で初めて見たとしても、きっと同じように感じたと思います。静の感情を抑えた演技、凛の隠している感情が滲み出てくるような演技、それぞれがもう堪らなく素敵♪ どんなに姿かたちがそっくりでもそれぞれの内面が違って見える表情に、感動するしかありません! 彼らのクールで鋭い目には共に悲しさが漂っていましたが、二人が確かにそれぞれの人格をもって懸命に人生を生きているとも感じさせてくれる伊藤英明の演技が最高でした。また脚本が素晴らしいのでしょう、心に浸みるセリフがいっぱいです。ダークな映像も好きだし、光をうまく使った美しい映像も好き。主題歌”Desert Rose(STING)”をはじめ、BGMがいっそう切なさをかきたててくれます。
伊藤英明が見せてくれた静と凛は、全く同じ遺伝子を持つ二人が兄弟としての出会いをどのように受け止め、二人の存在価値を見出していったか、その想いを絡め合いぶつけ合い、もうそれはどちらが善でどちらが悪という枠を越えて、悲しい宿命を背負った天才たちが、大きな陰謀の陰で作られた運命の中でもがき苦しみどのように生を終えたかという姿です。超人的な頭脳と運動神経をもって生まれた静と凛が別々の環境で育てられて、その能力がどのように開発され利用されようとしてきたか。
展開するにしたがって二人の過去と現実がしだいに明かされていきますが、それぞれが自分の過去や思い出に持つ想いや心の奥に閉じ込めた痛みがあって、あるいは表の態度とは別の裏の野心があって、また大切に思う人への想い、自分の存在価値を求めると理想とする未来
もある。そして心からのほんとうの願い。。。リピートすると、静や凛のさまざまな表情の奥に見え隠れするそんないろんな想いも踏まえて観てしまうので、いっそう切なくて堪らなくなります。
これは撮影にしても編集にしても大変な手間隙がかかったと想像します。演技にしても静と凛それぞれがダブルの方相手に演技したでしょうし、絡みのシーンもいっぱいあって、綿密な段取りで位置や視線を合わせたと思いますが、不自然さが全くありません。伊藤英明はこの撮影でいつもの何倍もの仕事をしたと思うし、神経をつかって楽しむどころではなかったのではと思ったりしますが、やりがいや達成感は感じてくれていたと信じたいです。
2005年夏に『海猿 UMIZARU EVOLUTION』を観ていて突然 俳優 伊藤英明に嵌ってからまもなく、
9月末に初めてこの『YASHA』を観て ”YASHAウイルス” に感染、発症しました。
かなり重症で、気持ちの持って行きようがなく、
リハビリを兼ねて このComentを10月8日〜11月9日に書きました。上手く言葉にできない思いが いっぱい残った気はしたけど・・・。
しかし その後も後遺症は続いています。今まで何度リピートしたことか。時々再発するんです。
一生 保菌者なんだと思います。つまり ”YASHAウイルス”は、UKIUKIにとって一生の宝物です☆
静と凜のことは、これからもずっと忘れません!!
今は2007年6月末、改めてComentを読むと、ちょっと違うかな〜って思う部分も色々あるのですが、あえて書き直さないでおこうと思います。
第1話
2000年、波霧島でのウイルス感染のシーンと交互に切り替わり、いきなり誰か分からないけど(じつは静)ベッドシーンで始まります。なんとも美しくてクール♪でドキドキしましたが、不思議な雰囲気が漂っています。完全に表情が冷めています。「時間です!」(誰?じつはケン)と止められても、感情なく服を着る姿もまたクールな雰囲気で、ペンダント・指輪・ブレスレット・メガネに目が行きます。
「・・・天才児を産みたいんですか。僕の精子がご入用でしたらネオ・ジェネシス本社に問い合わしてください。あと1年もすれば、20万ドルぐらいで入手できると思いますから。」って、ただ者ではない!!
そしてずっと後になって思ったのですが、このシーン、ネオ・ジェネシスでの静にはプライベートはなかった!ってことの暗示にもなっているのではないかな。
洛北大学医学部付属生命科学研究所で、盲目の音大生 永江茂市が研究に協力、30キロヘルツ(遠くの犬笛の音ぐらい)が聞こえるんだけど、他にも聞こえるヤツがいるって言う。
世界最大の製薬メーカー”ネオ・ジェネシス社”の主席研究員 有末静博士(さっきのメガネの人)が研究所に到着。あっ(後から思うと)研究員の噂話が聞こえてたんだ。若者としてはちょっと拗ねた態度なわけだ。でも感情はほとんど出していません。「俺のセキュリティー」ってさっきの男(ケン)、渋いなー。静が本人だとは若くて信じてもらえないけど、篠原教授だけとは面識があってたいそう喜ばれている。
茂市の犬笛(ボクの名前、そいつの名前)が聞こえる。静が猛ダッシュ、鉛筆が落ちる間の移動距離で、運動能力もただ者ではないことが分かる。茂市を引き止めたのは、(後から分かったけど)ケンと連絡用のライト笛だった。
「もいっちゃん!」って、急に人が変わったんです。感情があふれてます。なんて懐かしげで温かい表情なんでしょう。作品を通して、静が明るい表情になる数少ないシーンのひとつです。ネオ・ジェネシスの主席研究員として割り切ってクールに生きているはずだったのに、親友に再会して、人間的な感情を思い出してしまったという感じです。「ただいま、もいっちゃん!」って抱き合う。そう、この作品、抱き合うシーンがすごーく多いです。
(回想シーン)1992年、奥神浜。海辺で静と茂市が戯れる姿がキラキラしていて、遠い過去の夢のような映像が美しいです。母とのこじんまりとした生活がなんて幸せだったことか、もいっちゃんも加わって明るく子供らしく育っています。でも、いじめられて抵抗しないのも、分数が嫌いなのも、自分の能力を隠していたなんて・・・。茂市は盲目だからか聴力が生まれつき優れているようで、静は茂市と犬笛での呼び方を作ったりしています。
突然雨宮協一郎がやってきて「久しぶりだね〜比佐子。12年前と変わらないね。(スミスの)日記はどこだい。」比佐子は静を逃がそうと必死。12年前に何かあったんだ。でも静は友達を置いて逃げられなかった。「茂市を離せ、逃げないから。」「茂市を離せよ、約束だぞ。」落ち着いてしっかりした口調なのは、こんなことがいつかあるかもしれないという予感を、母を通して感じていたのかとふと思えてしまいます。いや、やっぱり突然かな。そして静と比佐子は連れ去られた。(回想終わる)
「ただいま、もいっちゃん。」「おかえり。」二人が抱き合うのをじっと見つめるケンは、何を思っているのでしょう。あの表情。。。だってケンが静を知る以前の静がそこにいるんですもの。静のあんなに穏やかな笑顔は見たことがなかったはずです。
茂市が静を自宅で一緒に住むと連れてきます。茂市の妹を「とうちゃん」と呼び、下着を見て「オレンジのチェック」とからかうユーモアは、静がほんのひととき昔の自分に戻っているのかな〜。茂市がピアノで弾く曲は比佐子が弾いていた曲だったのですね。「おばさん元気?」「元気だよ。」「あの後おばさんから手紙来たんだ。」「何て?」「アメリカで静と暮らしてるって。」「・・・・・」怒りを押し殺したかのような静の表情。誰が出した手紙でしょう。静は、誰が出したと思ったのかな。茂市には知られたくなかったのか、本当のことが言えてないって、この後すぐに分かります。
(回想シーン)車中、「・・・何も話してないのかい。子供の知的好奇心を抑えつけるなんて母親失格、・・・代理母なんだからね。」と雨宮協一郎。「静、あなたはあたしの子よ。誰が何といっても、あたしの子よ。」この言葉、比佐子の感情から出ただけと思ったけど・・・。
「くっそ、もう少しのところで・・・。」雨宮はネオ・ジェネシスに静を取り戻されます。「その子の”所有権”は我々にあります。」とは・・・。静が生まれた頃の状況が分かってきました。後から思うと比佐子はスミスの日記を読んでいたみたいだし、静の誕生の謎も静の未来も分かっていて、静を自分の子として普通に育てたいとキャリアを捨ててまで静を連れ出したのではないかと想像しています。
そして静を逃がそうとした比佐子が撃たれたのです。(回想終わる)
うなされていた静がその瞬間で飛び起きました。あのとき自分の幸せが終わったという記憶に怯えるような静です。それに、自分を逃がそうとして母が撃たれたという事実にも、ずいぶん苦しんできたのではないでしょうか。どうしてうなされていたのかって無理に聞こうとしないのは、茂市の優しさでしょうね。
生命科学研究所を案内される静、施設のセキュリティの甘さを指摘し、抗体検査の説明に「ふ〜ん、PCRで遺伝子を検索したほうが速くないですか。」結果が出ないことに対して「それはあなた方のインスピレーションの問題ですね。闇雲に動いても結果は出ませんよ。」とは、天才博士のオーラがしっかり出ています。プライドの塊って伊東は、不愉快でたまらない様子。
研究員の雑談も全部、聞こえているのね、でも不機嫌な態度をとることもなく知らん顔。ガラスの割れる音が聞こえて行ってみると、不審な二人組み。ナイフも拳も軽々よけてしまう静。そして二人は静のことを凛と呼んで、”LUNACY”のマッチを残して逃げていった。
凛の彼女(メイ)は、キスをして静が凛ではないことに気づいた。それどころか有末静の存在を知っている。「凛、聞こえてるでしょ。」とメイは離れたところから言うけど、静がライト笛で確かめても反応しない。
静を見つけた凛の表情ったら・・・、いきなり「有末静だ。凛、雨宮凛。会いたかったんだよ兄さん!」と抱きつき「ずっと会いたかったんだ!」静はこの時はじめて凛の存在を知り、その凛の親父があの雨宮協一郎だと聞かされる。そして自分たちは生まれた日も場所も全然違う(9ヶ月ぐらい)けど一卵性双生児なんだと、科学の勝利!なんだと・・・。凛は気軽に生きてる若者のようで、表情が豊かで人懐こい感じだし、特別な能力があるふうでもなく、ふつうの若者に見えるけど、ずっと後になって別の顔があることを知ってから見ると、彼の言葉や態度がまた違って見えたりします。
住所を教えては「いけません!」とケンの登場、「社に報告して判断を仰ぎましょう。」そうなんだ。静が感情を表に出さないのは、ネオ・ジェネシス所有物としての静なんだ。後の展開で見られるようなこの8年間に味わった孤独感や絶望感が彼に感情を忘れさせ、ネオ・ジェネシスの貴重な財産(商品見本)と割り切って生きることが身についてしまったような気がします。
凛がケンに「これが噂のネオ・ジェネシスの番犬かぁ」と一瞬向ける表情が、すごくキツイです。凛という人物は、見た目に似合わず謎めいたものを感じさせてくれるのでした。
静だって凛という人物を
どう受け入れたらいいか複雑なんでしょう。凛「俺のこと疑うのも無理ないな。・・・オヤジだってほんとの父親ってわけじゃないし。兄さんだってそうだろ。」「俺ずっと一人ぼっちだと思ってた。だから兄弟がいるって知ったときはほんと嬉しかった。」、静「それは俺だって。」、凛「ほんと?」、静「うん」兄弟の抱擁 凛「寂しかったんだ。」胸の奥に隠していたものをやっと絞り出したようなこの言葉は絶対本心だったと思います。静「うん」気持ちに共有する部分ができたのです。
透子が拾ったインコを飼っていて、このあと大変なことに。
茂市は透子が嫌う静のこと「あいつは特別なんだ。」って。
静がケンに頼んでいます。「あいつはこの音に反応しなかった。あいつは俺と違うんだ。たぶんスミス博士は俺たち双子に対照実験をしたんだろう。あいつのことは報告しないでほしい、お願いだ、あいつは関係ないんだよ。」ケンは報告しませんでしたね。(第5話で報告してます。)
この後凛が静と間違われて連れて行かれても、ケンは「いけません!」「あなたはネオジェネシスの貴重な財産ですから。」と止めます。「ケン、あんたの仕事は俺を守ることだろ。俺のプライベートに干渉する権利はなかったはずだ。」離せよ!と振りきって行くのでした。そもそも100%干渉されないプライベートってあったのかな。ネオ・ジェネシスではなかったでしょうね。
第2話
凛を誘拐しようとした男の前に、「有末静は俺だ。」と出て行きます。そのときケンからのライト笛の合図で、・・・二人の素早い動きが見事です。「いい反応でした。」ってケン、カッコいい!
凛を救った後、誘拐車が爆発。これは犯人もろとも静を殺そうとしたのか、失敗したので証拠を隠滅したのか・・・。ケンのこと気になって戻ってきた静にケン小声で、「静、罠です。すぐにここから離れなさい。・・・」前から二人の関係がなんとなく気になっています。ケンは丁寧語で話すんだけど命令口調が入り混じって、静にしたってケンに指図しているって態度があるかと思うと凛を助けにいくとき以外の「いけません!」「・・・なさい。」には素直に従っているし、そのバランスの奥に、そしてなんといってもお互いを見る眼差しに、あくまでもネオ・ジェネシスとの契約を全うするプロの傭兵と貴重な財産ってだけでない、人間同士の信頼感というか心の繋がりのようなものを感じます。
「兄さんが 助けてくれたの?」「ゴメン」「なんで謝るの?」「俺と間違われたんだ。」「兄さんは いつもあんな奴らに狙われてるの?」・・・「もう会わないほうがいい。」「どうして。せっかく会えたのに。」「またこんなことが起こるかもしれない。俺にも兄弟がいるってわかっただけでじゅうぶんだよ。」「俺はイヤだからね。」病院でのこんなやり取りも、後になって思うと、凛の言葉には心から出たものとそうではない部分もあったんだと気づかされることになるなんて・・・。
茂市の「おまえ双子の兄弟なんていたんだ。」に、「親が離婚したときに別々に引き取られたみたい。」って、やっぱり本当のことが言えない。
(回想シーン)茂市が比佐子にピアノを習っています。「もいっちゃん、大きくなっても静の友達でいてあげてね。静は本当は寂しがりやだから。」「だいじょうぶだよ おばさん。僕たちずっと一緒だから。」(回想終わる)
「おばさん、今でもピアノ弾いてる?」「うん、相変わらず。」
遺伝子解析室で、凛の毛髪から自分と99.99%同一人物の結果が出る。複雑な思いの静。
(回想シーン)「あの母を俺は本当の母と信じていた」のに不適合。「13才の時、俺は自分のDNAから本当の両親を、精子と卵子のドナーを見つけようと必死になっていた。(さすが天才です。)俺は失った母の温もりを再び手に入れたかっただけかもしれない。」登録済み全ドナー解析結果 不適合。「僕に家族はないんだ。」「出た答えは残酷なだけだった。」12才で連れ去られたのだから、初めの段階でもう出生時の説明をされていたのですね。そして、能力の開発教育をされたのでしょう。精神的な部分をどう扱われたか。。。(回想終わる)
伊東が勝手に機械を使ったと文句を言うけど、言われた仕事はとっくに終わらせているゾ。
凛のベッドにメイが・・・。メイのキャラクターってなんかいいです。原作にはなかったようなこと、どこかで見かけました。「ふ〜ん、恋してるみたい。そんなに想われているなんて、幸せね、お兄さん。」
凛はメイに静のことやら何やらけっこう話しています。利用したりもするけど、全部っていうわけではないもののある程度気持ちを許して付き合える、数少ない人なのではないかな。二人ともちょっと不良っぽく振舞っているふうでもあるけど、遊びとしての彼女ってだけでなく、波長が合う者どうしというか、お互いの賢さを知り合っているような気もします。メイは思ったことズバリと言うけど、心はありますよね。
ネオ・ジェネシス社から帰還命令が届く。
研究室の静はカッコいいわ。
伊東が「サンプルの再検索?誰が許可を出したんだ。」BSL3がどうのこうのと怒ってます。静は落ち着いて「私を部外者と言うならそれも結構です。しかし助手以上の有資格者と言うなら、私にもその資格があります。」きっぱり言うね、クール!
「静が言わないなら、聞く必要もないかなと思って。」と言う何も知らない茂市に、メイが「あんたも危ないわよ。静と一緒にいると。・・・怪我だけならまだいいけど、ほんと殺されるかも知れない。」と警告。メイは静の存在に危険を感じているけど、凛にはそうでもない。凛のことや、彼がしようとしていること、どこまで知っているのかな。
静がついにウイルスの特定にあと一歩のところまで解明。堂々として聡明感漂ってます。静が作った”ウイルス解析プログラム”(これだけで何億も稼げる価値)「私の研究成果は、全てネオ・ジェネシスのものです。」と言ってのける。伊東「見上げたもんだよ。君の会社に対する忠誠心には。」反応を示さない静の表情の奥にあるものを想像して、胸が痛いです。
ケンが、探知機で静の言動を確認しています。
研究所に来た凛、高校を中退して算数が分数の割り算止まりとか、初期教育の失敗とか、静に聞こえることを意識してるのかな。静が凛を送ってはじめて家まで行ったとき、「兄さん、僕と一緒に暮らさない?」「・・・アメリカに帰るんだ。・・・たぶん、もう会えない。」「やり残したことないの。永江茂市のこと。メイから聞いたよ、兄さんほんとのこと、何も話してないんだって。いいの?嘘ついたまま別れたら、後できっと後悔するよ。」あれっ?!これ、凛の言葉なんです。真剣な表情です。「おまえには関係ない!」とは言ってますが・・・。
(回想シーン)あるとき母が、「・・・、もう嘘つかなくていいのよ。」みんなよりいろんなこと出来ることを隠さなくていいって・・・。(回想終わる)
茂市を海に誘います。メガネを外していきますね。本当の自分にもどるんだって感じがします。
”ウイルス解析プログラム”を開いて、驚愕する伊東。能力の差をまざまざと見せつけられたという感じ。なんだか怪しそうな電話を受ける。
海のシーン。ここでの静の姿は、もう堪らなく切ないし、茂市との友情も素晴らしいです。
茂市が、静の手首をつかんで気づきます。その瞬間の静の動揺した様子にズキンとしました。「この傷、どうして?」茂市が静にはじめて問いただしたかも。「ほんとうは、母さん死んだんだ。8年前のあの日、母さん殺されたんだ。」ここと後に続くシーン、文字にしてしまうと味気ないけど、静が話しているのを見ると、今まで閉じ込めてきた溢れんばかりの想いが感じられるんです。
(回想シーン)母が撃たれたところに続いて、静が手首を切ってます。ネオ・ジェネシス社に取り戻されて、まだ初期のころのようです。自殺を何度も繰り返していたようで、失敗作と言われてます。当然、自分の立場を受け入れて生きるよう、マインドコントロールのようなこともされたと思うのですが・・・。自殺を発見した
ケンに抱きしめられてます。ケンの表情に慈しみのようなものを感じます。8年間の早い時期からケンは関わっていたのね。血のつながった者が誰もいないと分かった孤独感や商品として生かされる恐ろしい絶望感から自暴自棄になっていたのでしょうか。ケンはセキュリティとして、身を守る技も教えたし、精神的な支えにもなっていったのではないでしょうか。やがて、ネオ・ジェネシス研究員として割り切って、いや割り切ったふうに諦めて、感情を忘れて生きてきたような気がします。たとえ商品見本だとしても、自分の能力で研究成果を出して新薬を開発したりすれば人の役に立てるのだから、こうなった以上運命を受け入れるのも生き方のひとつだったと思います。でもやっぱりこれは”作られた意志”、こうするしか生きる道がなかったのですから悲しすぎます。(回想終わる)
「俺は20年前、ネオ・ジェネシス社で品種改良された生物なんだ。遺伝子操作された化け物なんだ。俺はネオ・ジェネシス社の商品見本。頭の良くなる遺伝子のね。使われたのはIQ 160以上の優良遺伝子。あの母は代理母で、俺と生物学的な親子関係はないんだ。」「分数の割り算が苦手なんて嘘。いじめっ子だって、ほんとは簡単にひねりつぶす事だって出来たんだ。」「俺 もいっちゃんにたくさん嘘ついてた。いちばん嘘ついちゃいけない人なのに。」
「ごめんな静。俺こそ何にも分かってなくてさ。おまえ、辛かっただろ。」
静、茂市に抱きついて泣いてます。
透子のインコが死んでます。透子に茂市を連れ出したことを責められて「出てって。」と言われ、静は現実に戻るってふうに帰りのエレベーターでメガネをかけるのでした。
すると、外には迎えに来たという男らがいて、静に何か薬を打つのでした。ケンが男らを撃ち静は逃げたのですが、弾を避け素早く逃げる一連の動きは、ケンと訓練をしてきたようなタイミングの良さでした。
第3話
でもケンより先に静を連れ去ったのは、なぜかそこに来た凛でした。
静がベッドで目覚めると、メイが隣にいて・・・、雨宮家なのでした。「おまえが、母さんを殺したんだ!」とすごい勢いで協一郎に食ってかかる。凛「兄さん、誤解だよ。父さんじゃないんだ。」そしてメイに「おまえ、よけいな事までしただろ。」メイ「な〜に、それって嫉妬?そんな目はじめて。だって、全部同じか興味あるでしょ。」ほんと凛っていろんな目を見せてくれるんです。このときは、ちょっとカワイイコワさでした。
ケンは衛星を使って、静がどこにいても居場所を見つけることができるのね。
凛と静が茶室にいます。「・・・兄さんの母さんを殺したのは、たしかネオ・ジェネシスの傭兵だと聞いてるよ。」
古代アステカの双子の話をする凛、「・・・だって、悪は必ず滅びなきゃならないでしょ。共有するのは殺意だけ。出会った時は殺しあう。」凛はなんか予感のようなものを感じたのかな、どうしてこんな話をしたのかな。
静「残酷な話だな。」・・・「兄さん、でも俺たちは仲良くやろうよ。けっしてアステカの双子のようにはならないって、約束して!」「あぁ」後から思うと、自分の側に引き寄せる作戦かなんて、兄弟の素敵な会話が曇って見えてしまうのが悲しいです。
透子、インコのお墓をつくっている。咳が続いてる。静のこと嫌ってる。
母の遺骨の一部を協一郎から渡される。「君や凛と一緒に暮らしたかった。しかしネオ・ジェネシスは、それを許さなかった。」一緒に暮らして、何をしたかったか!ということです。ふつうに育てられた静の心が、そのことを受け入れられたかどうか。。。「お母さんは、ネオ・ジェネシスから何か持ち出したことで狙われたらしい。そして奴らが雇った特殊部隊に・・・。」「・・・ここで一緒に暮らす気はないか?兄弟一緒に。」
「・・・僕はまだ、あなたを信用することができない。」
ある部屋に大きな肖像画がかかっていて、「凛、あの人は?」「親父のオヤジ、・・・」「・・・じっさい、やなジジイだったよ。」と睨みつける凛。何かあったな、と分かります。
静「おまえ、この家でしあわせだったか?雨宮さんは、おまえを大切にしてくれてるか?息子として愛してくれてるか?」「それは、もちろん。」「あの人のもとで、幸せなんだな?」「幸せだよ。」「それならいいんだ、じゃ。」「兄さん、兄さんは幸せだった?」「幸せだったよ。・・・(回想)12年間は。」後の8年間がどんなに辛かったかが伝わってきます。凛、祖父の絵を睨む。あっ、凛はその頃幸せではなかったのか。。。そういえば静の過去は、あの日以前の12年間とネオ・ジェネシスの8年間にどんなことがあったか、少しずつ見えてきていろんなこと想像できますが、凛のことは今まで何も描かれてこなかった。もしかしたら、静が母の愛情に包まれながら幼なじみと自由にのびのび遊んで幸せに暮らしていた幼い頃、凛は母の温もりを知らないどころか辛い環境の中で暮らしていたのかもしれないと、ここでやっと気づきました。そして祖父の死後についても、何も描かれていません。今まで静の前にいるときの姿だけを見てきたのではなかったかな。たとえ今が”幸せ”だとしても、静が味わったような幸せの中にいたことはないのですから・・・。どんなふうに育てられ、何をしてきたのか。。。”三つ子の魂”が人格の重要な部分だとしたら、凛はまだまだ分からない人。時々見せるいろんな目の表情の奥に、どんな想いを詰め込んでいるのでしょう。
茂市にアメリカに帰るからと手紙を届けに来た静は、透子の助けを呼ぶ声が聞こえる。
隔離病棟へ。医師の資格もあるのか!指示を出してます。
ケンを見つけると、確かめずにはいられなくて、
(回想シーン)「さあ、どこからでも打ち込みなさい。・・・最後に身を守るのは自分自身です。」ケンに戦う技を指導されていた。そして、母を撃つ傭兵。(回想終わる)
ケンの首ににメス!ケンを相手にそういう体勢にもっていったのは流石です。「ケン、正直に答えるんだ。俺の母さんを撃ったのおまえか?」「彼女は銃口を向けました。」「銃口を向けたら、誰でも殺すのか?」「それが私の仕事ですから。」と言われ、静は震えるほど興奮してそして悲しそうで、もうほんとうにぎりぎりのところでメスに力を入れるかどうか躊躇っています。でも茂市の姿を見て、思いとどまりました。
静は茂市に聞き取り、感染経路は拾ってきたインコに指を咬まれたことだと分かる。
「(透子を)絶対死なせはしない。俺を信じろ。」・・・ウイルス特定の必要が迫る。
伊東が、”ウイルス解析プログラム”を盗んで燃やす。
凛が茶室でお手前。協一郎が、相原という客に紹介しています。姿勢がいいわー。普段と違った雰囲気です。いつものフラフラしているような凛とは違う振る舞いに、こういう生活が彼の一部だとすれば、まだまだ知らない部分もあるのかと気づかされるのでした。静のことを話題にして、相原「この国の未来は、もちろん我々官僚が担っているんですよ。・・・この国の未来のためには、そもそも天才など生まれる必要がないんですよ。」天才として生まれた者の存在価値を否定する相原に対し、凛の睨み顔が凄いです。(回想シーン)凛が祖父に虐待されていた映像が、はじめて出てきました。竹刀(木刀?)で何度も何度も打たれています。もしかして祖父は、何かが出来すぎる凛を嫌ってやっていたのか・・・。そのとき父 協一郎は守ってくれなかったのでしょうか。どんなふうに育てようとしていたのでしょうか。(回想終わる)
”ウイルス解析”ソフトがない!「いい加減にしろ!」と静。このとき、はじめて研究員たちに感情をぶつけたんじゃないかな。透子を絶対死なせない!という思いからでしょう。それに対して、彼らも日頃の思いを口に出してしまう。でも、5時間で0からソフトの再構築をしなければならない。「一人にしてくれないか。・・・プログラムは、俺の頭の中だ。」天才の仕事ぶりを見てしまいました、スゴイ!
雨宮親子が相原と庭を散策、「凛君、君は常日頃何を考えて生きてる?」「特別何をと言われましても。」言葉遣いからしていつもと違いますね。「僕は小さい頃から考えるのはこの国の将来のことばかりで、だからこそ資格があるんだよ。この国の未来を決定してく資格がね。」無言の協一郎と、感情と言葉を押し殺している凛。。。
静がウイルスを特定「この遺伝子パターンは、A80ウイルスだ。なぜ・・・」透子の治療に成功する。この結果に、言葉を荒わげた研究員も静の能力を認め、今井研究員は人の命を救えたことで静への見方が変わったようです。
雨宮家に行って「凛、一緒にこの家を出よう。雨宮協一郎に、おまえを任せておけなくなった。」「研究室で解析したウイルスの正体が分かったんだ。波霧島を全滅させたのは、ネオ・ジェネシスで生まれたA80ウイルスだったんだ。・・・日本でそのウイルスを手に入れられるのは、おそらく雨宮協一郎だけなんだ。」凛「父さんが・・・」って表情、はじめて観たとき、まさかあのような真実があるとは・・・。それも、静が凛に出会ったときにはすでに、凛があの事を実行した後だったとは・・・。凛のシーンを見るたびに、これは本心かどうかって考えてしまいます。奥が深い!
第4話
雨宮家に、もう一人の存在が・・・。
凛は静と家を出てきてます。「行く当てもなく、俺を安住の地から引っ張り出したのか。」「でも、雨宮の下におまえを残しておけないんだ。」
ケンが静の動向を追い、もちろん静はそのことを納得済みなわけだけど、ケンへの不信感か、ネオ・ジェネシスへの怒りか、いよいよネオ・ジェネシスに決別することを決意します。
(回想シーン)海で茂市と戯れるシーン。母に「・・・あなたはあたしの子よ。」と抱きしめられるシーン。母が撃たれて倒れるシーン。手首を切り、ケンに抱きしめられるシーン。「・・・家族はいない」と思い知らされたときのシーン。身を守る技と心をケンに教わったときのシーン。
そしてサインをするシーン。ケンもふつうにいます。「18才になった時、俺は自分を売り渡すあらゆる書類にサインした。死後、遺体をネオ・ジェネシス社に献体すること。研究名や特許に関わる権利の譲渡。もういちいちまともに読みもしなかった。読めば胸くそがわるくなるだけだった。」(回想終わる)
まずは、左腕に埋め込まれたチップを自分で取り出します。痛そーーー! ケンは、セキュリティといっても静の見張り役でもあるわけで、今まで、どこで誰と何を話し何をしているかの全てを覗かれていることに抵抗感を見せていなかった静が、もうそれを拒絶したのです。「ネオ・ジェネシスへの、辞職願だ。」洗面所に残る”I'm Free.”の血文字。これを見つけたとき、ケンは意外に、いえ いつもの通り冷静でした。
「俺はたった今、自分自身を取り戻したんだ。これからは、自分自身の人生を生きるために、ネオ・ジェネシスと闘う。だから、おまえもあの男と別れろ。」
そして、ウイルスをばら撒いたのが雨宮であることの証拠を必ず見せてやると、約束するのでした。そんな話をしているところに、メイも一緒にいるんですよね。
何かの作戦?凛が静と家に帰る。「私のことを、少し信じる気になったのか。」はっきり「はい!」凛は嬉しそうな笑顔で、静はいつもの・・・。
伊東が、アルファ製薬の研究所に入る。
静は・・・アメリカではなく、雨宮家。
透子退院して、静への思いが変わってきている。
お手伝いさんが、ふと雨宮家は4人と言ってしまう。
静が凛の服を借りて着ているのを見て、「・・・メガネかけてなきゃ、見分けつかないよ。」と凛に言われた静が、珍しくちらっと見せる笑顔が口元とか凛にそっくりなんだけど、でも雰囲気が静っていうのがスゴイと思いました。
奥の部屋から物音が・・・。
アルファ製薬にて、相原が”生物災害発生報告書”波霧島ケースを処分。情報革命なんて愚かなことだと。協一郎が、情報管理システムを差し出す。何らかの陰謀が見え出しました。何を企んでいるのでしょう。。。
静は、アルファ製薬の社員名簿、波霧島関係までネットから侵入。ここでもまた、天才技です。雨宮と"Code 3019"が入っている。ところがシールドがかかっていて入り込めない"Code 3019"を探りにアルファ製薬へ行ったところ、伊東がいて凛と間違えて通される。
"Code 3019"は凛だった!それも、今回のプロジェクト?の担当者。
協一郎に見破られ、あの重力を無視した壁走りを見てしまいました。凛も到着、彼も見えない所で相当なスピードで移動しているよう。凛が廊下で見せた不気味な表情は、これからの展開のスタートでした。
ケンが静を脱出させます。窓から飛び出し走り去る静の素早さ。「帰還命令はニセモノです。雨宮が仕掛けた罠です。」それに頷く静は、まだケンの存在を認めているようでした。
静に会いに行った透子が乱暴されそうなところを、メイに助けられます。「もうこれ以上、静に近づかないほうがいいわね・・・。」
静が、凛を探して雨宮家奥の部屋に入ります。「凛、おまえ・・・。」怒りが噴出す感じ。「やっと気がついてくれたんだね、兄さん。」落ち着き払ったふてぶてしさです。そしてそこにいたのは、・・・「かあさん!」それはもう驚くとか嬉しいとか以前に不思議なものを見たような・・・。でも、母の様子が少し変です。 静を横目で薄笑いを浮かべて見上げる凛にドキッとしました。
第5話
茶室で、凛から、静に隠していたこれまでのことが明かされていきます。そして、今動いている陰謀も見えてきます。これまでとは違う立場になって語り合うシーンです。
静は、あくまでも感情は抑えているって態度ですが、怒りや失望などを感じているのがよく分かります。でも理性的というか根が優しいというか、弟は特別な存在になっているようです。凛は、気持ちがいろんな表情になって出てきます。今までと違って本心から出ているのかと思うと、微妙な変化に見入ってしまいます。
「どういうことだ、凛。」「・・・仮死状態だった有末比佐子を、父さんが蘇生させたんだよ。ある目的のためにね。」「・・・それにあの女にとっては、幸せな時間を過ごしたはずだよ。(凛の目が・・・)かわいい息子が(横取りしてやったぞ!という意地悪さの奥に、静への嫉妬を感じます)ずっとそばにいたんだからね。(自分は静の変わりに愛されていただけなんですから。)」「おまえ〜、俺のふりをして・・・」「誤解しないでよ。勘違いしたのは向こうなんだから。」(回想シーン)ひどく顔を殴られた凛が部屋に入ってきて、母「静(再会を喜んでます。)、静どうしたの、かわいそうに。」と抱きしめる。(回想終わる)「ちょうどジイさんが、死んだ日だったよ。(凛の顔をあれほどにするくらい元気なジイさんが、どうして死んだのか。何だか嫌な想像をしてしまいます。)それからずーっと兄さんを演じてやったんだから(横目で睨む)、感謝してほしいぐらいだよ。」でも、凛は静を
演じながら、借り物の母の温もりに浸っていたのではないでしょうか。嬉しくもあり、悔しくもありって思いだったのではないでしょうか。比佐子を独占しているようで、彼女の中に凛は存在していない。
「Code 3019は僕だってことは、分かってるよね。波霧島にA80ウイルスをばら撒いたのもね。(これショックです。他では見られない独特の冷やかい薄笑い、気のおかしい科学者って感じ。)」さすが、理解が早い静は、全てを読み取った。「洛北大の泥棒騒ぎは。」「僕だよ。」「誘拐騒ぎは。」「あぁ。」「ネオ・ジェネシスからの帰還命令もか。」「もちろん。」「なんのために?」「兄さんを呼び戻すためさ。・・・」「俺に言った言葉は、・・・全部嘘だったのか。」「初等教育の失敗だっていうのは、兄さんのことかな〜。12歳まであの女に育てられたんだから。(すごい能力を発揮している静の方が失敗!?凛は何も見せてこなかったけど、自分の方が上だというほどの力を持っているのか。)けど、いちばん大事なことは嘘ついてないよ。(この時だけは前の無邪気な顔に戻ってる。)僕は兄さんと仲良くしたい。今でも心からそう思ってる。兄さんの力が必要なんだよ。兄さんの助けがいるんだ。(凛、表情が変わってくる)今回のことには大きな力が働いている。逆らうのは
兄さんのためにならないよ。」静を呼び戻して一緒に何かをしようとの考えはいつからどういうきっかけで生まれてきたのだろう。凛が本当に必要だと思っているのか、協一郎の思惑か、それとも敵にまわすと厄介だからか。
ケンのシーン、挿入。ネオ・ジェネシス日本代表、佐伯に呼ばれて「・・・有末静は本国には戻っていないし、本社から帰還命令を出した覚えもない。どういうことかねこれは。有末静は今どこにいるんだい。」「おそらく雨宮協一郎の屋敷にいると思われます。」「雨宮!?なぜ、あの男のところに?」
「おまえと雨宮はいったい何をするつもりだ。」「これは仮定の話だよ。仮に某国としよう。・・・某国の一部の官僚や政治家たちが、分かりやすい結論に飛びついた。役立たずが減ればいいんだ。・・・A80ウイルスにはさ、変な癖があったじゃん。・・・つまり年寄りだけを重点的に抹殺できるウイルスなんだ。これを有効に使えば、某国の未来は安泰ということさ。」「それがおまえ達の目的か。」「僕たちのじゃないよ。某国のだよ。」
ケンのシーン、挿入。「なんだって!双子の弟がいるというのか。」「はい。ニセの帰還命令もその弟と雨宮が出したものと思われます。」「雨宮め、何を企んでいるんだ。それにしても黒埼、今度のミスはおまえらしくもないな。」「申し訳ありません。」ケンは、本当にプロのセキュリティ。情に流されてたとえば静を逃がしたりするのではなく、あるいはネオ・ジェネシスの貴重な財産を守りさえすればいいと全てを押さえ込んで言うことを聞かせるというのでもなく、大きな枠の中で血の通った人間として静のことを見ながら、彼を守るという自分の仕事を全うしようとしている。会社も静も裏切らない!という
プロ中のプロ。だから、会社も彼に任せるし、静も彼を諦めも込めて信頼しているような気がします。
「・・・手伝ってくれるよね。僕たち二人が組めば、何だってできるよ。」「おまえにそんな考えを吹き込んだのは、雨宮か。」「違うよ。父さんとはたまたま意見が一致しただけだよ。」「おまえ達の考えなど、俺は絶対認めない。」感情や価値観や道徳観の基礎って、やっぱり幼い時の環境で養われるものなのでしょうね。「認めないって、どうする気だよ。敵に回るっていうの。」凛、静の腕をつかんで顔を・・・。「・・・二人っきりなんだぜ、俺たち。(抱きしめる)辛かったんだろ。分かってんだ。・・・俺たちに他に仲間なんていやしないんだよ。永江きょうだいも黒崎も、誰も兄さんを救えやしないんだよ。」凛は、官僚らとは別に、独自に何かしら企みを持っているのだろうか。凛と静の二人が救われるような。。。「凛、俺たちはたった二人の兄弟だ。だからおまえに会えた時、ほんとに嬉しかった。こんな俺にも兄弟がいたなんて、夢みたいだった。でも俺は、おまえ達の言う未来だけは認めることができない。」「約束したじゃん。アステカの双子のようにならないって。」「おまえの心を変えられるものなら変えたい。もしそれがだめでも、おまえは俺の弟だ。ずっと大事に思ってる。」凛、目を閉じて、・・・「分かってもらえない以上しかたないな。残念だけど、このまま帰ってもらうわけにはいかないよ、兄さん。」凛、銃を抜く。静、素早くつかんで取り上げ、凛に突きつける。「殺す気なの?」
ものすごい内容の兄弟の会話でした。凛の言うことを冷静に理解しようとしている静の態度が、落ち着いた雰囲気をつくり話を進めていきますが、その緊張感が最高です。
しかし、母をほってはおけない。「母さん、俺と一緒に行こう。」といっても、母は凛を静と思い込んでいる。「静は俺だよ。」と、何ともいえない寂しそうな表情。。。それで、母がついてくるようにわざと「静を、殺されたくなかったら一緒に来い。」なんて、言葉はキツイけど、目の奥が悲しげです。
「静が全てを知ったようだな。」と雨宮協一郎。「静をあまく見るんじゃない。いかに初期教育が失敗したとはいえ、基本的にはおまえと同じ能力を持っているんだからな。」「父さんに育てられた僕と、あの女に育てられた兄さんの力が一緒だって言うの。」・・・「力の違い見せてあげるよ。」凛の力は表に見えては描かれてないのに、いよいよ対照実験で生まれたのではなく彼もまた天才なんだってことがはっきりしてきて、ドキドキ感が高まります。
静たち二人の追跡方法をちゃんと仕組んでいた凛、・・・空き倉庫のような所で、母を眺めながらこれまでの記憶を思い返す静。目覚めた母は静を見て怯えます。するとそこに追っ手が・・・、微かな音を聞き取った静が見事な身のこなしでやっつけて、母のペンダントにあった通信装置を発見します。「母さん、静は僕だよ。母さんわかってよ、母さん。」錯乱する母をどうすることもできず、気を失わせて咽び泣く静の姿に、もう〜堪らなく胸が痛みます。
雨宮家を訪れた佐伯と黒崎。「有末静は・・・わが社の所有物だ。(協一郎「その通りです。」)だから当然この双子の片割れも、わが社の所有物ということになるな!」凛と黒崎それぞれの一瞬の反応、いやほとんど無反応なんだけど、何かしらグッときます。協一郎「それは出来ません。」協一郎から、20年前の経緯が語られます。「私はジョナサン・スミス博士の部下でした。博士は脳疾患治療の研究中に、神経細胞成長因子遺伝子を見つけ出し、それを人間の品種改良に応用できないかと考え、遺伝子操作実験を行ったんです。(佐伯「しかし、実験は失敗し、スミス博士は貴重な試料を全て処分した上で、自殺してしまった。たしか、唯一生き残った受精卵は、わが社の研究員であり君の婚約者でもあった有末ひさこの子宮の中に埋め込まれたはずだったな。」)その前に、自然に二つに分裂していたんです。・・・」「・・・その受精卵を9ヶ月間保存した後に、正当な手続きを踏んだ上で全ての権利を得たのです。これが・・・契約書です。」もうずーっと物を扱った契約の話を聞いているようで、堪らなくなります。そこに”愛情”が少しも感じられない。凛は、恵まれた環境で父には大切にされてきたかもしれないけど、やはり親の愛を肌で感じたことはなかったのでしょうね。
茂市に電話するしかどうしようもなかった静。「もいっちゃん、・・・どうしても、もいっちゃんの声聞きたくて。・・・母さんが生きてたんだよ。でも、・・・俺が静だってことを、わかってくれないんだ。俺どうしていいかわかんなくて・・・。(こんな気持ちを受け止めてもらえるのは茂市だけなんですね。でも、気を取り直し・・・)ごめん。声が聞けて少しホッとした。ありがとう。」「静、俺今からそっち行くよ。何処にいんの?」「来ないでくれ。声が聞けただけで十分だよ。(「行くよ。」)来ちゃだめだ。俺と関わったら、もいっちゃんやとうちゃんが危険なんだよ。」受話器を置いた後、電話ボックスの中で後ろ向きにもたれかかる静の表情が印象的です。茂市に聞いてもらえてちょっと楽になった気持ちと、心配かけてしまった電話すべきではなかったという思いが混ざった感じ。
母を連れて途方にくれる静。
それでも電話で聞こえた踏み切り近くにやって来て、犬笛を吹きながら静を探す茂市。一生懸命な茂市と、茂市の犬笛を聞きつつ姿を見つめつつやり過ごす静の姿に、胸が熱くなります。静にとって茂市は、宝物のような存在だと思いました。客観的に持ってる能力は圧倒的に静の方がおっきいけど、ほんものの友情ってそんなことは全然関係ないなって分かります。むしろこれまでだって今だって、茂市の方が静を支えてくれる存在です。そして静だって、茂市を守るためにはけっして逃げないのでした、8年前もこれからも。。。転倒した茂市にたまらず駆け寄ります。「来るなって言ったのに・・・、ありがとう。」
茂市の発案かな、茂市が母の曲をピアノで弾くのを聞いて、3人で過ごした頃を思い出した母が、やっと静のことわかってくれるのでした。そして「静」「母さん」と確かめ合って、静と母が抱きしめ合う素晴らしい瞬間。静かに流れるメロディーに包まれて、ゆっくりとした穏やかで素敵なシーンでした。その様子がちゃんと聞こえている茂市「よかったな静。」茂市の後をずっと追ってきていたメイも微笑んでます。ところが・・・
凛と手下が登場。茂市の杖に仕組んでいた発信機は、ちょっとしたイタズラとあの時メイに着けさせたのでした。「これさぁ、本気になったら35kHzまで聞こえる俺の耳でも聞こえなかったんだから、兄さんに聞こえるはずないよねぇ。」じわりっと凛の能力の一端が・・・。「今日の実験は・・・。無事に逃げてるとでも思ったの。(静と母、二人とも)早くこっちへ来てよ。じゃないと、こいつ(茂市)死ぬよ。」・・・「来ちゃダメだよ静。これじゃ8年前と同じだよ。」静に迷いはありません。「親子もんの次は、熱い友情もんか。」凛のふてくされたような態度には、自分に無いものを持つ静への嫉妬が感じられます。母も8年前と同じように「静逃げて。静、逃げなさい。・・・」静は茂市を危険な目にあわせないためには、8年前だって今だって、薬を打たれるのにも無抵抗で捕まります。
「どうしたの母さん、静は僕だよ。」と母を混乱させる凛。そして「何でこんなことすんだよ。兄弟だろ。」と問う茂市に返す言葉を聞いて、すごい衝撃を受けました。なるほど!と思うと同時に、凛の心の奥の叫びを聞いたような気がしました。「永江茂市、おまえは俺の友達だったかもしれないんだ。雨宮協一郎の息子として今 目の前にいるのは、静だったかもしれない。そして有末比佐子の子宮から生まれ、奥神浜で幼馴染みとして育ったのは俺だったのかもしれないんだ。」
凛は二人の宿命を恨むと同時に、二人の運命の違いに対する怒りを、出会った静が自分の生き方に加わってくれれば受け入れられたけどそれを否定して違った価値観で生きようとする静への憎しみで晴らそうとしているように感じました。
静と有末比佐子を連れ去る凛が、最後にケンの覗く双眼鏡に向ける表情が凄い! 背筋がゾクッとして目に焼きつきました。
一部始終を見てしまったメイ。この後、メイの凛への想いはどうなっていくのか。
ネット上にUPした波霧島ケースの報告が、削除されている。
実験台に拘束されている静の傍らに伊東が、・・・ここはアルファ製薬。
第6話
「・・・君はここでは、ただの実験動物なんだよ。」伊東の平手打ちにも暴言にも、そして動体視力検査や知能テストにも、普通だったらあんなふうにはできないように感情を押し殺して平静に振舞う静の姿は、過去8年間のネオ・ジェネシスで身に着けたものかと重ねて見てしまいます。
「・・・出現率で言うと、10億人に一人という天才ではないでしょうか。」「このデータを見る限り、おまえの8割程度の能力のようだな。」「兄さんも意外とやるね。」ん〜〜〜っ!ここまで?!
コンクリートに囲まれた何も無い薄暗い部屋のベッドに座っている静。ものすごく不安で恐ろしい状況、普通だったら泣いたり叫んだりしちゃいそうな、でも静はもいっちゃんや母さんに想いを馳せることでやっと気持ちを抑えているのでしょうか。協一郎がやってきます。「静、残念だよ、我々のビジョンを理解してもらえなくて。・・・」「何がビジョンだ。ただの大量殺人じゃないか。」「能力のあるものが、より多くのものを受け取る。これは当然の権利だと思うがね。君も多くのものを受け取っていいんじゃないのか、凛のように。(凛が得ているものって・・・?)・・・・・」「あんた、頭おかしいよ。俺の脳をいじくりまわすより、あんたが診てもらったらどうだ。」くどくどと理屈を並べる協一郎に、はっきり言い返す静。しっかりした正義感からくる判断力です。静は終始、自分の損得では行動しなかったと思います。「まったく比佐子はおまえに何を吹き込んだんだ。」って、静はなんにも変じゃない。「彼女は自ら進んで、代理母を望んだ。科学者として使命感に燃え、プロジェクトに参加したんだ。」またここで20年前の比佐子に関することがより詳しくわかってきた。静は自分の生まれた経緯や立場を、ネオ・ジェネシスで初めの段階に告げられていたと思うけど、その事実は母への想いを薄めるものにはならなかったし、協一郎の話す比佐子は静の心の中の母とは重ならない存在なのではないかな。だってそこには”愛”があるから。それが凛と協一郎の親子とは違うのだと思います。そしてそのことに気づいているのが凛で、協一郎は気づいていない。凛のこと大切にしてるだろうけど無償の愛ではないってこと、だから後でスミスの実験の秘密を知ったとき、凛はそれまでと変わらないと思ったけど協一郎は大きなショックを受け後悔したのだと思います。「母さんを悪く言うな!」「母親の権利を放棄する契約書にもサインしている。あいつは聖母ではない。おまえが忌み嫌う我々と同類だ。」「黙れ!」感情が爆発、協一郎に殴りかかろうとするが・・・。契約の問題ではなく心の問題に無関心な協一郎が母の尊厳を踏みにじる言葉には、我慢が出来ない静です。叩きのめされるだけでなく、また薬、ひどいよ。「頭に衝撃を与えるな。正確なデータが取れなくなる。いろいろと聞きたいことが、まだあるんだ。」凛もやってきて、「またスミスの日記?」「・・・スミスは比佐子に惚れていたからね。」「スミスもなの?」
静の脳のニューロンの反応速度は普通の人間の3倍。グルコースの消費量も異常だ。複雑な思考や計算になるほど、凡人との処理時間や処理能力の格差が大きくなるってことでしょうか。伊東が「おまえの脳はどうなってんだ?!・・・おまえのような人間の存在を納得できない。説明しろ。どういうことだ。」と静に迫る。「どうしてもお知りになりたいのですか。知っても、失望するだけですよ。」ネオ・ジェネシスへのパスワードを教えたようです。
ケンが様子をうかがっています。早く助けてあげて!
伊東、静に手錠をかけて(さすがに静も一瞬、何するんだって目でした。)「君が人間じゃなかったとはね。」「ネオ・ジェネシス社へ、アクセスできたようですね。」「・・・君が遺伝子操作によって生み出された”化け物”だったなんてな。”君たちのような化け物”に私も敵うわけがなかったんだ。私は”君たち”と違って、正当なホモサピエンスなんだからね。」異常な形相で蔑むところへ、凛の登場。
「・・・ああいう男を見ると、つくづく思うよ、地球にとって人間は邪魔な存在だってね。僕と兄さんが力を合わせれば、旧人類なんて一掃出来るよね。」「A80ウイルスの変異株を使って、人類を絶滅させようというのか。」「・・・でも旧人類を皆殺しにするつもりはないよ。人間の量と質をコントロールするんだよ。旧人類だって、他の動物たちにやっているじゃないか。だから俺たちで、人間という種の生態系を管理すればいいんだよ。」「生態系の管理など、結局ほとんど失敗してるじゃないか。許されることじゃないんだ。」「それよりさ、父さんと有末比佐子の関係知ってる?二人はね、付き合ってたんだよ。婚約してた仲さ。」「でもね、父さんが有末比佐子を蘇生させ、面倒をみてきたのは愛情からじゃない。(凛自身を育ててきたのも愛情からじゃないって、言ってるよう。)・・・」「スミス博士は日記を残していたのか。」「20年前ジョナサン・スミスは実験の失敗を苦にして、研究にかかわる全ての試料を焼却して自殺しただろ。でも日記だけは残したらしいんだ。それには神経細胞成長因子遺伝子の発見から、実験の詳細なデータまで全てが記されていた。つまりジョナサン・スミスしか知らない天才作りの方法がその日記には書かれているっていうことだよ。スミス博士はその日記を有末比佐子に渡した。博士は比佐子に惚れていたらしいんだよ。でも比佐子は父さんと付き合っていた。博士は大切な日記をプレゼントすれば、比佐子が振り向くとでも思ったのかな。・・・そんな日記なくても、僕たちなら天才作りのレシピぐらい見つけ出せるのにね。(鋭い目)」政治(官僚)絡みの陰謀に関わっているのが協一郎なら、凛は自分たちの能力にふさわしく世の人々を管理する優位な立場を確立することをめざしているようで、それは自分の存在を温かく受け入れられることなく或いは正当に評価されてこなかったことへの反動でしょうか。
波霧島ケースのデータ、ネットから削除される。
メイはやはり”みこと”。茂市「俺が頑張ってれば、静は必ず帰ってくる。そういうヤツなんだよ。そう信じてるからさ。」「・・・静が心配じゃないの。凛に何されてるかわからないのに。」「凛も言ってたけど、あいつはひょっとしたら俺の友達だったかもしれないんだ。なんかあいつ、ちょっとかわいそうな気がしてさ。」
メイが凛を呼び出し、狂言誘拐の犯人を殺したのかと迫ると、「おまえこそ・・・中西みことちゃん。・・・あーそっ、最初の男って、親父だっけ。茂市先生はそれを救ってくれた王子様か。」凛の皮肉たっぷりの表情が・・・「茂市先生、あんたのことがかわいそうだって言ってた。」胸の内をすかされたように顔つきが変わって、引きつったよう、こんなのはじめてです。
あっ、メイの様子はつわりのようですね。
(凛の回想シーン)
「この化け物が。おまえは夜叉だ。」「おじいちゃん!」「化け物の血を雨宮家に入れることはできん。」
「静、静どうしたの。かわいそうに。」
(回想シーン終わる)
比佐子の所に行って「静・・・、静。」「母さん。」って凛。辛かった頃静として比佐子に愛された。今また偽りでもいい母の愛情に触れたかったのかな。メガネもかけて静そっくりだけど、凄い!微かに口元や呼びかけ方に凛が感じられる。「どうしたの。」「静じゃない!静じゃない!」かなりショックで落ち込んでて、鏡に映る自分の姿に静の姿を思い浮かべては静にはなれない自分に苦しんでいるようで、こんな凛は想像はしても見たことなかった。ほんと可哀想。。。
「兄さん、考え直してくれたかな。・・・(茂市、明日プロ初のライブ)無事に成功するといいけどね。」脅しにかかっています。凛は気持ちのはけ口を、静に持っていったのでしょうか。「おまえ、まさか・・・」「それは兄さんの出方しだいだよ。兄さんが僕に協力してくれるなら、何もしないよ。けどいつまでも分かってくれないようだと、有末比佐子も永江茂市もヤツの妹も、みーんな殺して兄さんの前に死体を並べてやるよ。」なんてひどい言い方でしょう。「そんなことさせるか。手を出してみろ、俺はおまえを 」「何、ずっと大事に思っていると言ったよね。あれは嘘?・・・じゃあ僕も言うね。俺はおまえが大っ嫌いだ!面も見たくねえ!」興奮して手も出してしまう凛。静は言い返しませんね。凛のこと、まだ弟として大切な存在で、腹は立っても憎んだりはしていないみたい。それより静はいつだって、自分も傷ついているでしょうに、相手がぶつけてきた気持ちを受け止めてあげますね。感情的に突き返したりしないで。これって受身で引いてるみたいだけど、でも静の強いところだと思います。「これが最後の通告だよ。いいねぇ兄さん。」そんなに嫌いなら、殺すまではしないでも何もさせないで閉じ込めるとかってしそうだし、静に協力させる意味もないような気がするけど、・・・凛は静と一体化したいって思っているような気がします。
協一郎が日記の話をしても、比佐子は記憶が戻らないようです。比佐子の部屋の外でたたずむ凛。。。短いシーンだけど印象的です。
ベッドでじっと考え込む静。。。
じっと外から様子をうかがうケンに、本社が異変を察知3日以内に静を奪い返せと指令が来る。
静がいつになく挑発的な口の利き方(なんか変だなと思ったんだ、こんな言い方するかなあって。)で伊東を興奮させ、そのどさくさで手錠を外す針金を手に入れる。部屋からの脱出も見事ですね。特殊隊員ぐらいの技術はケンに訓練されてきたようです。
伊東はウイルスの保管場所:バイオセーフティレベル4を知らないので、ホストコンピューターにアクセスさせるが、拒否されるだけでなく保安システムが作動してしまう。でも静は銃を捨てていきますね。扱いには慣れている(よく知っているようです)が、使おうなどとは思っていない人なんですね。凛が一部始終を映像で見ています。
何かのガスが噴出すシステムで静の動きが弱まり、咳き込んで苦しそうで、ついに追い詰められるけどそこにケンがいた。さすが!ケンは逃げることが最優先だと言うが、静はBSL4に行ってA80ウイルスの変異株を根絶やしにしようとする。正義感ですね!ケンはちゃんと静に追いつきます。DNAチェックは ”雨宮凛”と感知されて通過。なるほどね! BSL4ロックシステム解除の問題は ”この図形を最小原型の組み合わせで非周期的に完全充填せよ。”「兄さんの能力じゃ無理だよ。世界中で誰も解いたことがないんだから。僕以外はね。」真剣に集中してとんでもない処理能力を発揮する静の表情がまた素敵です。しかし時間切れ、BSL4に侵入せず脱出したものの、”クリア!”はされていた。凛は、静が知能テストでわずかに不正解だった問題もわざと間違えていたことを知る。
(車中)「ケン、母さんは生きてたよ。わるかったな。」「私が撃ったという事実は変わりません。佐伯さんが待ってますが、どうしますか。」えっ・・・と思いました。しかしケンは、これ以上のことは言いません。「どういう意味だ。俺に逃げろとでも言いたいのか。昔みたいに、ネオ・ジェネシスの奴隷になるよ。もいっちゃんたちや母さん、俺一人じゃ守りきれないんだ。」今度もまた静は、茂市や母を守るために自分をさし出すのでした。
(ネオ・ジェネシス日本支部)「わかった。その取引(静が戻るかわりに、茂市きょうだいや母も守るということでしょう)に応じようじゃないか。しかし今度は、死ぬまで二度とは取り外せないチップを埋め込ませてもらう。今日のところは、これを飲んどいてもらおうか。この薬は4時間たったら、辛い禁断症状を引き起こす。4時間以内に私のところへ来い。・・・」こんな恐ろしい条件にも、静は従うんです。佐伯の手が震えているということは・・・。
生命科学研究所、波霧島ケースを再度HPにUP。相原が凛に事態の収拾を指示。
茂市のピアノライブ会場、静と茂市の笑顔が嬉しい。
「凛、おまえらしくない失態だな。少し失望したよ。」協一郎の言葉って、なんか冷たいです。「兄さんの逃げる所はだいたい察しがつくよ。それに有末比佐子だって、まだ囮に使えるしね。」「・・・今回のことは、自分で処理しろ。」「はい!」と言っても、凛はかなりイラついてます。
ピアノライブ会場の様子を凛が見ています。カメラはどこに?誰かが持ってる?「ネオ・ジェネシスなんて、なんの役にも立たないよ。」と凛。佐伯はおまえらを救えないってことなんでしょうね。
ケンは時間を気にしています。
静と茂市の再会、当然ハグ。「俺のことは静でいいからね、とうちゃん。」ほんのひと時の和やかな時間。。。これを凛も見ているんだ。
凛が新たな人物にメールを送ります。”三上尊”(回想シーン)凛に手を差し伸べる少年。凛の見ているなか、倒れた祖父の茶碗を交換している。毒殺だったのか。この二人でやったのか、まだ子供なのに。それで凛は救われた?!(回想シーン終わる) ”尊、君の力が必要だ ”
第7話
静は佐伯の所に戻らないで茂市のマンション、外ではケンの他にも護衛がついています。禁断症状が出てきて辛そう。
凛、伊東を主席研究員にするもウイルス入りコーヒーを飲ませる。コーヒーを交換するところなんかちょっと面白かったな。凛ったらいくら抗体があるからといって、自分でも飲む〜?!
静、ひどい禁断症状に苦しんでいます。茂市に聞かれないように声を出さないようこらえて七転八倒する姿は、見ていられないほどで (いえむちゃくちゃ見入ってしまうんですけど。。。)、彼はこの先どうしようと思っているのかな〜と思っていました。
HP波霧島ケースがまた削除されてて、今井は毎朝新聞の同級生を頼って、官僚の妨害工作を告発してやると意気込む。
佐伯からケンに、静を連れてくるように催促がかかる。「”脳に埋め込むチップ”の用意は出来ている。」って、恐ろしい。ケン「わかりました。」
茂市に静の苦しむ姿は見えないけど、気配は感じるみたい。「凛のことが気になってるの。たった一人の弟だもんな。」「ああなったのは凛にも責任はある。それよりも、凛を利用する奴らが許せない。雨宮協一郎が許せないんだ。」あ〜なんていいお兄ちゃんでしょう。あんなにされても、凛のことを理解しようと大きな視野で考えてくれる。
(車中)「ケン、・・・洛北大に行ってくれないか。」「勘違いするなよ。ネオ・ジェネシスを裏切るつもりはない。・・・手術すれば2,3日は動けない。だからその前にやらなきゃいけないんだ。ケン!」「わかりました。」体を起こしていられないくらい苦しそうな静、そんな状態で何かをしようって。。。
協一郎、比佐子を奥神浜に連れ出し、記憶を取り戻そうとしている。
今井が同級生の南から取材の約束を取りつける。
雨宮家茶室で、「洛北大の連中をどうするつもりかね。一刻も早く口を封じないと・・・」「相原さん、研究員全員を抹殺しろとでもおっしゃるんですか。」「それは君が考えることだ。私の口から言うべきことではない。」
(洛北大研究所)静は篠原教授にだけは今起こっていることを話した。「人口構成の矯正!?そんな恐ろしいことを考えているのか。」「アルファ製薬の研究所には、バイオセーフティレベル4の部屋がありました。A80ウイルスの変異株を開発しているおそれがあります。それを使えば65歳以上の高齢者を中心にねらうことができるんです。・・・もうしばらくここで研究を続けさしてください。ウイルスを特定し、抗血清を開発するための準備をしたいんです。」なるほど、ウイルスを奪って根絶やしにすることができないなら、抗血清の開発しかないんだ。・・・静、なんとか普通に振舞っていたけど、よろけながら部屋を出る。
「一刻も早くA80ウイルスの変異パターンを探らなければ。」とデータを調べているが、もう限界! 自分で採血し、今井に協力を頼んで解毒しようと試みる。
凛がメイを呼び出して、この前のこと誤ってるけど・・・、とっても素敵なシチュエーションなのにキスに気持ち入ってないなーって思ったら、案の定頼みごとをそれも後から分かるけどとんでもない事をさせようとするのでした。メイは言おうとしたこと言えなかったよね。もし凛がこの時聞いてたら、この先彼の気持ちに何か変化があったでしょうか。自分の求める父親に、自分はなれるか、なろうとするか、って見てみたかった。
メイはやっぱりできなかったよ、茂市にワケの分からない薬を飲ませるなんて。「メイも比佐子も、これだから女は信用できねぇんだ。」と凛、電話の相手は彼ですね。
静は横になって苦しんでます。でも今井の協力で検出した血液中の薬物の成分を見て、すぐに処方箋が書けるなんて、流石。
佐伯がケンに再度催促。「・・・このままじゃ、薬の副作用で、ヤツの商品としての価値も危うくなるぞ。」「分かりました。すぐに連れて行きます。」
凛が登場、「・・・佐伯さん、最近手とか足の指とか痺れませんか。ボルナウイルスは・・・(このときの説明していく口調がなんというか好きです。)」「・・・あの時のお茶か。雨宮の命令か?」「いえ、僕自身の判断でやったことですよ。」「発症をコントロールすることは可能ですよ。・・・僕はねぇ、部下の年齢を気にしないほうなんですよ、佐伯さん。」
「静、限界です。行きましょう。」とケン。「例の薬物は、もう自分で解毒した。今日中には手術に行くから、もう少し待ってくれ。」「外で見張ってます。」静の意思を優先しますね。
電話で透子と茂市を洛北大研究室に呼んだのは、静だと思ったら(ものすごく微妙〜語尾の切り方とか)・・・。毎朝新聞の取材をどうして凛が知ったか、リピートして分かりました。
奥神浜の協一郎と比佐子「お荷物まだ預かってますよ。」という女性に出会う。
メイは、父親のこと許せないって問題を抱えているんだ。
凛が伊東を呼んで、「あれっ、どっか具合でも悪いんですか。・・・ダメじゃないですか、主席研究員は体の自己管理もできないと。」って、上に立つ者の貫禄がけっこうあるんですよね。で、与えた”重要な”仕事は、脅し用の銃まで持たせて、篠原研究室から波霧島ケースの報告書や保管されているウイルスを盗み出すこと。って、そんな物が必要なわけではないんですよね。
ケンが外の様子や佐伯の異変に気づいて、静に忠告しに来ます。静を呼び出したのは、やっぱりケンが手に持つあれでした。
伊東はやって来るし、茂市や透子も到着。
毎朝新聞南記者と一緒にいるカメラマンは尊でした。3千万で、みんなを研究室に集めたとは・・・。
”罠”に気づく静。
伊東の本当の仕事は、凛のシナリオはこういうことだったのか!
銃口をこちらに向ける伊東に対し、ケン「・・・手元を狙います。」ってうわっカッコいいんだけど、静は伊東がA80ウイルスの変異株に感染していれば返り血が危ないと下がらせます。
「ヘーィ凛チャ〜ン」「ご苦労さん尊」って、奇妙な雰囲気。
凛の企みで伊東の銃が逆発射、伊東の血液が飛び散り茂市と鈴木研究員にかかる。「この血液は、A80ウイルスの変異株に感染している危険性がある。」「・・・今から第一級スクランブルの発生とみなし、必要な措置をとる!・・・」指示が的確だ! 連絡も適切。でもすぐに情報が漏れ、様子がおかしい。
凛が企んでいたことは、洛北大にバイオハザード事故を起こすことでこれから起こるウイルス感染の責任を押し付け、今後研究施設として機能させなくすることのようだ。尊は今の状況をかなり理解しているみたい。どうして尊は、凛を手伝っているのかなぁ。
協一郎がスミスの日記を発見。
第8話
「俺たち、どうなるの。」と茂市。「大丈夫。助けてみせる、必ず!」静は言うけど。。。
研究室内は封鎖され、伊東、守衛の二人、鈴木、そして茂市もA80ウイルスの変異株に感染という結果が出る。
A80ウイルスの抗血清を4人に投与して様子を見る。
凛は、A80ウイルスの変異株A2000ウイルスのワクチンを既に持っている。凛が
作ったんですよね。彼の科学者としての姿は全く出てこないけど、この能力を善良な環境で発揮することができたらどんなに良かったか、カッコいいだろうな、科学者としての”頂点を極めること”ができたでしょうに。でも運命がそれを許さなかった。本物の愛がない環境で彼がずっと受けてきた心の痛みが、運命の中で懸命に闘っていくときに、人への愛をどこかに忘れてきたみたい。
「・・・この国の未来のためだ、必要な犠牲だ。」と言う相原に向ける凛の視線の意味は?・・・相原に全て従うつもりはないはず。おまえも含めての犠牲の後に自分が未来をコントロールするんだ!とでも考えているみたい。
「全部あんたの弟がやったと言うんだな。・・・絶対許さない。」静が、今起こっている事の事情を今井にも話したということですね。婚約者の鈴木が感染したことで、凛への怒りが転じて静に対する今井の態度が変わってしまいました。「分かりました。俺や弟をどうしてくれてもけっこうです。」今井の怒りを受け入れていますね。
「もいっちゃん、昔みたいに暗号遊びしようか。」マスクやゴム手袋を外してしまい暗号遊びをする静の笑顔が童顔でびっくり。二人のあたたかい笑顔と笑い声が広がります。二人でいる時は昔とちっとも変わらない。こんな穏やかな時間がこれで最後になるなんて。。。「じゃこれが最後ね。」「何それ。」「おまえ本当に天才か。思い出して。」「そんなのあったっけ。分かんない。」茂市にとっては忘れられないところ。静も後になってちゃあんと思い出しました。
守衛の死に天を仰ぐ静。
凛、女、尊、三人川の字でベッドに、なんか変な感じ。
協一郎からの電話「よくやった、凛。・・・(スミスの日記のことで)おまえに大事な話がある。・・・会ってから話すよ。」アップになった凛、このときの映像がいやに美しいです。父の言葉が気になっているようです。尊に「あの女最悪、激マズ。俺の方がウマイだろ。」尊「イエ〜ス」なんて、ワケわかんないこと(あらっ?)言いながら笑っていても、心ここにあらずって感じです。
A80ウイルスの抗血清では、A80ウイルスの変異株には効き目がなかった。
もう一人の守衛も死亡し、静はリパビリンに望みをつなぐ。茂市も鈴木も悪化してきた。静は彼らを救えないことを苦しんでいる。今井は弟を庇っていると静を責める。「弟がどこいいるのか、このウイルスを作った人間だったら、ワクチンも抗血清も作れるはずだ。殺してでも聞き出してやる。」と静の首に手をかける。静はされるままじっと・・・、いつだってそうですね、今井の気持ちを受け止めています。凛の言葉を思い出し、苦しんでいます。「兄さんが僕に協力してくれるなら、何もしないよ。けどいつまでも分かってくれないようだと、有末比佐子も永江茂市もやつの妹も、みーんな殺して兄さんの前に死体を並べてやるよ。」
「俺の血液から血清を作り出し、患者に投与します。俺は受精卵の頃このウイルスとほとんど変わらないウイルスに感染させられているんです。だから俺の免疫システムはこのウイルスの顔を覚えているかもしれない。」今井「もし覚えていたら、A80ウイルスの変異株も攻撃するかもしれないってことですか。」「しかし、それには大量の血清が必要だ。培養している暇はありませんよ。」「だからあなたに採血してもらいたいんです。」
様子がおかしいことに気づいたケンが、血相を変えて静を探します。今井が持っているのは・・・「輸血?静に何をした!」「ケン、行かせるんだ。」気を失った静を抱きかかえ「静、しっかりしろ。静!」あの時と同じような二人の姿ですね。静は今あの時とは違った思いだけど、ケンの静への思いは同じような気がします。静の辛さを包み込んで”死んではいけないよ。生きて出来ることがあるだろう!”って気持ちを感じます。
「静、無茶しないでよ。お兄ちゃんだって、静が死んじゃったらそれで助かったって」「俺はそれでよかったんだ。」
「中西みことです。先生に謝りたくて。・・・あたしがしてきた事すべて。」「みことちゃん、無駄なことなんてひとつもないんだよ。全ては必要なことなんだよ。」100%共感はできないけど、印象的な言葉です。人を傷つけたことには当てはまらないと思うけど、自分が傷ついたことにはこういう考え方も大切だと思えます。「茂市先生。。。」
メイと凛の出会い。車に轢かれそうになった犬を、命がけで助けた凛。いえ、凛にとっては何でもない動作だったかもしれないけど、普通の人にはできない素早さでした。はじめて見ましたね、凛のそういう超人的な姿。「あっ、人間にいじめられてんだ。かわいそうに。」なんだか自分のこと言ってるみたいじゃない。とにかく、あの時の凛を信じよう、あの優しい凛がほんとうの凛だとメイは心に言い聞かせたようです。
鈴木の症状が悪化していることを聞いて、「血清をもっと投与してください。一時的でも病状が改善したんなら、抗体が反応してるはずなんです。」また採血しようとする静に、ケン「動いてはいけません。やめなさい。やめるんだ。」「離せよ。俺の血が必要なんだ。離せよ。」「静」「離せ!もいっちゃんが、もいっちゃんが。」
「もいっちゃんが」 「落ち着くんだ静」 「もいっちゃんが、もいっちゃんが。」 「落ち着け静」「離せ」命に代えても茂市を救いたい 静。バシッ!「目を覚ましなさい。あなたには他にやるべきことがあるはずだ。」「そうだな。俺は凛がしたことを、見届けなければならない。」
「おまえの弟が久美子を殺したんだよ。おまえの血一滴残らず抜いてやればよかったよ。」「俺はそうしろと言ったはずだ。」・・・「どんなに逆らっても、やはりこうなるのか。運命は俺に凛を殺せと命じるのか。」静が、これだけは避けたかったこと。自分の命は差し出してもみんなが救われればよかった。けれどもそれが叶わないなら、この状況を止めさせるには、凛を殺すしかないのか。。。
茂市が透子に伝えたこと・・・。
痙攣がひどい茂市を抱いて、「もいっちゃん、大丈夫だから、大丈夫だから。・・・・・・」「静」「もいっちゃん、・・・・・・」
「触るな!頼むから、これ以上苦しませないでくれ。もいっちゃん、・・・・・・」もう抱きしめることしかしてあげられない静が、繰り返し繰り返し呼びかける”もいっちゃん”という言葉の奥に、言葉にならない静の溢れんばかりの思いが感じられます。
「いいか透子、静を信じてやれ、これからもずっと、弟のことできっと苦しむだろうから。静は、ほんとは寂しがりやなんだ。だから、俺の代わりに、ずっと一緒にいてあげて。」
静、茂市に寄り添ってメガネを外す。遠い日のキラキラした思い出、年月を経ても変わらなかった友情、いつだって気にかけてくれて心配してくれて支えてくれたこと全てに感謝し、それなのに、必ず助けてみせる!と約束したのに果たせなかった後悔と、それが弟の凛がやったことで、彼の気持ちを変えられなかったし治療法も見つけられなかった自分のせいだという憤り。。。茂市の手に犬笛が、その犬笛で最後に茂市になんと言ったのかな、”今まで、ありがとう。”かな、それとも。。。泣き崩れてます。
凛と尊、計画通りの展開なのでしょう。でも静をどうするか。。。
ケン、佐伯のところへ「その薬と引き換えに我々を裏切ったんですか。本社にはきのうのうちに連絡しました。・・・あなたは雨宮凛を分かっていない。」「じゃあ、私はどうなるんだ。」「私の知ったことではありません。」
どこかの屋上で「悪かったな、急に呼び出したりして。」「どこに行ってたんですか。探しましたよ。」「ケン、おまえを雇いたい。・・・ネオ・ジェネシスを辞めて、俺の命令に従ってくれ。」静のサングラスはこの時が初めてでは?今までとは違う決意の表れのようです。
第9話
忍び寄る男たち、尊が率いて、銃が構えられている。静は素手で男を倒し、ケンは急所をはずして次々銃を命中させる、クール!「銃を捨てろ。警告は一度きりだ。」銃弾を避ける静。次の瞬間、銃を拾い上げ男の眉間を撃ちぬいた。えーーーっ!静がそんなことするなんて。「静。。。!」ケンの驚きようったら、静の強い意志を感じたことでしょう。でも、やっぱりこんなことする静を見るのは悲しいです。
尊の言葉通り「いや〜お兄ちゃん、人が変わっちゃったよ。」、さあ凛は。。。
研究所のウイルスは外部には漏れていないはずだけど、「・・・けど凛のことだから。すぐにでもワクチンが必要なんだ。」「それではあなたが、」「いや、俺にはまだ、凛にしか作れないんだ。」「とすると、アルファ製薬の研究所から奪うしか手立てはないということですね。」「ケン、力を貸してくれ。」「分かりました。静、あなたと契約します。新しいネオ・ジェネシスの日本代表とは、金でかたをつけましょう。」
「・・・二人では無理です。」「研究所の襲撃が無理なら、残る手は、凛。」
尊の手で、ウイルスが外部に・・・。ちゃんとワクチンを使ってから。
透子が茂市の遺骨を胸に、両親とロンドンに。静は透子と茂市をじっと見送っているけど、ケンはそんな静をじっと見ている。静は、これからすべきことへの決意を新たにしているようです。
携帯が鳴る「兄さん、ウチの人間をいとも簡単に殺してくれたらしいじゃん。やっと本性を現してくれたんだね。それでこそ僕の兄さんだよ。ねぇ。ねえ。これからどうするつもり?逆らうだけ無駄だよ。僕たちの仲間になるなら、いつでも歓迎してやるよ。」「凛、おまえらの計画は、必ず叩き潰してやる。」「ふ〜ん、面白そうだね。やれるもんならやってみてよ。」携帯を叩きつける静。
雨宮家の警備の様子を見ていて、尊の存在に気づく。「あの時のカメラマンだ。ケン、あの男のことを調べてくれ。」
協一郎、スミスの日記を手に比佐子のところに、「これは君と私に対しての復讐だ、と書いてある。どういう意味なんだろうね。この破られたページには、何が書いてあったのだろうね。君が破り取ったのかい。比佐子どうした。」「もいやっ、いやっ!」泣き崩れる。比佐子が破り取ったのでしょうね。彼女は全て知ってしまったので、静をネオ・ジェネシスから連れ出して育てたのだと思います。静の負ってしまった宿命の悲しさ、それは商品見本としては失敗作でネオ・ジェネシスにいても明るい未来はない、そしてなにより科学者としての実験対象物ではなくなってしまった母としての愛情。そんな悲しい事実を、今も彼女は記憶に残しているようです。
透子は茂市との約束を思い出し、戻ってきてしまう。研究所前、「静が今どこにいるか知りませんか。」今井「あいつには関わるな。有末静は弟と同類だ。あいつは弟を庇ってる。俺はあいつの弟だけは絶対許せないんだ。」
ケンの足音に、静は銃弾を装填、緊張感で張り詰めています。「さっきの男の名前は三上尊です。雨宮凛の代理母の実の子でした。雨宮邸の襲撃は・・・静、雨宮邸の中にはあなたのお母さんが、巻き込まれる危険性があります。」「ターゲットは、凛だ。・・・」「わかりました。」
凛、協一郎の部屋に「おまえに社長職を譲ろうと思う。・・・」「父さんがそう言うなら。でも、理由を知りたいな。スミスの日記?ねぇスミスの日記には何が書いてあったの。」「ページが破かれていて、何も書いていなかった。おまえ達が受けた遺伝子操作の実験方法も分からなくなってしまった。凛、これからはおまえの時代だ。おまえならその方法を見つけ出せることができるだろう。」凛「そうさ。」っていうような表情。
物々しい襲撃準備「行こうか。」「はい。」
「おかしい。警備が手薄すぎる。」そこに透子と今井が来る。「ケン、中止だ。」「とうちゃん、何で戻ってきた。」
「もうちょっとだったのにな〜。」「せっかくの罠も空振りか〜。残念。」「兄さんはそんなに甘くないよ。」「ずいぶんあいつのこと、かってるんだな。俺もおまえのお兄ちゃんのつもりなんだけど〜。」(回想シーン)「こんにちは。」「母さん、そいつのために死んだんでしょ。」でも、凛の寂しそうな姿が気になったのか。祖父に虐待される凛。「誰にやられたんだ。いいから言ってみろ。」手を差し延べる尊。祖父、毒殺。本物ではない兄弟愛でも、凛にとっては貴重な愛。でもその表現方法が祖父の殺害というかたちで象徴されてしまって、二人の関係はノーマルでない危なげな世界で成り立っているようなものになってしまった気がします。(回想シーン終わる)「頼りにしてるよ、尊。」「あぁ。」
今井から透子の携帯へ、「有末博士、俺はあなたに謝らなければはいけません。あの後すぐにショットガンを手にした男たちが現れました。何人も。俺がなんとかできるような相手じゃなかったんですね。俺を危険な目に合わせないために、あなた、弟のこと教えなかったんだ。何にも知らずに、すいませんでした。」「いえ、俺は自分がやらなきゃいけないっことをやってるだけですから。」
ウイルスが広がりつつあります。
「俺たちは、とうちゃんに助けられたんだな。あの時、とうちゃんが現れずに襲撃していたら・・・。ケン」「見張りに行ってきます。」
協一郎が、スミスによって協一郎と比佐子の登録済ドナー情報が20年前からすりかえられていたことを突きとめた。
凛、相原にA2000ウイルス感染力の説明、たった一人から一週間後感染者は100万人、死者は50万人に達する。
静、茂市のこと思い出している。「これ(犬笛)とうちゃんに返さないといけなかったな。」「いいよ、静が持ってて。そのほうが、お兄ちゃんもきっと喜ぶから。」「ありがとう。」
高田研究員、死亡。周囲の人間も発病。ウイルスが広がっている。「どうしたらいいんですか。何とか言ってください、有末博士。」答える言葉が見つからなかった。「ケン、出かけるぞ。」・・・「静、静!」「雨宮邸に乗り込む。」「待ってください。」「こうしてる間にも、感染は広がってるんだ。」「今行ったら犬死です。夜まで待ってください。」ケンが言うことに納得。試し撃ちする姿を見るのも辛いな。
凛と比佐子のDNAが適合。「父さん、何を調べてるの。」凛は一瞬のうちに見たはずです!「たいしたことじゃない。」凛がスミスの日記を手にして見たものは。。。凛はこの後、自分でも調べたはずです。求めていたことが事実だった。でも、比佐子に手を伸ばすけど、届かない。今までと変わらない現実を、思い知る。とっても切ないシーンです。どうして・・・もう少し、でも凛にはそれが精一杯だったのね。受け入れようとしない彼女に、無理やりでも事実の説明をしてその胸に飛び込んでみればいいのに。凛は、愛の求め方が分からないのかなと、ふと思いました。
静とケン、雨宮家に突入。身軽だ!
「遅かったね、兄さん。ずっと待ってたんだよ。なかなか来ないから、好き勝手やらせてもらったよ。僕を殺したい?それは出来ないよな。A2000ウイルスのワクチンを作れるのは僕しかいないんだから。」「一緒に来い。」「状況分かってんの。今の兄さんは命令できる立場じゃないんだよ。ほ〜らね。まだ分かんないの。兄さんは僕に、絶対かなわないんだよ!」
ケンが協一郎を確保、・・・「脅しじゃないぞ。」「静、考え直してくれ。」「黙れ。」「もともとおまえは・・・。」「父さん、やめなよ。そんな説得、通じる相手じゃないよ。」・・・「父さんを渡してもらおうか。じゃないと”この女”殺すよ。・・・交換だ。」
尊が静を撃ったのを庇い、比佐子が撃たれる。やはり巻き込んでしまった、あまりの出来事にやっとのことで母を支える静。母の静への絶対的な愛を見つめる凛。
第10話
「ケン、堀の内外科へ行ってくれ。」どうして?と思いました。
比佐子が撃たれたことに”うろたえる”協一郎。でも凛は、撃った尊に「いいんだよ。あの女はもう、必要ないんだから。」父には「・・・スミスの日記はもう見つかったんだし、あの女の利用価値はもうなくなったんじゃないの。まさか、今でもあの女のことを、あ〜ぁ。」と、すっかり感情が冷めきっているのが悲しいです。
比佐子は助かりました。「いや有末君に、恩返しができて良かった。」研究所を更迭された篠原教授がいたのですね。
相原が運転手にあのスプレー式ワクチンをあげている。
世間では”悪性インフルエンザ”と言われてA2000ウイルスが大流行、1週間後には国内で5千万人が死亡する危険性が出てくる。「この2,3日で事実上の戒厳令が敷かれ、身動きが取れなくなるでしょう。時間がありません。」「あぁ、もう失敗はできない。ケン、傭兵を雇えるか。」お金はどうするのかな〜と思ったら、「スイス中央銀行をハッキングした。ここに米ドルで9千万ドルは入っている。」って、静がそんなことするなんて。でも、科学の分野だけでなく、その気になったらそんなこともやすやす出来てしまうっていうのは凄い!
凛「マッドサイエンティスト有末静の、ウイルステロとでも騒ぎ立てたらどうですか。大衆は、天才と聞いただけで敵意を抱く。」自分もずっとそんな敵意を感じつつ、だからふだんは何でもない若者のように振舞っていたのでしょうか。相原「なるほど・・・ただし、タイミングは私が判断する。」
凛、家は危険だから研究所に移るように父を誘うけど、心から心配しているふうではないな。
尊、「お兄ちゃんが隠れるなら・・・ここ・・・」「さすが。」
今井に来てもらいました。「・・・母さんには今井さんと、北海道に行ってもらうことにした。とうちゃんには、ロンドンに行ってほしいんだ。」・・・「やっぱり嫌。お兄ちゃんと約束したんだから。私ずっと静と一緒にいる。」「じゃほんとのこと言うよ。邪魔なんだよ、とうちゃんも母さんも。ワクチンを手に入れるためには、足手まといなんだよ。わかって、くれるよな。」
尊らが、来た。静らの隠れ家を襲撃!「凛、またやられちゃったよ、おまえのお兄ちゃんに。おそらくここは、俺たちがわざと気づくように契約した、ダミーの部屋なんだ。やるもんだよね〜。なんか、ますます面白くなってきたよ、凛ちゃん。」
空港で母(今井と、とうちゃんも一緒)を見送る静。何度も振り返る母。もう会えないかもしれないって恐れているかのように。。。見つめる静。これで安心して、今やるべきことに集中できるんですね。でも、本当にこれが最後になるなんて。。。
直後、静の体に異変が。。。
研究所に壁を登って忍び込む静。採血して、・・・
アルファ製薬、協一郎と研究員で有末静のバイオ細胞に関する調査結果を見ている。それには静の生きた細胞は残っていなかった。
静も調べている・・・
染色体の末端にある、赤く輝いている部分のテロメアをアップにすると、・・・平均的な二十歳の男性に比べて、静のテロメアが極端に短くなっている。「細胞分裂が、限界にきているということでしょうか。」「細胞の不活性化だ。」「(スミスの日記)何かが書かれていたはずのページを、比佐子が破いたんだとすれば、そこに書かれていた忌むべき事実とはこのことだったのか。」クローン羊の研究で、染色体の使われていない部分(テロメア)の長さが寿命に関係していて、正常出産と比べて短かったので長生きしないかもしれないとかって、ニュースで聞いたことがあります。それですね。
静も知ってしまいます、その恐ろしい宿命を。。。テロメアは固有の塩基配列が何度も繰り返した構造をしている。たとえばヒトではTTAGGGの塩基配列が並ぶそうで、画面に映る静の染色体の塩基配列にはそのパターンが出てないですね。それを見つめる静の表情、ほとんど表に出さないけど(いえ、ほんの微かな反応が堪らないんですけど)心の中でどれほどのショックを感じているかと思うと、UKIUKIの胸の中もギューッとつかまれた感じでした。静は今まで自分の命を差し出すことに躊躇しなかったけど、でも確実に死が近いというこの事実をどう受け入れたのか、そして凛も9ヶ月後に迎える同じ宿命を負っているとすれば、残された時間に自分のやるべき事やりたい事を必死に考えたと思います。
スプレー式ワクチンの存在が発表されそうになり、関係している政治家はアルファ製薬にあるワクチンの放出を指示する。
傭兵3人の到着。「こんな坊やが俺たちのオーナーだと。」「ターゲットはアルファ製薬。」凛の写真を見て「おまえを殺せばいいのか!」とナイフを向ける傭兵に、静の素早い対応がクール!「目的は、アルファ製薬研究所内のワクチン。もしワクチンの奪還に失敗したなら、直ちに作戦を変更し、社長の雨宮凛を誘拐する。契約したら俺の命令に従え。坊やの言うことが聞けないと言うのなら、さっさと引き取ってくれ。」
静の体調がかなり悪い!
相原「雨宮さん、今すぐこの研究所内にあるワクチンの全てを用意させるんだ。」「人口構造の矯正計画が無期延期になった。これは相談ではない。命令だ。」
凛「相原さん、あなたは既にA-2000ウイルスの変異株A-2001と呼ぶべきウイルスに感染しているんですよ。」
協一郎「凛、おまえにどうしても話しておかなければならないことが二つある。」
「もちろん実験に使われたの(卵子と精子)は、有末比佐子と父さんのものではなかった、データ上はね。ジョナサン・スミスが、二人のドナー情報そのものを別のアジア人とすり替えていたんだからね。」「知っていたのか。」「・・・あの後、自分でも調べてみたんだよ。間違いなく僕は、父さんと有末比佐子の子供だったよ、生物学的には。でも、実の親子だってことが、どうしたっていうの。僕には理解できないな。だって、今までと何が変わるって言うの父さん。それとも父さん、実の親子だってわかったとたん、僕が涙を流して泣きつくのを期待してた?悪いけどそんな趣味ないんだ。やっぱり、僕と父さんたちとは、種が違うのかな。・・・生態系を完全にコントロールすることには失敗したかもしれない。いずれ古い種は淘汰される運命なんだし、それが早いか遅いかってだけだろ。どっちにせよ、僕は進化の頂点を極めてみせるよ、父さん。あっ、そう言えばさ、もうひとつの話って何。」「もういいんだ。」背後で聞こえる銃声(協一郎自殺)に動揺することもなく、立ち去る凛。生まれてこのかたずーっと今まで、父からは天才としての能力に対して母からは静の代わりに愛されることはあっても、どんなに求めても自分自身に向けられる心からの愛情を受けてこなかったんだから、自分は彼らや周りの人とは相交えない新種だと割り切って存在価値を見出していくしか自分の尊厳が保てない気持ちになっていった凛にとって、今さら生物学的に親子であるという事実は何の意味もなかったということに、胸がズキズキ痛みます。
第11話
静、アルファ製薬に侵入!また見事にシステムをコントロールして傭兵3人を誘導。ケン、時限爆弾を設置。難なくA-2000ウイルスのワクチンを手に入れさせたと思ったら、そのとたんスイッチが入って相原が爆死し、傭兵らに血液が降りかかる。システムのパワーダウン、静が孤立。
凛「A-2001のワクチン。雑魚どもがさ、館内うろつくから。打っといたほうがいいよ。」「・・・まだ一人分しか作ってないんだよ。これは、おまえ(尊)の分。あとは俺の頭ん中。」もうA-2001のワクチンを開発したなんて!やはり凛はスゴイ科学者なんだってことがわかるんだけど、そして手馴れた様子で尊にワクチンを注射するこんな凛を見るのは初めて、なんだか混乱した気分でいっぱいになってきます。凛の中にこんなに立派に能力を開発された熱い部分があるのに、温かく大きく膨らむことなく冷えきっていった心の部分があって、それが悲しくて受け入れられません。
「ね〜、俺が殺してもいい?」「誰?」「有末静。」「ダメ、俺がやる。黒崎やるよ。あいつ殺して。兄さんの目の前で殺してよ。兄さん喜ぶから。」
静は、意識が薄れがちになったり目がかすんだりしながら単独行動。限界が近づいていることを感じているようです。
A-2001ウイルスを飛沫感染した傭兵は、凛に寝返った。ワクチンと成功報酬と引き換えに、静を殺そうとする。「おまえ運動神経は超人的だが体力がねえなぁ」「弾よけんなバケモン」傭兵3人と静、どっちが頑張ってることになるんだろう。
「静、静!」「ケン、傭兵が裏切った。3人とも新種のウイルスに感染している。飛沫感染だ。」「静、今どこですか。」「ケン、すぐに脱出しろ。銃は使うな。他に誰が感染しているか分からない。」静にとってケンはもう、命をかけて自分を守るためにいる人ではないんですね。自分を理解して支えてくれる人。だから危険にさらしたくないんだと思います。追い詰められる静。バン!「撃つな!」バン!バン!「ケン」3人は倒したけど・・・。「静」静を庇うケン。でもケンは、命をかけて静を守りました。義務だけではない、愛情を感じます。「ケン。。。」静の頬にケンの血が・・・。「行きなさい静、あと5分で爆発です。(銃を渡し)もう、あなたの面倒をみるのはごめんですよ。」本当はずっと面倒をみたかったと思います。これからは一人でも、やるべき事を無事にやり遂げてください!って気持ちを込めた言葉だと思いました。静はまた、傷ついた静を支えてくれてきた大切な人を奪われてしまいました。言葉も出ないような静を見て、あまりに辛くて堪りませんでした。
尊「結局あまちゃんなんだよね〜、お兄ちゃんは。」静、一発で尊を撃った後も、感情が抑えられなかったです。モニターで一部始終を見ていた凛は、ショックを隠しきれなかったです。凛にとっての尊は、やっぱり特別な人だったのでしょうね。いちばん辛かった状況から、恐ろしいやり方ででも凛を救い出してくれたのですもの。そして二人の間には、凛にとってはかけがえのない愛が確かに存在していたと思います。でも兄弟愛とか友情とかはっきりしたものではなく、あやふやで危うい感じがしました。尊がいなくても、凛はあんなふうに攻撃的になったでしょうか。。。
雨に打たれて座り込む静は、なんだか放心状態ですね。こういう静が堪りません♪ふと茂市との最後の暗号遊びでわからなかったのが、”みまほしの木”だったと思い出します。
みまほしの木を訪ね、茂市の願いを託した木の神様への手紙を読みます。「木の神様、僕は間違っていました。静には静の、僕には僕のやるべき事があるのを忘れていました。願いはやるべき事を終えた後に、自然に叶うものだと今では思っています。100日間、毎日通って、そのことに気がつきました。僕は、生きていくうえで、何も無駄なことなどないのを知っています。静との別れもこの100日も。僕はピアノをやります。それが僕のすべきことだからです。それが、静につながる道だから。」ひととき、茂市が傍らに来てくれたような気もして心を落ち着けたようです。静かに物想う静っていいんですよね♪もいっちゃんの所に行く前に、静は最期の時間に何をやるべきだと考えたのでしょう。
広い廃工場内。「兄さん、兄さん知ってる?比佐子と死んだ父さんが本当の両親だってこと。本当のドナーなんだよ。・・・スミスの復讐だって。笑っちゃうよ。」「母さんは知っていたのか。」「さあ、少なくとも父さんは知らなかったよ。父さんがこのことにもっと早く気づいていれば、僕たちはこんなふうに出会わなくてもよかったかもしれないね。(”案外普通の人間だった父さん”が本物の愛情で育ててくれてたら、息子の手を汚さすこともしなかったでしょうし、凛はその能力をたとえそれがアルファ製薬の利益を追求するものであったとしても人類に役立つことに使おうとする科学者として成功し、静のこともその仲間として迎え入れようとして、きっと共感しあえたでしょうものね。)・・・僕は進化の頂点を極めてみせるよ、兄さん。」「それがおまえの望みか。」「兄さんこっちにおいでよ。僕からの誕生日プレゼント。」
「永江透子はA-2001に感染してるよ。1時間以内に抗血清を打てば、助かるよ。ねぇ、鬼ごっこしようよ。僕を捕まえるか殺すかしたら、兄さんの勝ちだよ。」
静は凛を本当に撃とうとしているのか。・・・静は凛を追い詰めたけど、抗血清のケースは空だった。「僕を殺したら、永江透子も死ぬよ。A-2000の抗血清も作れない兄さんには、絶対に無理だろ。」「そうだな。」静の撃った弾をよける凛。やっぱりね。「弾数を数えてたんだよ。最後には僕が勝つんだよ。さよなら兄さん。」凛は、このとき静を撃とうと思ったんでしょうね。凛の撃った弾をよける静。でしょうね。静はポケットに持っていた別の銃で凛の肩に命中させる。殺そうと思えば出来たはずだから、やっぱり殺しに来たのではないんだと思いました。最期にやるべき事、どうしてもやりたい事を心に決めてあったんだと思います。一発だけ弾を入れた銃を凛に渡し、「続けようか、俺が鬼だったな。10数えればいいのか。1,2,3,4,・・・9,10」
凛の表情が変わってきます。静、もの凄く早い!強い!!残っている力を振り絞っているのでしょうが、兄としての気力で、情けない姿でなく頼りがいのある姿を弟に見せてあげようとしているみたいです。最後に思いっきり、凛のこと包み込んであげるために。子供の頃一緒に過ごして鬼ごっこしてたら、こんなふうに弟は必死になって逃げたりお兄ちゃんの後を追っかけたりするのが楽しくてたまらなかったでしょうね。キャーキャー笑いながら。。。
「おまえは進化の頂点に立てない。」「兄さんが立とうっていうの。」「凛、自分のテロメアを調べたことがあるか。俺たちが立っているのは、進化の頂点ではない。進化の袋小路だ。俺たちは滅びなければならない。」「嘘だ、嘘だ!」「嘘をついて何になる。調べれば分かることだ。」「絶対に信じない。俺は信じない!」凛の撃った弾をよける静。そして静が凛を、撃つ!・・・が弾は入れてなかった。「死ぬのは怖いだろ?」「殺さないの?」「おまえが望んでるのは、そんなことじゃないだろ?」この言葉を聞いたとたん、涙が溢れて止まらなくなりました。すごいよ静♪あんなにいろんな事があったのに。凛自身も忘れてしまってたんじゃないかな、本当に望んでいること。。。そしてそれを叶えてあげることが、静のやるべき事だったのね。そしてそれは静の心からの本当の気持ちを伝えることでした。静、凛を抱きかかえて「凜、おまえを愛してる。いつまでも、いつまでも、大切に思ってる。本当に、本当に愛してる。これからも、ずっと、凜。」何の代償もなくただただ凛のこと、体だけでなく心も全部、今までの分もこれからの分も、大きな愛で包み込んであげた静。そしてあんなに静かに逝ってしまいました。UKIUKIは心の中で、嫌だーーー!って叫んでました。凛は、突然の静の愛と静の死をどのように受け止めたのでしょう。嬉しかったと思います。ちゃんと悲しかったと思います。そしてあと9ヶ月、やっぱり怖かったと思います。”今までと何も変わらない"って思い続けていた凛が、今までとは違う、今までの凛ではいられないという思いになったような気がします。これからどうするかって考えたとき、凛を生かし続けるか、静を生かし続けるか、・・・凛は静を選んだのだと思いました。それは今まで抱いていた妬みや乗っ取ろうというのとは違って、より有意義に生きるために。。。
「静、良かった。静、良かった。」「うん、とうちゃん。」
9ヵ月後。静がやり遂げられなかったことは、凛に受け継がれて実を結んだのですね。でもそれはとりもなおさず凛にとっては、自分が大勢の人の命を悪魔のように奪ってしまった償いようのない大罪に対するせめてもの償い。篠原博士のチームで開発された抗血清で、東京は救われた。「本当は、有末博士の開発なんですけどね。」「・・・彼がどうしても名前は出すなって。」今井が空を見上げる。彼は、凛って知っているのかな、それはないかな。彼にもいろんな事があったから、物想うことが色々あるでしょうね。
9ヶ月間のこと、知りたいな。静は何処で眠っているのか、凛がどう過ごしていたのか・・・。ネオ・ジェネシスが今の”静”をどうしようとしているか。何もかも。。。
奥神浜の海。透子はすっかり静だと思っています。あれから9ヶ月間、凛はずっと静として暮らしてきたんですね。夕日を見つめ、メガネを外し「きれいだね、母さん。」母さんに抱き寄せられて、彼もまたあんなに静かに逝ってしまいました。あんなになりたかった静だけど、心の中はやっぱり凛は凛だったと思います。凜はこの9ヶ月間この時が来るのを受け入れて、ちゃんとやるべき事をしてきたのでしょうね。本当に穏やかな表情で、良かったね〜と心から思います。でもあまりにも早くて、悲しすぎます。母はどこまでを理解していたのでしょうか。母にとってここにいるのはどちらの静なのでしょうか。凛(=もうひとりの静)が一卵性双生児だと知ってくれたのかどうかも分かりませんが、どちらにしても、手を差し延べてくれましたね。
メイが明るく緑広がる公園で赤ちゃんを抱いてます。向こうで犬と戯れる飼い主の犬笛に、赤ちゃんが反応しているみたいです。「どうしたの、”凛”。なぁに。いい子ね。いい子いい子。」彼女の前から凛はいなくなったけど、凛はこの赤ちゃんの存在を知っていたのでしょうか。母の愛に包まれて育つ”凛”、良かったですね。彼には愛情に支えられて才能を開花させてほしい。誰も邪魔をしないで!明るい未来がありますようにと願うばかりです。
スミスの日記のある破られたページ。
”完全な失敗作だ
比佐子、君のお腹の子は長くは生きられない
そんな赤の他人の子を、育てることができるだろうか?”
これを読むと、UKIUKIが想像してたのは勘違いだったのかな。比佐子は、静の寿命が短いことは知ってしまってたんですね。これは親にとっては、すごく残酷な宣告です。でも、子どもは赤の他人だと偽られてる。裏表紙は見ていたんだし、他のページもあったはずで、そこには何が書かれていたか謎のままです。静が自分たちの本当の子だと知っていたかどうか分からなくなりましたけど、
育てるのを拒否していたらスミスのリベンジ成功、でも「静、あなたはあたしの子よ。誰が何といっても、あたしの子よ。これから先、どんなに辛いことが起きても、あたしが必ず守ってあげるから。」心から愛して育てたんだからスミスの負けでした。その愛が静に受け継がれて、そして凛をあたたかく包み込んでくれました。
これは、堪らなく切ない”愛”の物語でした。。。