ズーランダー (2001)


 ベン・スティラーが監督・製作・原案・脚本・出演でファッション界の陰謀を描いたコメディー作品です。
 デレク・ズーランダー(ベン・スティラー)は、3年連続ベストモデル賞を受賞したスーパーモデル。ところが自信満々でねらっていた4連覇を、今まさに旬のハンセル・マクドナルド(オーウェン・ウィルソン)に 阻止される。そんな惨めで ''脳みそカラッポ'' のデレクは、大物デザイナーのジャコビ・ムガトゥにマレーシアの新首相を暗殺するよう洗脳されてしまう。

 ベン・スティラーのスーパーモデルっぷりにかなり期待していました。デレクもハンセルもめちゃくちゃカッコ良くキメているようでいて、なんとも変でおかしくてバカバカしいんだけど微妙に可愛げがあります。ストーリーも単純で、はじめはどうもその雰囲気に乗りきれないなあって感じもしましたが、ふと気がつくと躍動感も出てきてどんどん面白くなってきました。

 そもそもUKIUKIとしてはデヴィッド・ドゥカヴニーめあてに観た作品です。デレクに危険を知らせる謎のハンドモデル役としてカメオ出演、登場時間は少ないものの存在感があって良かったです。その風貌はかなりひどかったけど、マジな視線が綺麗で鋭くてかっこいいったらありません。彼の手の美しさは以前ファンの方たちの間で話題にのぼっていて私も同感なので、ハンドモデルという役はピッタリです。いつ出てくるのかと期待しているところで、姿を現すシーンの前に彼の気配を感じられるところが気に入りました。一瞬チラッと出てきたり、声の登場では、DDファンの方なら同じだと思いますが、私も ''彼だ!'' って分かる自分が嬉しいなって思ったりします。

 ベン・スティラーとオーウェン・ウィルソンの共演は『ミート・ザ・ペアレンツ』でも観ましたが、この作品ではさらに凸凹なキャラなのに競い合うシーンも心通わせるシーンも息がぴったりです。
 デレクとハンセル二人してi-Macの操作方法が分からなくてPC叩き始めるとBGMが・・・、あれかあ!って大笑い。どうでもいいようなこのシーン、好きなんです。

 デレクの父親役ジョン・ヴォイトも、存在感ありました。複雑な親心 、わかるような気がします。

 パワーあふれるコメディー作品としてのバカバカしい展開やキャラの中に、ふと感じさせる愛情とか、じんわり見せる人間らしさがいいなあと思いました。