Comment page 2008.9.19 renewal


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レッドクリフ Part I
RED CLIFF / 赤壁    (2008)

 西暦208年、天下統一を企てる帝国最大の権力者 曹操は、若い皇帝を脅して勅命を出させ、
 最後に残った劉備軍と孫権軍の征討に向けて80万人の兵と戦艦2000隻の大軍を南下させる。

        ≪魏≫曹操軍
     曹操(そうそう<君主>:チャン・フォンイー)
     孫叔材(そんしゅくざい:トン・ダーウェイ)
     驪姫(れいき:ソン・ジア)

        ≪呉≫孫権軍
     孫権(そんけん<君主>:チャン・チェン)
     尚香(しょうこう:ヴィッキー・チャオ)
     周瑜(しゅうゆ:トニー・レオン)
     小喬(しょうきょう:リン・チーリン)
     甘興(かんこう:中村獅童 特別出演)
     魯粛(ろしゅく:ホウ・ヨン)
     黄蓋(チャン・サン)

        ≪蜀≫劉備軍
     劉備(りゅうひ<君主>:ユウ・ヨン)
     孔明(こうめい:金城武)
     趙雲(ちょううん:フー・ジュン)
     張飛(ちょうひ:ザン・ジンシェン)
     関羽(かんう:バーサンジャプ)

 まず標的になった劉備軍はわずか2万。軍師の孔明は、劉備に孫権との同盟を進言。
 劉備軍と孫権軍が連合してもわずか5万なんだけど・・・。
 以上ものすごく大まかですが、そのなかで繰り広げられる物語でした。


 「三国志」のベースだという「史記」の中にも記録があるという「赤壁の戦い」を描いた二部作のPart I。三国志は興味があったのですけど、なかなか手を出せなかったまま、予習もなくいきなり観ました!
 恥ずかしながら、時代としては漢の後に 魏呉蜀の三国時代があって その後 晋が統一するまでのお話かな、その頃の日本は魏志倭人伝でリンクするような時代で・・、ってくらいの知識しかありません。すご〜い昔やわ! 約100年間なんだそうですね。もっと長いようなイメージでした。そして魏呉蜀の間でどんなことがあったのか どんな人物がいたのかも全く知らなかったんです。なんかとっても複雑そうで、登場人物多そうで、ワケわかんなくなるかな〜という不安があったのですが、この映画は全く問題なく楽しめました〜!! 内容はすごく豊富なんだけど、ややこしくなくてお話についていけます。冒頭の必要最低限の説明字幕でその世界に すぅーっと入れたし、それぞれの人物が登場する度に名前の字幕が入るという工夫もあって、今その名前をほとんどは覚えてないけど、観ている間は これ誰だっけ〜?なんて思わずに集中して観ていられたのだと思います。

 とにかく 凄いな〜!!と思って観ていました。壮大で躍動感溢れる迫力の映像満載で、もちろんそれも凄い! 思いっきり楽しめます。そのなかで戦闘シーンがこれでもかこれでもかと波のように何度となくかなりの時間続いたりするのですが、これがなんと飽きないんです。一人ひとりの戦いに勇気があって思いがあって、個性のある身のこなしや敵との絡みも巧みで なんたってカッコイイ☆ またその戦いは技と同時に頭脳戦でもあって、特定の人物を見ても、大勢の兵が動く全体の作戦も見ても、その美しさと見事さに見とれてしまうのです。三国志のゲームって、武将や隊の配置や隊形やその動かし方を自分でやって楽しむようなこと聞いてたけど、これか〜!なるほど武将にも個性があって、長所を活かして もちろん弱点もあるでしょうし、敵との駆け引きもあって、そりゃおもしろいやろな〜と思いました。そして、それもそうなんだけど・・・
 これは人間味溢れるドラマが凄いんです! 三国志の魅力は 戦いだけではないってことが、よ〜く解りました。登場人物多いのに、戦闘シーンにかなり時間を使っているのに、それぞれの人物描写だけでなく 人と人の気持ちの絡みがたっぷりで、なので上映時間145分と長めだけど、感覚的にはもっと3時間以上観たように思いました。こんなに大きなスケール感を味わいながら、相手の心を読み合うドキドキ感や、熱意を感じたり尊敬や友情が芽生えたりと 人と人の気持ちが繋がっていく様子や 気持ちがひとつになっていく様子により感動して なんか胸に込み上げてくる感を味わいました。また敵の裏をかく心理戦もおもしろいですし、女性の存在が大きな意味を含んでいたりするのにも注目です。

 さてさていろんなシーンを思い出しながら ここまで書いて、じゃあ具体的に・・・って、どこから書けばいいのか いっぱいありすぎてどれだけ書けばいいのか・・難しい。。。

 やはりベタなんだけど、いちばん印象に残っているのは孔明と周瑜です。
 壊滅寸前の劉備軍の軍師 孔明が、孫権軍に同盟を求めに行くわけですが、そもそもたった2万の軍でもプライドを捨てずに、やはり3万の君主である孫権のプライドを信じて同盟を説得しようという発想が凄い! 連合軍になったとしても5万。しかし数字では比べられない臣下から末端の兵に至る一体感や 知略と軍略で、道は開けるという読みが流石です。結果はどうなるかわかりませんが、少なくとも一気に潰されることはないだろう、どう闘うのか!?という期待がふくらんでワクワクさせてくれます。金城武演じる孔明は アクションで魅せるキャラクターではなく、中でも物静かな人物でありながら、内に秘めた情熱や画策は人並みはずれているだろうし、それでいて人を上手く言いくるめて操っていくのではなく、人の心に彼の誠意を届けていくことによって気持ちが繋がっていくというのが感動です。演じるのが もの凄く難しい役だと思いました。セリフはもちろんですが、立ち居振る舞いが醸し出す雰囲気があったというか、まぁそれも今となっては特にどうだったと語れるほどUKIUKIはちゃんと観てなかった気もするけど、なんといっても瞳が印象的で 瞳で全てを演じている!な〜んて観ながら思っていました。
 孔明の説得に手応えが見られ 心が動く孫権ですが、いまひとつ決心できない ・・・。そこで孔明は 魯粛に案内されて周瑜に会いに行きます。さ〜て相手がどういう人物か・・お互いにそれを見定めようとする 何気に緊張感あるシーンがよかったです。周瑜が、下っ端の兵の気持ちまでひとつにまとめあげていくのは見事でした。やはり力ではなく 心で動かすというのが・・。それこそが、数字を越えた戦力になるのですから、周瑜と孔明は協調しあえるというものです。当然二人の相手を見る目は確かなわけで、更に琴の協演までして心で感じあえたというのもあって、相手への尊敬と共に友情の芽生えもあるような信頼で繋がっていくのを観て、これこそ運命の出会いだと思いました。
 トニー・レオン 好きなんですよね〜。周瑜がすご〜く かっこよかったです。高い統率力を持っているわけですが、力でねじ伏せているわけでなく、人々の心をつかむ繊細さと優れた戦術・武勇により 人々の信頼を得ていることに納得の存在感!! そして いかにもヒーローというよりは、なんともセクシーで、美しい妻 小喬とのシーンも違和感ありません。彼の瞳の奥や胸の奥に正義や愛を感じることができて、彼が演じると、人物像が奥深くなるような気がするんです。曹操軍への降伏論が大勢を占める孫権軍で、若い孫権の気持ちを前に向かわせたのは、やはり周瑜への信頼だったと思います。

 さて 曹操軍を迎えるにあたり、二人して敵の作戦を読みウラをかく知能戦・・・おもしろかったです 見事でした!! 引いても寄っても躍動感あふれる映像を堪能しました。

 なんかね〜孔明や周瑜にしても他にもいっぱい、他の人物にもいっぱい感じるところありましたが、どう書けばいいのか難しいし・・ それでは以上でさっさと書き逃げしちゃいます。あとはもう潔く省略です。(Comment2008.11.22)