ハッピーエンド


 昼メロ風の不倫・三角関係って、実は苦手なんです。ていうかほとんど観たことはないけど、なんかイライラしそうで・・・。面倒くさいこと嫌いなUKIUKIには、面倒くさい状況をさっさと解消しないでぐずぐずと愛憎劇が繰り広げられていくっていうのが我慢できそうにない。
 でも映画だとせいぜい2時間・・・というだけではなく、この作品は内容はそれ風なんだけど、ちょっと雰囲気違ってた。この関係について直接相手を非難したり言い争ったりっていうシーンがほとんどなくて、三人それぞれの問題として描いているなと思ったし、そうはいってももどかしくなりかける頃には、サスペンス的ヒンヤリ感が出てくるあたり上手いです。また子供の存在も意味深いしね。乳児の世話で彼らの行動を制限しているだけでなく、それぞれの心の中で愛情や幸せを想うときに''この子は〜''っていうのがあるだろうし。。。

 英語学院の院長を務める''妻''チェ・ボラ(チョン・ドヨン)は、以前将来を誓い合ったのに別れてしまったらしいキム・イルボム(チュ・ジンモ)と 結婚後に再会し不倫の仲。いきなりの熱いベッドシーン、でも彼女割り切ってつき合ってるようですがどうなんでしょう。そしてずっとそんな妻のこと気づかなかった''夫''ソ・ミンギ(チェ・ミンシク)との平凡な暮らしは、ミンギの失業が長びいてギクシャクしてきた隙間からほころびが生じてきます。

 ボラとイルボムの別れからボラとミンギの結婚へのいきさつが描かれていないので分かりにくいんだけど、誰が誰を本当に心を込めて愛していたのかな〜と考えてしまいました。で、UKIUKI的にはボラはどちらも心からは愛してなかったような気がします。イルボムは途中から夫婦の生活圏に接近してきてアブナイ感じになってきますが、気持ち的には理解できるような気がします。平凡でおとなしくて優しそうなミンギは、ちゃんと子供の世話をして、あっでも優しそうでもボラに優しくふるまってるかなっていうと物足りないんだけど、でもまあ(たぶん)わざと出かけたりしてボラに解決の時間を与えたり、その頃まではもう同情してしまってましたが、やっぱりため込むのはよくなかったよー。というか、感情が表に出てこないっておかしいよ。ミンギの愛の深さが測れないです。極め付きはボラの不倫の事実を知ったミンギが、そのことを問い詰めるわけでもなく「おまえは幸せかい?」と聞き、ボラはそれには答えず食事をして話をそらすシーン。この時夫婦ゲンカでもしてれば・・・、この物語は映画にならなかったんでしょうね〜。
 そしてその後の展開がこの作品の見応えあるところ、感情を表に出してぶつけ合うのは今か!今か!でもそうならないで、じわじわ〜っと冷たい空気が漂ってくるのでした。

 公開時コピーの「――それは、幸福な結末? それとも、幸せの終わり?」って・・・、もともと幸せだったのかなぁ。。。そして、これほどの結末を迎えるとは。。。イルボムの表情ったら、彼のその後は。。。ミンギの背中を重い空気が覆うラスト、彼に残されたのは。。。えっ!?