グエムル -漢江の怪物-


 突然 漢江に出現した巨大生物に、娘のヒョンソ(コ・アソン)を連れ去られてしまったパク・カンドゥ(ソン・ガンホ)らパク一家。政府はその怪物が殺人ウイルスの宿主であると発表し、ヒョンソを亡くして悲しみに暮れていたパク一家も強制的に隔離されてしまう。ところが、カンドゥの携帯にヒョンソから助けを求める電話が入って、そのことを医療(政府)関係者らに訴えても全く取り合おうとされないため、彼らは収容施設から脱出してヒョンソの救出に向かいます。

 ホラーだって聞いていたけど、そんな怖ろしさは全然なかったな。モンスター・パニック映画です。それもベチョベチョ、見た目きっちゃないのいっぱいやし・・・。こういうのは、もうちょっとだいぶ前に見飽きたかな〜って感じ。でも観てるんですけどね(笑) 派手なパフォーマンスなのは 感情をストレートに出す国民性かしら? 滑稽なシーンがあったり、バカにしたような言い方で喋ったり、人もいっぱい死ぬし・・・。でもなぜか、そんなに嫌な気分にはならないで観ていました。どうにも ダメっぽくてシマラナイ男を演じるソン・ガンホが上手い! そんな男が娘を助けようと必死になる、って必死そうに見えなかったりするんだけど、やっぱり必死なんだ〜ってとこが上手い! そして父親のカンドゥだけでなく、彼女の祖父やおじさんおばさん(カンドゥの弟妹)まで、おんなじように嘆き悲しみ、助けようとする。実はこの作品、もう思いっきり家族愛の物語っていうのが、良かった〜。
 怪物を野放し状態にしてるとこなんか、なんともアナログっぽくて今どきの科学的な対応されてないふうで、やっぱりだいぶ前って感じ。終盤カンドゥらが怪物相手に戦うのは、そりゃあ彼らは庶民ですもんね、銃が登場しただけでも頑張ったってことでしょう。そして彼らの戦いの結末が、ハッピーエンドにならないところが韓国らしいっていうか、ハリウッド被れしてないなって思いました。
 そんな悲しみのなか、亡くなった娘ヒョンソと一緒にいて息を吹き返した男の子を、カンドゥが抱きしめるところからラストにかけて・・・、素晴らしかったです。あれやこれやの心地悪さが、いっぺんにどうでもよくなりました。
 でもまぁ、この手のモンスターものはやっぱり見飽きたかな〜。。。(笑)