スキャンダル


 原作が同じ「危険な関係('88)」に続いて鑑賞しました。原作(1782年のフランス文学「危険な関係」ピエール・ショデルロ・ド・ラクロ著)そのものがかなり面白い物語なので、今までに何度も映画化されているようです。本作の舞台は、18世紀末李朝末期の朝鮮になってます。ストーリー展開はほとんど同じでしたが、その描かれている世界が違うので、こちらもまた楽しめました。

 儒教が支える国の理想と現実って感じが面白かったです。儒教的な道徳観は日本人の潜在意識にも染み込んでいますものね。
 「危険な関係('88)」に比べて、物語の焦点が絞られているような感じ、つまり結婚前に急死した夫に9年間も貞節を守りつづけている未亡人チョン・ヒヨン(チョン・ドヨン)をその気にさせるまでの過程が丁寧に描かれています。
 また、こちらの方が18禁シーンがいくつかあるのですが、全体的には落ち着いた雰囲気で緊張感のある空気に包まれていたし、映像的にも豪華絢爛さと言うよりは美しさを感じるものだったように思います。
 この作品が映画デビュー作となったペ・ヨンジュン、上流階級の嗜みに才能がありながら女性をもて遊び戯れる日々に明け暮れるチョ・ウォンって品があるような無いようなとんでもないヤツを演じていて、「冬のソナタ」でハマりきれなかったUKIUKIは、こっちの方がイイや〜って思いました。
   ところでキャラクターの印象度やストーリーの膨らみで楽しめるのは「危険な関係('88)」かなあって思いました。あとラストシーンも動と静って感じで違っていて、面白かったです。