My Comment

いま、会いにゆきます


 妻 澪(竹内結子)を亡くして1年、残された夫 秋穂巧(中村獅童)と息子 佑司 (武井証) は、雨の季節に彼女が戻ってくると信じて待っています。6週間の奇蹟・・・こういうのにはもうちょっと慣れてしまって冷めた目で観てしまいそうで嫌な予感もしていたのですが、意外にもすごく素直に受け入れて楽しむことができました。最後に「いま、会いにゆきます」の意味が分かっても、あぁそういうことなのね♪だったら・・・と嬉しくなりました。最高の夫婦愛に親子愛がまた堪らないというすてきな家族愛を描きつつ、なんといっても原点の純愛を余すことなく描ききってくれて満足!って感じです。

 だいたい澪が姿を現すまでに、巧と佑司が今も澪を想いながら精一杯に暮らしている姿でもうウルウルきてしまいました。自分でもエ〜ッ?って感じです。佑司が可愛いだけでなく、子供らしい気持ちもいっぱいななかちょっと巧を気遣ったり励ましたりしているやり取りがあって、巧は自分の問題を抱えつつ一生懸命子育てをしている、そんなふたりのいろんな感情が感じられました。
 そして澪が記憶をなくしてふたりの前に現れてから、夫婦や親子の絆を取り戻していく姿には優しさが溢れていて、ふたりの心からの嬉しさとでもやがて来る別れを感じる切なさが心に染み込んできました。澪が自分の置かれている状況に気付いていくと同時に巧や佑司への愛が膨らんでいくのも切ないです。そんななか巧と澪の愛の始まりが巧によって語られていって、また澪の日記からも明かされていくと、もうそのあたりは予想もついてくるのですが、ラストの「いま、会いにゆきます」の展開が予想外で、なんだかホッとさせられました。

 実は「黄泉がえり」の竹内結子が”またなんだ”と変わり映えしないんじゃないかとも思っていたのですが、全く大丈夫でした。これは彼女に頼った作品っていうところがそれほどなく、中村獅童や武井証くんそしてほかの俳優さんがそれぞれにすごくいい存在感があったので、かえって竹内結子も自然にいい存在感でいられて良かったような気がします。また純愛モノの「世界の中心〜」は納得できないところがあったりして、今度はどうかな〜とも思っていたのですがそんなこともなく、すっかり楽しめて良かったです。