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フィラデルフィア


 エイズ患者の抱える問題は、国によって個人によって様々だと思うけど、トム・ハンクスがエリート弁護士アンドリュー・ベケットの場合を13キロの減量と完璧な役作りで演じました。一流の法律事務所を突然解雇された彼は、不当な差別だと訴訟に持ち込む決意をします。

 ベケットが弁護を依頼した弁護士ミラー(デンゼル・ワシントン)は、はじめ乗り気でなかったのだけど、しだいにエイズを理解しベケットを理解し、同性愛者に対する自分の感情とは区別して、彼の受けた差別と冷静に闘いはじめます。さらに、ベケットが解雇されたのはエイズだけの問題ではなく、同性愛者への嫌悪感と恐怖によるものであると気付くのです。私は、この作品でミラーの内面の変化をうまく演じたデンゼル・ワシントンが、すごく印象に残りました。

 またベケットのパートナー、ミゲルをアントニオ・バンデラスが演じていましたが、とってもいい感じでした。そしてベケットの家族が、彼の個性やミゲルとの関係を尊重し、深く愛し応援しているのがとっても素敵でした。両親の結婚40周年お祝いの日のシーンが好きです。