三重県松阪市で左官業を営んでいます。 左官鏝その9
西浦左官店
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材料と施工の解説

地域により様々ですが、当左官で使用する左官材料や作業の呼び方です。

【壁の種類】

珪藻土壁(けいそうど壁)
海に生息していた植物性プランクトンの死骸が永年にわたって水底に堆積し化石化して出来た土です。

じゅ楽壁(じゅらく壁)
砂、木粉、糊などを混ぜた材料を塗りつけた壁。

漆喰壁(しっくい壁)
生石灰、糊、すさなどを混ぜた材料(漆喰)を塗り付けた壁。

土壁(つち壁)
荒壁と上塗りの間に2回(大直し、中塗り)塗る壁のこと。土の粉、砂、すさを混ぜて作ります。

綿壁(わた壁)
綿を主剤にした上塗り材。現在の物は糊が使用され昔の物に比べ剥がれにくくなっています。

繊維壁(せんい壁)
繊維を主剤にした上塗り材。現在の物は糊が使用され昔の物に比べ剥がれにくくなっています。

海鼠壁(なまこ壁)
壁に瓦を貼り、その瓦の目地部分(継ぎ目)に漆喰を蒲鉾の形のように塗り上げる工法のこと。

【真壁と大壁】

真壁(しん壁)
竹を組んだ網に荒壁の土を両面から塗って仕上げた壁。

大壁(おお壁)
柱の間に断熱材などを入れて、両面を石膏ボードやベニヤ板などで仕上げた壁。

しゅうろ縄
しゅろの木の幹を覆っている茶色い繊維で編んだ縄。

外壁(そと壁)
屋外、屋外用の壁(砂、モルタル、石膏、漆喰など)。

内壁(うち壁)
屋内、屋内用の壁(珪藻土、じゅ楽、漆喰、土、綿、繊維など)。

荒壁(あら壁)
昔から伝わる工法で、地域の山などから採取した粘性の高い土と、藁を混ぜて作った土。その土を竹の網に塗り
付けた壁。土の性質や季節によって異なりますが、完全に乾くのに1ヶ月かかります。

砂壁(すな壁)
天然の砂を原料にして糊やボンドと混ぜた壁材料。

モルタル
セメントに砂(細骨材)と水を混ぜた材料のこと。強度は水とセメントの比率によって変わる。

石膏ボード
石膏の薄い板の両面に厚紙を貼ったボード(板)。

フエルト
木材に壁材料などを塗りつける際、材料が完全に乾燥するまで間、壁材料の水気から木材を守る(腐食防止や防
水)ため木材に貼り付ける黒い油紙。

ラス網
鉄、ステンレス、アルミなどの薄い金属の板に特殊な機械で切れ目を入れた後、ひし形の網目状に引き伸ばした
物。

ラス板
ラス網をタッカー(建築用大型ホッチキス)で貼り付ける壁下地の板。布木(ぬき)。巾約10cm厚さ約1cm。

上塗り(うわ塗り)
外壁、内壁共に最後に塗る仕上げの壁。

中塗り(なか塗り)
大直しで残った凹凸を無くすために塗る壁。上塗りの下地となる壁。材料は土。

大直し(おお直し)
荒壁に出来た亀裂と凹凸を無くすために塗る壁。材料は土。

下塗り(した塗り)
壁塗りの工程には大直し、中塗り、下塗り、上塗りなどの呼び方がありますが、上塗りまでの工程全てを下
塗りと、呼ぶ時もあります。

【先月の壁】

定木(じょうぎ)
左官材料を鏝(こて)で塗りつけた時、壁が平らになっているか確認するために使う真っ直ぐな木。
(12o×40o×4m)定木には木だけでなくプラスチック製もあります。

下地材(したじざい)
中塗りや上塗りをし易くするために使用する材料のこと。壁下地の亀裂、むら、凹凸を無くすために塗ります。

土(つち)
赤土の粉。

地元の川から採れた砂。(川砂100%)

すさ
壁の亀裂防止のため使用する繊維質の材料。藁の葉、茎、穂の部分。

壁下地(かべしたじ)
壁の基礎になる部分(荒壁、石膏ボード、ラス板)etc

ちり切れ(ちりぎれ)
壁の水分が抜けて、壁材料が完全に乾くことにより、柱と壁の間にわずかな隙間が出来ます。壁材料を塗って
すぐにちり切れは出来ませんが、壁の材料や施工した季節、施工した日の天候などによってちり切れの大きさ
(幅)や止まる時期が異なります。

大津壁(おおつ壁)
天然の土を使用し、光沢を出して仕上げた壁のこと。非常に手間のかかる施工ですが、落ち着いた仕上がり
になります。色は濃いクリーム色。
【先月のタイル】

下地(したじ)
タイル貼りや洗い出しの土台になるコンクリート。雨水などの水勾配(雨水の流れる角度)を計算して仕上げます。

延石(のべいし)
外玄関の土間、縁側外の土間や犬走りの縁に使う長い石(天然石)。

洗い出し(あらいだし)
蛇紋石や細かい玉状の石をセメントなどと混ぜ、施工部分に塗り付けた後、噴霧器でセメントの表面を洗い流し、
表面を天然石に見せる工法。

土間(どま)
昔から家の中の板敷きになっていない地面のままの部分を土間と呼んでいましたが、今はその部分をモルタル、
コンクリート、タイル、石などで仕上げます。

コンクリート
セメント、砂利、(骨材)、砂(細骨材)、水を混ぜた材料のこと。強度は水とセメントの比率によって変わる。

目地材(めじざい)
タイルや石の継ぎ目を埋める材料。

タイル割り
玄関やトイレなどのタイルを貼る際、両端に来るタイルの大きさが同じ位の大きさになるように、貼って行くタイル
の位置を予め決める事を、タイル割りを見ると言っています。玄関は特に中と外のタイルのラインを出来るだけ合
わせて貼ります。

ボンド材
完全に乾いていたり、汚れが残っているコンクリートの上に、タイルや石を貼ったり、コンクリートやモルタルを塗
る時に、予めボンド材を塗付します。塗付しない場合、貼り付ける接着剤の水分だけが先に吸い取られ、接着が
悪くなるからです。ボンド材はモルタルや接着剤に入れて使う場合もあります。

水勾配(みずこうばい)
雨水や玄関の土間に撒いた水などが流れる最低限の角度

裏足(うらあし)
タイルと壁や、タイルとコンクリートなどを接着する際に、接着性を高める為タイルの裏側に櫛目模様の凹凸が
予め付けられています。その凹凸や模様を裏足と言います。

【その他の工事例】

犬走り(いぬばしり)
家の外回り(基礎の部分)に設けられた通路のこと。

スロープ
歩行者や車椅子が通りやすいように公共施設や住宅の玄関に設けられた傾斜のある通路のこと。

基礎巾木(きそはばき)
建物の土台。コンクリートのままではなく、洗い出しやモルタルの刷毛引き(刷毛で細かいスジをいれる)など化
粧仕上げをする。

タイル
粘土や土、石などの粉末を板状に焼いたもの。小さいものは直径20mmから大きい物は30cm×30cmを越え
る物もある。

帯(おび)
外壁の上塗りの際使用する化粧仕上げのこと。

コテランダム
壁(上塗り材)を塗った際、壁の表面を平らに仕上げるのではなく、左官鏝(こて)や刷毛などの道具で、一定の規
則や不規則の模様を付けて仕上げること。

自然素材の壁
昔ながらの土や漆喰とは別にアレルギーやシックハウス対策から作られた壁材料。

雀口(すずめぐち)
家の軒先で瓦と瓦が重なって出来る隙間のこと。昔から小さな鳥(雀など)がよく巣を作ることから呼ばれるよう
になった。

面戸(めんど)
平瓦の隙間に埋め込む漆喰のこと。漆喰、砂、白セメント、墨、防水に油などを混ぜて作ります。他にもセメン
ト系もあります。

鬼瓦のけつ
鬼瓦の一番後ろの部分です。瓦を葺く時に使った土がそのままになっているので、漆喰材で塗り固めます。


           【左官で使う道具の紹介】

のこぎり メジャー タッカー タッカーの芯
  木を切ります。プラス
  チックやスポンジ、断
  熱材も切ります。

  色々な物の長さを測
  ります。


  大型ホッチキスのよう
  な物です。フエルトや
  ラス網を貼り付けま
  す。
 ホッチキスの芯より大
 きくて丈夫です。