大紀町の山々に囲まれて



平成26年3月8日
手描き映画看板展
近くで「手描き映画看板展」があり観に行った。
作者は2004年に厚生労働省により「現代の名工」に選ばれた紀平昌伸氏(1940年生まれ)
紀平氏は全国でも珍しい手描き映画看板職人として現在も活躍されていられるそうだ。
「風と共に去りぬ」「カサブランカ」「ローマの休日」「哀愁」「伊豆の踊子」など、映画の俳優達が 畳一畳ほどの大きさで生き生きと描かれてあった。
昔、娯楽の主流が映画だった頃、映画館のこれらの看板にいくど心を躍らせたことか。
あの頃、私は観てきた映画の俳優たちを描くのが好きだった。頼まれて友達の分も描いたりもした。
看板展を観て、映画のことも、その頃の自分のことも懐かしく思った。

吹田のY子ちゃん、上記の「イングリッド・バーグマン」は昨年鉛筆で描いたものです。相変わらず懲りずにこんなことしてます。


平成26年2月25日
酔う
世の中には美酒に酔う美声に酔うなどいろんな「酔い」があるが、私が酔うのは乗り物酔い。
特に大勢の人が乗る観光バスが一番の苦手だ。
どういう訳か物心ついてからずっとバスに酔うのである。
母の話では赤ちゃんの時からお乳を戻していたというから年季が入っている。
乗り物酔いにいいと言われていることはすべて試し、お薬も飲んでみたが、それらで酔いは多少軽減するものの心底から楽しいと感じられないのだった。
今、町内では恒例の文化協会研修バス旅行の話で持ちきりで、お友達も沢山参加する。誘ってもくださるが、バスが苦手な私は今年もさびしく不参加である。


平成26年1月25日
『スタンド・バイ・ミー』
町内でミニコンサートがあり、夕べのひとときを友達と出かけた。
プロではないが、プロ級の実力の5組の方々がそれぞれ個性あふれる歌と演奏を披露してくださり、 その中のお一人が「スタンド・バイ・ミー」を歌ってくださった。
《「スタンド・バイ・ミー」は1980年代頃のアメリカ映画『スタンド・バイ・ミー』で 一躍有名になった曲だが、曲自体はもっと以前から歌われていて、映画の中ではその時代の思い出として使われていた。 映画も瑞々しい少年期の心理を描いた名作だった》
コンサートでこの曲を聴きながら私は20年近く前の息子の結婚式を思い出していた。
新郎である息子が自らギターを奏でて、この「スタンド・バイ・ミー」を歌い、サプライズで花嫁にプレゼントしたのだった。
目の前でギターを奏でながら歌っていられる人が、結婚式の時の細い息子の姿とダブってみえた。


平成25年11月19日
秋野不矩美術館
今年のきょうだい旅行で、浜松市にある「秋野不矩美術館」に寄った。
秋野不矩(あきのふく)は明治38年生まれ、 それまでの花鳥風月が好まれた日本画壇に、枠にはまらぬ自由さを取り入れて新風を吹き込んだとされる女流画家。
美術館は浜松市の町はずれの少し山を登った処にあり、館内外共に木を使った落ち着いた造りで、 作品数も多く充実していた。
特に、昭和37年にインドに滞在したことを機に描かれるようになったという、 インドの女性や風景を描いた素朴な色遣いの優しい作品が多くあった。
駐車場は山の下にあるが、高齢者・体の不自由な方々の駐車場は美術館近くにあり、入場も半額又は無料と、 いかにも不矩さんの人柄が偲ばれるような気配りのある美術館だった。


平成25年10月13日
死後の世界
昨日の新聞に「『周死期』学」について書かれてあった。
周死期とは死の前後の期のことで
周死期学には「デスベッド・ビジョン」と呼ばれる現象があり、それは
 ”すでに他界している親しい存在が死の床に姿を現し、 死にゆく人のスムーズな旅立ちを助ける”
という現象のことだそうだ。
そのことから肉体の死が存在の終焉ではなく、それは一連の経過の中であると書かれてあった。
私は霊とか死後の世界とかをあまり信じる方ではないが、魂の存在だけは信じたいと思っている。
なぜならば、人間「ご臨終です」の一言ですべてが無くなってしまうなんて余りにも寂しすぎるから・・。
このことと直接関係はないが
コーラスで私達は今、多くの仏教賛歌をお寺の奥様でもある先生に教えていただいている。
仏教賛歌とは、み仏の教えをやさしくきれいな曲にしたもので、どれも皆すばらしい曲ばかり。
その中に珍しく死後の世界であろう極楽浄土の情景を想わせる歌が一曲ある。
『みめぐみの』と題されたこの歌の内容は
 ”とことわの母であるみ仏のみ手に抱かれ、虹の橋を渡り花や光あふれる美しい国へとめぐり行く”
死後の旅立ち、すなわち周死期の歌なのだ。
私はこの『みめぐみの』を歌うたびに、死後の世界がこんなだったらいいなぁと思いながら歌わせてもらっている。


平成25年9月25日
小動物の正体は?
今月(9月)のはじめ、ウォーキングの途中でウサギ程の大きさの見慣れぬ動物に出くわした。
小さな可愛い目・丸い耳・栗色の毛・シッポに黒い輪っかがあり、ブヒブヒと豚のような鳴き声を残して写真矢印の穴に消えていった。
狸に似ているが狸ではない。カワウソのような毛の色だがカワウソでもない。イタチのような敏速さもなかった。
あれはきっとムジナに違いない、近頃畑を荒らして民家まで出てくると聞いているから・・と、勝手にその小動物をムジナと決め込んでいたが、 きのう偶然本物のムジナを見せてもらった。違う。私の見たのと違っていた。今まで勘違いしていたのだ。
すると私の見たのは何だったのだろう?「アライグマ」?
こんなところに「アライグマ」がいるのだろうか?


平成25年8月30日
新米とすだち
今年も実家の弟夫婦から新米が届いた。
農業の大変さやお米の値打ちはよく知っているので本当に有り難く嬉しい。
その新米に、新生姜と数個の実を付けた”すだち”の一枝が添えられていた。
”すだち”薬味として欲しいと思うことは多々あるが自分から買ったことはない。 それだけに一枝添えてくれた義妹の心遣いがとても嬉しい。
何気なく匂いをかいでいたら、春先に咲く白い清楚なすだちの花が目に浮かんできた。


平成25年8月10日
ひまわり畑
田んぼを利用したひまわり畑を見に行ってきた。
ひまわりの種を採るために植えられたのだろうか?約一町程の田んぼにひまわりの群生が黄色く続いていた。
どの花もみんな一斉に私の方を見つめているようで可笑しく思いながらカメラを向けていたが、ふと昔の映画「ひまわり」を思い出した。
マルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレン主演の古いイタリア映画で
 ”戦争の為に引き裂かれた新婚の二人が、長い歳月を経て再会し、お互いに相手の幸せを思いふたたび無言のままに別れていく”
悲しい反戦映画だった。
傷心のソフィア・ローレンの背景に延々と続く底抜けに明るいひまわり畑が、かえって悲しみを誘ったのを覚えている。


平成25年7月21日
熊出没
「錦望トンネル近くで熊が目撃されましたので注意してください」との同報無線の放送があった。
こんな人里近くに熊が現われるなんて、それだけ山に食べ物がないのだろうか?
夏の熊は交尾期なので雄が雌を探してつい人里近くまで来てしまったのだろうか?
町のお年寄りも、人家の近くで熊を見るという話は今まで聞いたことがないと言う。 まるで凶悪犯の逃亡者を見かけたように話は盛り上がっているが何か少し切ない。
 ”黒い毛皮を着たあなた、早くお山へお帰り。
 姿を現しただけで有無を言わずに銃殺されてしまうのよ”
と、熊に知らせてやりたい。


平成25年6月2日
卯の花は匂わない
この季節になると当地では卯の花の花盛り。
♪卯の花の匂う垣根にホトトギス早やも来鳴きて忍び音漏らす夏は来ぬ♪
この歌は有名な唱歌”夏は来ぬ"だが、卯の花は匂わない。どんなに群れて咲いていても匂わない。
そこで私の推測だが、作詞家は卯の花と野バラを間違えたのではないか?と。
なぜなら卯の花も野バラも、良く似た白く小さな可愛い花で、
卯の花は匂わないが野バラや野イバラはなんとも言えない良い匂いがする。
毎年卯の花が咲くと私は思う。あれは作詞家が間違えた・・と。


平成25年5月27日
リポーターの人柄
テレビで瀬戸内の直島にある二つの美術館を女優の中谷美紀さんが紹介していた。
以前にも一度この美術館を紹介する番組を見たが、その時は「一風変わった美術館」の印象だけで終わった。
中谷さんはこの美術館の入口のスロープから美術館への導入、刻々と変わりゆく空の色や光や空間を生かした設計など 建築家の意図がわかるよう説明されていた。
また展示されているモネやリー・ウー・ファンの作品にも造詣が深く、 時には黙してそれらの作品と対峙し、時には的確な言葉を選んで解説し、見る人を作品へと誘っていた。
(美術館の紹介はこうでなくっちゃ)
謙虚な彼女の人柄が感じられるリポートだった。


平成25年5月13日
解決出来てないのになぜ?
今月初めに中東訪問した安倍総理が、各地に原発を売り込み、その事について国会討論会で答弁されていた。
「事故の経験と教訓を世界に示し、原子力安全に貢献するのが日本の責務・・・」と。
福島では未だに放射性物質が放出し続け、故郷へ帰れない人々が大勢いられるのに。
メルトダウンしそうになった事故現場はそのままだというのに。
汚染水の始末・核のゴミ処理、解決できていないことだらけなのに。
何を根拠に原発を輸出できるほど安全だと考えていられるのだろうか?
勿論、事故前の他国との契約・企業と一体になった国の経済政策だと判っているが・・。
でも、原発は輸出すべきではないと思う。
むしろ逆にその危険性を、事故を経験した日本として世界に示すべきだと思うのだが・・。


平成25年5月6日
手作り「はんこ」
知人から綿入れの手作り「はんこ」をいただいた。
その方の奥様いわく”布選びから始まって仕上げの綿止めまで全部主人一人で作りました”と。
不器用な私は只々感服、恐縮するばかり。
この「はんこ」肩まわりが軽くって、パソコンに向かう時などにぴったり、とても重宝している。
まわりの人から「子供の日」のプレゼント?
いや「母の日」のプレゼントやろ?
と、 からかわれるけど手作りのものを頂くということは嬉しいことで、背中と共に心も暖かくなるような気がする。


平成25年5月2日
「キャラブキ」作り
家の周りの蕗が大きくなったので、例年どおり「キャラブキ」を作ってみた。

   「キャラブキ」の作り方

材料  蕗   1キロ
    醤油  2カップ
    砂糖  半カップ
    みりん 半カップ
    生節  2/1本
    梅干し 2個
作り方
@蕗は皮付きのまま3cmほどの長さに切り、 そのまま半日か一日水に浸けてアク抜きをする。
Aアク抜きしたら鍋に入れ、柔らかくなるまで湯煮する。
(柔らかくするのに時間がかかるので圧力鍋を使うと良い)
B蕗が柔らかくなったらザルにあげ、よく水気を切り、
上記の調味料と共に中火で約1時間ほど煮る。
(隠し味として梅干しを入れると柔らかく風味もよくなる)

以上が、ずぼらな私流「キャラブキの作り方」です。


平成25年4月28日
オランダ
今、皇太子御夫妻がオランダをご訪問中である。
その一足先をわが妹がオランダ訪問。先日帰国した。
妹は一人旅、ベルギー・ルクセンブルグも回り、旅を楽しんできたそうだ。
花と風車の国・ゴッホやフェルメールの国オランダ。
今も”飾り窓”が実在しているという大らかなオランダ。
私も行きたかったが、あいにく持病の金欠病が悪化して・・。


平成25年4月20日
材木は動き始めたか
隣町にある木材市場の前を通りかかったら、近年になく沢山の材木が集積されていた。
材木が集まり始めるなんて、景気がよくなってきているのかしら?
以前、和歌山県の168号線を通った時のこと、行けども行けども山又山、見渡すかぎり360°紀州の美林が続き、 つくづく日本は森林の国だと思ったものだった。
今、海外から安い木材が輸入され自国の木材がないがしろにされているが、 これ程豊富にある日本の材木、使わない手はないと思うのだが・・。
自国の材木を生かしてこそ森林も手入れされ、森林が手入れされれば、山も肥沃になり、 強いては海の豊饒にもつながってくるはずなのに。


平成25年4月15日
「シャガの花」
近くの竹やぶの中にひっそりとシャガの花が咲いていた。
この花ほど”ひっそりと咲く”と言う言葉が似合う花もない。
目立たず、名前もあまり知られていないが、
良く見るととても綺麗な花だ。
目立たないこんな花になぜか惹かれる。


平成25年4月4日
葬送には「ドリゴのセレナーデ」で

今度の車にはCDデッキが付いているので、 ドライブしながら好きな曲が聞け、至福である。
好きな曲はいろいろあるが、ドライブ中のBGMとしては 心休まるセレナーデ、とりわけドリゴやトセリの「セレナーデ」が好き。何度もレピティションさせて聞いている。
私がこの世からお別れする時には、これらの曲で送り出していただきたいと常々みんなに言っているのだが、 誰も真剣に取り合ってくれない。
連れ合いは演歌だけが音楽だと思っている。
息子は私が永遠に生きていると思っている。
誰に頼もうか?


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