作者 渡辺淳一
初版 2009年
出版社 角川書店
10章からなる10人の女性との華麗なる恋愛が、時系列に赤裸々に綴られた自伝。
相手の女性により、ある時は純情に、ある時は自己中心なまでに情熱的になったり、
自殺する女性の怖さにとまどったり、容姿よりも肌の合う女性が忘れがたかったりとか、
女性に振り回される作者の心理が面白く、恋愛中の男性の気持ちもよく判った。
渡辺淳一の小説も愛読していた私には、この人が「阿寒に果つ」の純子のモデル、
この人が「ひとひらの雪」の霞のモデル、と想像でき、二重に面白かった。
これらの女性との恋愛が、作者の多くの恋愛小説の糧となったのだろうなぁ。
どの女性にも感謝の念を持ってみえるのはいいが、奥様はどんな気持ちだったろうか?
自伝だけに作者のエゴも垣間見えて、私は奥様の気持ちを考えた。
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