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大黒屋の目

 静かな進駐軍~外来種たちがこの国を変える~

外来種
 いやぁ別にアメリカを嫌いと言ってる絵ではないですよ~ 誤解しないでね。
外来種や帰化種は昔からあります。多くは幕末期に開国して以降入ってきていますが、それ以前にも多くあります。
都市部で見かける草花には日本に馴染んだものが非常に多いです。子供が大好きなシロツメクサも、ゴルフ場で生えてる芝も全部そうです。カワイイ花のオオイヌノフグリもそうですね。もしかしたら都市部で見かける草花は殆どがそうかもしれません。

 戦車に乗るのはアメリカザリガニですがもうすっかり日本の生き物ですね。タコ糸とスルメで簡単に釣れるザリガニ釣りはとても楽しいですし、あの生命力は賞賛に値します。
その影で日本固有のザリガニは開発や乱獲、水質の悪化の影響などもあってすっかり姿を消しました。少なくとも私は野生のニホンザリガニ(和名はザリガニ)を見たことがありません。

 アメリカザリガニは昭和初期に食用カエル(ウシガエル)のエサとして持ち込まれたそうです。当初は特定の地域だけに持ち込んだのですが、数十匹が逃げて爆発的に繁殖していき日本中に広がったと言われています。生命の繁殖力を甘く見たといえるでしょう。
確かにコメも大昔の日本には無い植物で、稲作が盛んになってから日本の自然景観は大きく変化しているでしょうが、自然はゆるやかな変化には対応してくれていたようです。稲作文化が生んだ里山環境がより豊かな生態系を形作っていることからもそのことが判ると思います。

 しかし近頃の物流の規模は江戸時代とは何ケタも違います。それだけ進行も早く、在来の生物は対応ができず、我々が当たり前に見る動植物のなかにはかなりの種類が人の手によって持ち込まれたもののようです。

 淡水魚、植物だけではなく、近頃は川にビーバーが住んでいるとかプレーリードッグが河川敷にいたとかアライグマが畑を荒らしたとか・・・だんだん凄い話になっています。日本は国際化が遅れているとか言われて久しいですが、生き物達はすでに国際化しているのでは?

 またブタクサハムシ(北米原産)という虫は1996年に千葉県(?)で発見されてから爆発的に全国に広がりました。このように天敵がいない場合は簡単に増えます。
外来種というのは「今まで生息していなかった地域に、自然状態では通常起こり得ない手段によって移動し、そこに定着して自然繁殖するようになった種」ということです。人の手で(意識的・無意識問わず)持ち込まれた生き物である為に地史的な歴史はありません。
在来の生物そのものに対する影響だけでなく、近縁の生物種との交配によって遺伝子の汚染や生物相の破壊・単純化など問題は広範囲に及びます。つまりその生物のみの問題ではありません。

 しかし外来種そのものには罪はありませんし、外来種全てが繁殖可能な訳ではないでしょうが、アカミミガメ(ミドリガメ)や雷魚、マングース、ハナバチ・・・昔からあった話です。

 環境意識の高まりとブラックバスが社会問題化するとともに近頃は盛んに生態系の多様性について議論されるようになった気はします。また外来の原因もさまざまで、農業・ペット・園芸・家畜など広範囲で関わる業界も多い為にさらに問題は複雑化してるようです。外国産クワガタ類の輸入が解禁されましたが、日本の森にやたら大きいクワガタが居る様になったりする可能性も無いとは言えませんし、既に在来種との交雑も起こっているようです。

 生命は人間の予想以上の力を発揮するものです。持ち込まないのが大前提だとは思いますが、現実は持ち込んだ生き物を完全に管理し野性化させない事しかないようです。自然界は微妙なバランスの上に成り立っています。つまり外来種の持ち込みとその拡散は生態系への影響が大きく慎重に対応されるべき問題ではないでしょうか? (2007/01/01 加筆)

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