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森選組のパン窯ができるまで

パン窯現在形 みやがわ森選組では手作りがモットー。幸いにも田舎暮らしでは場所(空間)には困らないし、加工の際にでる騒音も気にならず、仕事柄もあって木材も入手しやすいので、その利点を最大限活用し手作りパン窯をつくることになりました。
しかしそれは地元の方々の絶大なるバックアップがあってこそできることなのです。
 場所は屯所前に建設することを地主さんに快諾戴き、木材も譲って戴けました。(加工は後述します)こんなことはとても都会ではできません。
流行のロハスか?
ここでは素人大工になってパン窯のできるまでを掲載します。
はたしてちゃんとできるのか?そして、できたとしても美味しいパンは焼けるのか?

5/13 設計・基礎・骨組み組み立て
5/20 屋根の取り付け
6/10 トタンの取り付けと基礎
7/16 土台部分
9/ 8 窯本体へ
9/22 完成~火入れ
付録 資材一覧

 建屋

 パン窯には耐熱煉瓦を使用するのですが、耐熱煉瓦は水に濡らすとダメになるので、窯を覆う建屋が必要。そこでまず建屋を作ることになりました。
 設計~資材調達~加工~組立とココまでなんと4ヶ月ほどかかってしまいました。図面を書くのは2時間、資材調達は引き取りだけ、加工は4時間、組立は5時間ですが、休日を利用した作業だと言うことも一因ですが、なんといっても休眠期間が長かった・・・

1.建屋の設計

 幸いにも窯を覆う建物ですので、比較的簡単な構造で良いだろうということで、片屋根とし、間口・ 奥行き・高さとも内寸2m前後としました。 このくらいのサイズだと機械力は必要なく人力で組み立てられます。接合部はホゾ組にしました。でも強度と精度に自信が無いので・・・カスガイを打つ事に。

2.材料(木材)の墨入れ

 10.5角のスギ柱材を使用することになりましたが、墨入れ(ケガキ)の出来具合が大切らしいので、最も神経を使うところです。ホゾはぴったりの寸法ではダメでやや小さめにしました。また、素材がスギなので少々きつめでも良いとのことでした。ホゾのオス・メスともに作り方に若干のコツがあり、メスは貫通させてしまうと弱くなるという事でしたので、非貫通穴にしました。

3.木材の加工方法

建屋製作中1 加工が問題でした。私も当地に来てから木工は趣味のひとつになりましたが、それは家具や机といった比較的小型なものばかりをつくっていましたので、建物の材料を加工した経験も大型工具もありません。しかし、ここらへんではプロ級のオジサン方が沢山居ます。ある方に相談すると・・・あっさり解決。
 素人にはなかなか大変なホゾもホゾきり専用マシーン!で一気に加工しました。ホゾ穴は組みあがり具合をみながら若干ノミで調整。ホゾのオスは先端部の角を落としてスムーズに入るようにしました。

4.組み立て

組み立て中 単純に人力です。部材を順番に組み、カケヤでどついてカチ込む!組みあがったら持ち上げて土台の上へ!このサイズだからできる事ですね。





5.屋根の取り付け

 屋根板屋根を取り付けますが、まず屋根に使う板を耐腐食性を高める為に寸法に切ってペンキを塗りました。材料を広げるにはスペースが必要ですし、塗料の匂いも気にかかるところですが、この作業も田舎ならでは。全く気にせずに済みました。
屋根取り付け垂木を配置しコーススレッドで固定していきます。5本入れていますが、深い意味はありません。材料の都合のみで配置しています。軒の深さも見栄えで判断しています。正攻法なり標準寸法なりがあるんでしょうが、そんな事何にも気にせず進めていきました。垂木取り付け後、屋根板を張っていき一応作業終了。

6.トタンの取り付けと基礎

 トタン板取り付け5.で屋根を取り付けましたが、板屋根だけでは腐食と雨漏りが心配なので「トタン板(波板)」を取り付けることにしました。寸法が中途半端だったので継ぎ足すことに。
 そのときにハプニングが発生!グラインダーを使おうとしたところ電気が来ていない!そういえば・・・昨日は雷が物凄くて自宅近くにも落雷が。もしかしてその影響か?と思いながら電力会社へ電話をすると、恐らくその影響でしょうとのこと。みやがわ森選組屯所は山奥にあり、ここよりも奥には定住している人家は無く誰も気づいていなかった様子でした。暫くして近所の電気屋さんが見に来てくれ、電柱のヒューズが飛んでいる事が判明して程なく復旧。
基礎ブロック 電気の復旧作業中にもボーっとしている訳にはいきません。なんせ休日作業。週イチしか作業しないのですから。窯本体を据える場所の土を突き固めてコンクリートを引いてその上にブロックを写真のように配置し、内側に石を敷き詰めて本日の作業は終了となりました。さぁこれからが本番です。



 窯本体

窯本体の作り方ですが我々が試行錯誤&聞き取りで造ったもので、正しい方法とは言えないかも知れませんがそこは素人大工。楽しければええやん!の精神でボチボチ造りました。

7.土台部分

土台土台部分は石組みとしましたので、ひたすら石を組んではセメントで固めていきました。胴の部分(内側)は石と砂・土を詰め込みできるだけ固めていきましたが、石組みはとにかく難しい。
この程度の大きさでも思い通りの形状には組みあがらず、ましてセメントがなければどうにもできません。
昔の人の知恵が欲しい!と思う作業でした。
お城なんてどうやって石垣を組んでるんだろう・・・
仕事の都合や他のイベントなどで週末に時間が取れなかったせいもあり、暫く作業期間が空きました。ペースを上げなければいきません。作業日は台風後だったのですが、そのせいか昼間は非常に暑かったので昼食時に仲間とちょっとビールを。これがウマイ!静かな山の中で沢の音とセミの声を聞きながら飲んでいると、いつのまにやら睡魔が・・・あ~田舎ライフ・・・また作業が遅れますね・・・ダメだこりゃ・・・

8.窯本体へ

土台2ようやくここまで来ました。長かった~。
土台の上に型枠を組みその中へセメントを流し込みしっかりと水平に仕上げ、乾かないうちに断熱レンガを敷き詰めます。
断熱レンガはすぐにセメントの水分を吸い込んでしまい、うまく固定できないのであらかじめ水を吸わせていたのですがこれは間違いと後でわかりました。
断熱レンガの上には耐熱レンガを敷き詰め壁も作ります。

窯本体へレンガの積み上げに近所の陶芸家が助っ人に!これが強力!
以前に自分で焼き物用の窯を造った事がありその経験が役立ちました。
我々だけではなかなか進まない作業もその手際の良さでスイスイ進む!
目地には耐熱モルタルを使いますが、これは焼き固めないと固まらない性質があります。完成後窯に火を入れることで固まるらしいのですが、一気に火を入れるのではなくおき火程度の温度で少しずつ固めるとのことです。その時が今から楽しみ。

9.完成~火入れ

パン窯周囲組立て本体の壁を作り終えて次は難題のアーチ部分です。
まずは型枠を作ります。側面を挟んでいるのはアーチが横方向に広がらないようにする為で軽く挟み込んでいます。アーチは完成すればそのもの自身で強度を出すのですが、積み上げるまでは崩れるので、コンパネをアーチ型に切って支えにしました。
パン窯アーチ部分アーチ用のレンガはRがついたレンガを用いましたが、もちろん隙間ができるのでモルタルで接着し素焼きの植木鉢の割った欠片を埋め込み外周から圧力をかけてアーチ強度を高めました。

裏側には煙突をパン窯組み立て完成取り付け、正面には扉を取り付けて一応の完成です。次に小さな火を燃やして内部を乾燥させていきます。前述のとおり耐火モルタルは熱を入れないと固まらないのですが、一気に強い火力だと窯を痛めるので時間をかけて徐々に温度をあげました。

完成記念にピザを焼いて美味しく戴きました。
ところでこの窯には名前があります。「固徹」(こてつ)と言い知り合いが考えてくれた名前です。頑固一徹と幕末の新撰組の近藤勇局長の愛刀が「虎徹」だったところからのネーミングです。いい名前でしょ?

 資材一覧

使った資材を公開します。資材の量は購入した量ですが、必ずしも全てを使い切った訳ではありません。
この一覧に無いものでも既に手持ちのモノを使ったりしたものもありますし、戴いた資材は特には記載していません。石窯の土台に使用した石は自然石ですし、建屋の木材も頂き物です。全てを購入していれば相当の金額になったかも知れません。ちなみに今回は購入した耐熱レンガですが安価な中古品もあり実用上問題無いそうです。

●耐熱レンガ SK32 80ケ SK32Y2(アーチ用) 30ケ SK32長2丁 1ケ
●断熱レンガ B-1 14ケ
●耐熱モルタル 2袋(60kg)
●セメント 100kg
●セメント用砂 200kg
●セメント用バラス 20kg
●ブロック 10ケ
●コンパネ900×1800 1枚
●その他 煙突 煙突支持金具 踏石4ケ 羽子板ボルト コーチスクリュー トタン板など・・・

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