くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.51



24時間営業を疑う



その昔、大学生の頃、住んでいたアパートの裏は
24時まで開いているスーパーでした
当時、23時までアルバイトをやっていましたので
帰り際、まだ開いていたスーパーが大変便利だったことを
鮮明に覚えています。 あれから15年・・・
その間、日本は24時間営業のコンビニが充実しました
近年は、24時間営業の大型スーパーも増えてきています。

先日の24時前、ちょっと買い物で近所の大型スーパーに
立ち寄りましたが、小さい子供(おそらく5歳)の家族連れが
楽しそうに(結構大掛かりな)買い物をしていました。
24時前に家族連れでです・・・
ずいぶん時代も変わったものです。

昼があって夜があること。 これは自然の基本原則です。

しかし深夜、幹線道路をクルマで走っていると、
コウコウと光る建物が時々目に入ります。それがコンビニ
最近はエリアごと、昼のようにコウコウと照らされています
それが大規模スーパーマーケット

さて、そこまでしなきゃならないのでしょうか・・・・
夜中は閉まっていてもいいのではないか・・・

昼の反対は夜なんだ・・・
そんなメリハリはやっぱり大切だと考えるのです

確かに2交代勤務など、深夜業務の人たちも
増えてきているのは事実でしょうが
人間の生活の本来的なサイクルは基本的には
夜寝るものだと思うのです。

そういった情緒的なメリハリはまったく無視されて
経済原理が日本を24時間体制の眠らない街
向かわせていきます。

そのことで、人間の本来的な何かが崩れていきそうで
ちょっと心配をしてしまう私は、
便利さを懐疑的に見ているアマノジャクなのでしょうか???

昨年の忘年会帰り際の 近所の大型スーパーです。
深夜1時頃撮影しました。 結構賑わっているのです。

2005.01