くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.48


常識って・・・

子供の頃 『そんなの常識でしょ!』 とたしなめられました
現在でも時々 『それは常識だろう』 と言われます
そして自分も 『常識では・・・・』 と言うこともあります

しかし、私はこの『常識』というコトバが引っかかります
自分でも使っているくせに引っかかるのです
『常識』って何???

私の考えで言うと 『常識』 とは
そうであるという意見が多勢を占めるもの のこと
こう考えると『常識』は多数決で決まります

それに対して、多勢の意見に反した意見は『非常識』 となります


しかしながら、社会通念上の明らかな 『非常識』 は別として
『常識』 に入れない 『非常識』 の意見の中にも
本当に重要なことも沢山あるのではないかと
最近さかんに考えるのです。
(海外に出てみると、多数決の意見が変わって
日本で持っていた『常識』がガラリと変わることもありますよね)
『常識』 の枠組みは時代と共に少しずつ動いているのも
事実ですし・・・・

そういうわけで、最近 『常識』 というコトバを
出来るだけ使わないようにしています。
時々 『それは常識だろ』 と出そうになるのですが
そのコトバを飲み込んで、もう一度考えることを
意識しているのです。

かなり抽象的になってしまいましたが
ちょっと最近 『常識』 というコトバに過敏になっているので
こんなことを書いてみたのでした。

世界の中の日本はこんなに小さい・・・
この国にしか通じない『常識』も結構あります・・・


2004.10