くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.46


家相のこと


『家相』は古代中国で生まれました。
日本には奈良時代に入ってきたと言われています。

そしてここ数年、家相が人気です。
老若男女問わず(重視する人は)大変重視します。
また、ウサン臭い一面も持ち合わせています

重要性もウサン臭さもどちらも持っているのが家相
しばしば大変複雑にが語られる家相ですが
私なりに家相を整理するとこうなります。

* 家相ってシンプルなものなんだ
* 人が幸せに積極的に生活していく為に
  理論立てをする手段なんだ


シンプルな気持で家相を読み込んでいくと
家相には理にかなっていることが
たくさんあるのです。たとえば


『南に空き地のある敷地は吉』

南に空間があると、南面に開口部(窓)を取ることが出来ます
そこからは光が入り、暖かさ、明るさを獲得できます。
そして風通しも獲得でき、家がジメジメするのを防ぎます
高温多湿の日本の風土では特に有効です。


『床の間は北か西に据えるのが吉』

床の間が取り付く面はたいてい壁になります。
そして、その反対側の面が開口部(窓)になります。
開口部を南や東に取ろうとすると、床の間の向きは
北や西になります・・・住居学的にも理にかなっています。


その他、あげるとキリがありませんが
人がより快適に生活できるように語り継がれたのが
家相の本質
です。

ちなみに先日、風水師から聞いたことによると
『100%家相にかなう家は絶対無理。60%かなえばOK!』
ということです。家相のプロでもこう言うのです。
そして『家を風通しよく、清潔にすることが基本』
付け加えていました。

家相はたしかに奥の深いものではありますが
こういった家相の本質をふまえて、あくまでも前向きに
(ポジティブに)考えていくことが重要だと考えます。


これが家相の方位盤です。
北が下に来るので注意!!!

2004.08