くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.44


子供部屋の寿命


最近の新築住宅には、子供部屋を2室(あるいは3室)
設けることが(大変多い)現状です。
現在の子供が0人ないし1人の御家庭でも
設ける子供部屋は2室のことが多いのです。

さて、これは最近聞いた子供部屋に関する話です

『子供が小学校にあがる時に家を建てて
その時に子供部屋を作ったけど、
子供部屋は、小学校の時はほとんど使わずに
実際に使ったのは中学高校の6年だけだった』


その後、子供は大学に進学、その後企業に就職して
実家を出ているようです。つまり、高校を卒業以後、
子供部屋はほとんど使われない部屋になったという話です。
(しかも実際に使ったのはたった6年間)

全てがこれに当てはまる訳ではないのですが
意外に
子供部屋が子供部屋として機能する期間が
短いことがわかります。


そう考えると子供部屋という個室のあり方は
大いに考える余地があるのです。
そこで今回の提案です。

* 子供部屋は、子供部屋と決めつけないほうがいい
  ある数年間は子供部屋になるが
  それ以外は書斎、ホビールーム等、別の機能として
  積極的に使うほうが部屋が生きる。

* 部屋はつくり過ぎないほうがいい。出来れば将来
  大きな一部屋に変更来るぐらいの可変性が欲しい

* 但し、子供が帰省した時に寝ることの出来る場所
  子供のものが保管できるスペースは必要


ちなみに私の場合は、小学校4年から高校3年までの9年間
親から自分の部屋をもらいました。その後、実家を出たので
その部屋は妹の部屋、弟の部屋に移っていきました。

日本の住宅はそれほど広くはアリマセン。ゆえに
出来る限りそれを有効に使っていく工夫も重要です。

写真はKさんの家。
リビングから連続するホー(写真奥)が
将来の子供部屋になります。

これがホールの拡大写真
部屋の間の床と梁には溝が切ってあり
壁や建具で仕切りやすくしてあります。


2003.06