くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.42


リフォーム番組の落とし穴

ここ数年、リフォーム番組が人気ですね。
私も時々見ています。

私の知っている人(会って話したこともある人)も出てきます
TV番組としてはとてもよく作りこまれて
感心しながら見せてもらっているのですが
しばしば強烈な違和感をおぼえます。
TVではたいていこうなります。

物があふれて足の踏み場のなかった
あの雑然としていた部屋が・・・
なーーんということでしょう
よけいなものを廃し、シンプルで
機能的な空間に生まれ変わりました!!!

アタリマエです
リフォーム前にあれほど沢山あった家具やモノが
ほとんどなくなっています
最後に建築家が登場し、依頼主が涙している時
ちょうど番組の最後の家の状態はほとんどギャラリー

生活の道具が入った時にはいったいどうなるのだろう
という疑問が必ずついてまわります。

あまり突っ込みすぎると
TVに出演できない私のネタミになってしまいますので
言い過ぎるのはイケナイのですが

プロとして実際の生活のリアリティを考える続けるのは
住宅をつくっていく上で大切なことだと思いますし
私が気をつけていることの一つです。

現在、本当にたくさんのリフォーム番組がありますね
TVのように大げさにやらなくても、もしかしたら
現在雑然とさせているものを全て処分したら
結構すっきりするかもしれませんよ。

 

2004.03