くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――
vol.38
玄関の手すり
最近、2件続けて住宅の玄関に横長の手すりをつけました
玄関というところは下足から上足にかわる所。
段差もあり、人がかがんだりするので
様々な負担がかかる場所です
私は以前から積極的に玄関に手すりをつけていました。
しかし、玄関の段差部分に
縦
に手すりをつけていました。
しかし、今回は
横
につけるやり方
玄関の壁一面、まっすぐ横長につけたのです。
壁一面に手すりをつけるのは、高齢者の施設で
「つたい歩き」のためによくやる手段です。
この手すりもそのような感覚でつけました。
しかし、実際にこの横長手すりを玄関につけてみると
「つたい歩き」という機能以上にとても有効なことが
わかりました
。
* 外から帰ってきて靴を脱ぐ時に無意識に手すりを掴みます
* 外に出て行く時、玄関でかがむ時には手すりを掴みます
* 玄関の壁面を塗壁(けいそう土)の仕上にしていますが
手すりをつけたことで壁に直接手をつくことが減り、
壁の保護にもなっています。
予想以上に効果が出ているこの横長手すり。
今後も積極的に取り入れていこうと思っています。
これが壁一面に付けられた横手すりです。
すぐ手前が全開に出来る玄関の親子ドアです
2003.11