くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.35



トイレ再考!



どこの家にもある『狭い個室』それはトイレです。
そして、良いか悪いかは別にして
家で一番くつろげるのはトイレなんだ
という声があるのも事実です。
トイレはそもそも大小の用を足す為の空間です。
今回は、このトイレの使い勝手を拡げる提案です

さて、我が家を例にして紹介します。
私の場合、トイレにお香を持ち込んでみました。

そして、
お香が消えるまで何もしないで過ごす。

この時間がもったいないと考えたらいけない。
この計画の意図は
『わざと何もしない時間を作ってみる』ということです。
私はこれが大切と考えてみました。その狙いは

* 気持ちのリフレッシュ
* 日ごろの考えの整理
* アイデアつくり
     等々です

また、このお香は時計代わりにもなっています。
全部燃え尽きるまでだいたい15分
それを物差しにしておいてトイレには時計も持ち込みません
せいぜい15分という短時間を
日常空間で日常と違う雰囲気で過ごしてみる
どうでしょうか???

この他のアイデアは
好きな写真(風景写真など)を壁に貼って見つめる
好きな言葉を壁に貼って見つめる  等々

トイレを使ったお手軽なリフレッシュ
今の時期、ちょっと暑いかなあ・・・
と思いますが、ちょうど今年の夏は涼しめですし
お金もたいしてかかりませんので一度お試しください。

トイレの一角にお香を置いた状態です。
閉所恐怖症の人には向きませんが
狭い空間というものは落ち着くものですよ。


2003.08