くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.24

携帯電話がもたらしたもの



私はもともと、携帯電話というものがキライでした
『電話は私のいるときにかけてね』
というのが私の主義でしたので
『便利だよー』という友人の誘惑に負けず、
ずっと携帯を持たずに過ごしてきました。

そんな私も、時代の流れには逆らえず使いはじめましたが
実際、使いはじめてようやく1年半がたったぐらいです

しかし、使いはじめるとヤッパリ便利ですね。
どこにいても急ぎの電話をキャッチ出来るし、
家でかかってくる電話をジット待っていなくてもいい。
いつでもどこでも(電源を入れているかぎり)携帯が鳴ります。
それは良いのか悪いのかは ???? ですが・・・

そして、特に最近やっているのがクルマでの移動中の電話です。
最近、運転中に2、3本の電話がアタリマエになってきました。
それで迅速な対応になるし、オフィスでの仕事も減らせる・・・
ナカナカ効率がいいのでやめられなくなっています。

しかし、まてよ・・・と時々思ったりするのも事実・・・

こんなに時間を切り詰めないといけないのか・・・
携帯電話がもたらしたリアルタイムのコミニュケーションは
昔の時間の流れからは考えられなかったこと
お互いが家の電話口にいないといけなかったものが
携帯がある限り、お互いどこにいてもスグに話が出来ます。

これは確かに仕事の都合上はとてもいいのですが、
人間の本来的な時間の使い方は違うように思うのも事実です。

ちなみに先月書いた大平宿という長野県のイナカは
携帯電話が届かないところでした。
そういうところの生活というのが
今の時代の『究極の贅沢』なのかなあと思ったりもしています

そう言っている今日もヤッパリ携帯がなってきます・・・

電源をを切らないかぎり電話が鳴る環境は
果たして良いのか悪いのか??????

2002.09