くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.23


知識の向こう側にあるもの


今回はちょっと抽象的なタイトルで始めてしまいました。

私がココ数年気をつけていることの一つに
『自分のコトバで伝える』ということがあります。
(実はこのホームページ自体もその一環です)

先日、友人のNくん夫妻と話したときに
これに近い話をすることが出来ました。
Nくんの奥さんは現在、高校の先生をしているのですが
奥さんから、授業の指針のひとつが
『マニュアルに頼らずに自分のコトバで喋るように』
ということだと聞きました。
そうしないと生徒に伝わらないようです。

これは私自身も全く共感したことで
私が最近、本当に気をつけていることなのです。

インターネットをはじめ、今や、情報が氾濫している世の中
キーワードを入力するだけで情報を取り出すことも容易です
特に日本人は以前より多くの知識を持つようになりました
しかし、それは所詮知識だけの話し・・・

相手にモノゴトを伝えるという過程においては
知識を持つことは最終目標ではありません
相手に『なるほど』と思ってもらうように
的確に伝えることがもっと大切な目標です。
知識はその手段(過程)でしかないのです。
逆に知識の自慢になるとかえって逆効果
伝わるものも伝わりません

つまり、自分のなかで知識を消化して
自分自身のコトバで喋ることが重要。
これが今、私の思う『知識の向こう側にあるもの』です

これからもテーマとしていきたい領域です。

超有名な検索ホームページからは
キーワードの入力だけで気軽に情報が取り出せます。

2002.08