くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.14


『だんらん』について考える


『だんらん』ということば。なんとも暖かいコトバですが、
現実の家庭ではどんなものでしょうか???

* 子供たちは食事後、サッサと自分の部屋に入ってしまう
* お父さんは今日も残業、
* お母さんは家事でバタバタ
  (最近働くお母さんが多いので夜の家事は忙しい)

と、これほど家族の行動がバラバラになると
『だんらん』というものが幻想のようにも思えてきます
しかし、やっぱり『だんらん』も重要だと考える私は
その仕掛けとして 食卓の大テーブル化 を提案しています

家族全員が共有する食事の場所に大テーブルを置くことで
食卓が単なる『食事』という行為を超えた『楽しみ』のある
空間になるのではないか
という提案です。

以下それによって起こりそうな(良い)こと


* ちょっと行儀は悪いが近くにTVを置いてみる。
  食後にお茶を飲みながらTVをつけるのは良いではないか

* 新聞をばっと広げて読むことも出来ます。

* 食卓の上でノートパソコンのインターネット

* 小さい子供はここで宿題

* お母さんの家計簿などはここでつける
  (こういった姿を子供に見せるのも教育ではないか!!)

* お父さんが遅くに帰ってきても食卓に皆がいたら
  遅れて食事するお父さんと話も出来る


これはホンの一例です。
ちょっと食卓にゆとりのスペースをつくることで
食卓は食事という単一の機能を超えた働きが出来そうです

『だんらん』というものは『さあ、だんらんしよう』といって
できるものではありません。
だからこそ工夫して意識的に『だんらん』に
つながる『場所』をつくる
ことも重要なのです。


我が家でもテーブルを改造してテーブルを大きくしています
本当は180センチ幅にしたかったのですが
私の今の住まいでは125センチが限界でした

125センチ巾の我が家のテーブルです。

2001.11