くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.10


クルマの動かない日


ヨーロッパの国では(本気で)クルマの動かない日を
つくろうとする動きがあるようです。
これはすごいことだろうなあ、と思っています。

現在の私たちの音環境は、かなりクルマの音(ノイズ??)に
左右されています。
私の仕事部屋も絶え間ないクルマ往来の音が聞こえます。

私の実家のイナカ村でさえも、
数分ごとにクルマの通行する音があるのですから
我々はいつの間にかクルマの音を“普通の音環境”として
受け入れている事実があります
しかし、もしクルマの音がなかったら、
今まで感じることの出来なかった音
例えば風の音とか、水の音とか、虫の声とか・・・
そんな 音の発見 が起こりそうです。
(キャンプに行った時、発見するようなものですね)
クルマがなければ 一日の時間の進み方 も変わるだろうし、
いろいろな発見が人の心を豊かにするかなあ
と、思ったりしました。

しかしちょっと悪いように考えるとたぶん
クルマの音が消えたらエアコンの室外機の音が
耳につくことにも気付いてます。

いやいや、文明機器の出すノイズから
もはや人間は逃れられないのでしょうかねえ。

私の愛車です・・・  平成3年式の古いクルマです。
サスガに最近、エンジンがガラガラいい始めました。
私のクルマも “音環境” に貢献しているなあ・・・

2001.07