くらしのなかで
―― 建築家の視点から ――

vol.7


意識して住むということ

家を考えてみます。
時代の推移と共に、家の主人が世代交代していきます。
そして世代交代と共に、だんだん昔ながらの『家』とか『家族』と
いうような概念が無くなってきているように思います。

このような変化は、時代の変化のことですから
一概に悪いこととは言えないでしょう。
しかし、だんだん(建物である)家を粗末にしてきている
現状があります。 これは悪いことです。
このことは、特にバブルとその後、この15年ぐらいの間で
特に深刻になっている実感があります。

私は今、住むという意識についてしっかり考えていかないと
この先の“人の豊かな生活”は生れてこないような気がします。
やはり“住み手の意識の改革”が必要になってきているのです。
では、具体的にどうするか・・・

私は『意識して住む』ということを重視します。
ただ、漫然と日々を過ごすのではなく、
今、『自分』と『家』の関係をしっかり見つめる。
そして、自分にとっての『家』が
どのように動いてきているのかを確認していく。
これで住まい方がずいぶん変わっていくはずです。

まず『意識して住む』ことから始まります

2001.04