DINO-MEDIAS

 

インタビュー企画第8回は、大國a.k.a THINKさんにお話を伺いました。

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大國a.k.a THINK

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和歌山在住。身長188cm。血液型Bの熟女好き。ラッパーであり、トラックメイカーでもある。愛機はAKAI MPC2000XL。小学校からの同級生Reederと共にアストニッシュを結成。『CHECK THE RHYME.EP』と『HOODSTAR』の2タイトルを発表した後、ソロでの活動を開始。COCOLO BLANDより『THINK TWICE EP』を無料配信にて発表。2014年にはCOCOLO BLAND PRESENTS V.A. 「INDIE RAP」に参加。地元和歌山では自身が主催するパーティー『Check the Rhyme』を不定期に開催。2015年、BRAIN WASH RECORDより1stソロアルバム『THINK OVER』を発表する。

 


 

大國さん、チャクラダイナミクスでは遠路はるばるお越しいただきありがとうございました。

実はチャクラダイナ ミクスがイベントを始めた頃から、大國さんを呼びたいという声がありまして。そこにだっちゃん(赤い弾丸)からの紹介もあって、ついに大國さんのライブが実現しました。三重では初のライブということでしたが、どうでしたでしょうか。

 

こちらこそ三重に呼んでいただいてありがとうございました。

俺もだっちゃんからよくラプタの話は聞いていて、やっと繋がれたなという感じで。音楽活動をしていて楽しいのは、ライブで行ったことのない土地へ行けること。なので、会場へ向かう移動から、リハ、ご飯、現地の人との交流、ライブ、すべて楽しんでます。今回の三重もすごい暖かい雰囲気が溢れるイベントで俺自身もめちゃくちゃ楽しめました。
あと、いつもは自分でサンプラーを操作してライブしてるんですが、今回はBACK DJをよく一緒に遊んでいるポストニック森川にお願いして挑んだので個人的に新鮮でした。いい感じだったんで、今後はこのコンビでライブしよーかなと思うぐらい笑。


ヒロポジドッグの改造車に乗って、よくぞ茶倉まで来てくださいました。

大國さんが、もしも三重の飯南に生まれだったら何してますかね。音楽以外でも。そしてもしここに住んで音楽を楽しむなら、どんなことをしますか。何か僕達のこれからの活動のヒントになるようなアドバイスをいただければと思うのですが。


ヒロポジドッグの改造車やばかった!まさにデスプルーフ!道の段差でバウンスしまくりでした!記念にいっぱい写真撮りました笑。

そーですねー、デスプルーフで会場まで向かう時の景色がひたすら田や畑だったので、農業とかおもしろいのかなとか思いました笑。自給自足的な。音楽を楽しむには、なかなかCDやレコードを売る場所や買う場所がないと思うんですよね。なので、ネットを活用しますねたぶん。フリーでも有料でもいいと思うんですけど、音源を定期的にSOUNDCLOUDにどんどんUPしたり、都会では作れないような三重のロケーションを活かしてMVを作ってYOUTUBEにUPしたり。俺も同じような和歌山の田舎で活動してるので、地方で活動する難しさがよくわかるんですけど、ネットを活かすことで地方のデメリットはかなり軽減できると思いますね。逆におもしろい活動していると興味を持ってくれる人が寄ってくると思います。そしてそれがきっかけで色んなところにライブで呼んでもらえるんじゃないですかね。

 

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(ヒロポジドッグの改造車で会場に到着した大國a.k.aTHINK)


出演者の中にも農業関係の仕事をしている人は数名いましたね。今回はポストニック森川さんとのコンビネーションを見せていただきました。森川さんとのつながりや、人物像を紹介していただければと思います 。


ポストニック森川さんは、アラデジャムスタという南大阪のグループで、ラップとビートメイクをやってた人なんですけど。
俺もアストニッシュというグループで活動していて、アラデジャムスタと出演するイベントが一緒になることがほんと多くて。その当時、ポストニック森川さんはTUNAMIという名前で活動してたんですけど、初めてライブみたときにビートがめちゃくちゃかっこよかったんですよね。かっこよすぎて悔しかったのを覚えてます笑。俺はそれまで打ち込みでビート作ってたんですけど、森川さんの影響でレコードからサンプリングして作るようになりました。なので、本人はたぶん知らないと思うけど、かなり影響受けてます。普段もよくだらだら一緒に遊ぶんですけど、二人でいるときはゲスいことばっか言ったり、フリースタイルでラップしたりして遊んでますね笑。あと、焼き肉が大好き。週4くらい食べてる時ありますよ。グルメっすね。

 

※ちなみにここでポストニック森川にREMIXしてもらった曲が聞けます→https://soundcloud.com/think0092/chillin-remix


なんと。ポストニック森川さんアラデジャムスタのメンバーだったのですね。帰りの車でも若干ゲスな話で盛り上がりましたね。
「ラプタは貧乳顔」とか笑。貧乳顔のやつは浮気しないって笑。
さて、大國さんのラップスタイルは、「日常のパロディ」と歌詞の中にもあるように、実体験/私生活をナチュラルに提示するところが魅力だと感じているのですが、制作のうえで「ここが自分らしい表現だよ」とか「ここに注意して聞いて欲しいよ」といったところはありますか。

 

日常で感じたことを表現しているMCっていっぱいいると思うんです。でもせっかくやるなら誰ともキャラやスタイルは被りたくない。じゃあどこで差を付けるかってなると、俺の場合は言葉選びと視点ですね。同じようなテーマを扱ったとしても俺にしか選べない言葉をチョイスしたり、あまり皆が切り込まないような角度から歌詞を書くようにしてますね。
でも別に良いこと言おうとか思わないし、ある意味、上手い、DOPEなラップを目指してはないです。あくまで自分の生活の中で思いついたことを歌詞にしてるので、共感してもらいやすいと思うし、何のこと歌ってるかわからないってことはないかなと。
だから歌詞カードもCDにはあえて付けてないです。聞いたら何を言ってるかわかるスタイルだと思ってるので。まーでもBEATがかっこいいなって感じで音として楽しんでもらってもいいんで、リスナーには自由に楽しんでほしいです。

 

大國さんの作品からは、社会人として働く人の姿と、MCとしてラップする姿の両方が感じ取れました。
チャクラダイナミクスは全員が正社員労働の仕事に就いているのですが、労働と制作のバランスはどうやって保っていますか。バランスを上手く保つ秘訣や、音楽のことを考えながらマジメに働く秘訣はありますか。

 

俺も音楽やり始めた時からずっと昼間は仕事しながら活動してるので、それが普通って感覚です。
生活するのにお金は必要やし、仕事することで日々の生活が安定してメンタルもいい感じに維持できると思います。昔は、昼間から音楽やってる人に勝てないじゃないかとか思って焦った時期とかもあったけど、今はそういうのは全然ないです。むしろ、仕事して社会と接してることで経験できることや感じることもいっぱいあって、それをまた音楽にフィードバックできると思います。

バランスって難しいけど、俺の場合は仕事が忙しい時こそ曲をいっぱい作って発散します笑。でも、なんやかんや言ってもやっぱり音楽でご飯が食えるようになったらそれはそれでいいのかもしれないけど、この年にもなるとなかなか難しいこともわかってるので、今は自分の作った音楽でお金を儲けて、自分の音楽活動を回していきたいですね。そのための自主レーベルだと思うので。

 

live

(2016.1.17 CAKRA-DINOMIXvol.7)

 

大國さんはラップだけでなく、トラックメイキング、録音、ミックスに至っても自分でおこなっていますよね。
何から初めて、どんな経過を得て現在のマルチな制作スタイルに至ったのでしょうか。ラップを始めたきっかけなんかもあわせて伺えたらと思います。

 

ラップやるまではマジで何の取り柄もない奴でしたね笑。始めたきっかけはZEEBRAに影響受けて、カラオケで歌いまくってたんですよね。で、なんか俺結構うまいかもって思ってしまって笑。それでアストニッシュのメンバーと一緒にやり始めましたね。最初はレコードのインストに乗せて曲作ったりライブしてたんですけど、やっぱりオリジナルのビートでやりたいなっと。でも周りにはその当時ビート作ってる人なんて全然いなくて、それなら自分で作る方が早いかってなってネットで調べて、MPCをヤフオクで買いました。最初はまったく操作がわからなくて2ヶ月くらい放置してましたね笑。
段々触ってるうちになんとなくビートができて、そんなかっこよくないけどめちゃくちゃ愛着ある、みたいになって楽しさを感じるようになってきて。で、今でもそのMPCをメインにビートメイクしてます。その延長で曲をRECしたい、でも録る場所がない、なら自分で録るか!って感じで。 ミックスも最初は外部のスタジオとか行ってたんですけど、時間とお金がかかるし、結構音の方向性も左右されるので、ソロでやり始めてからは全部独学で自分でやるようになりました。

やろうと思えば自分でできちゃう、HIPHOPのそういうところに今もやられちゃってますね。

 

僕もMPC2000XLユーザーなのですが、どういったネタをチョイスして使用し、どんなところに使いやすさや魅力を感じますか。

 

ネタはここ数年は主にSOUL、FUNKです。結構年代とかチェックして、ひたすら安いレコード買ってます。基本一枚のLPに千円以上は出さないスタイルで笑。別に有名なレコードとか興味ないし、どんだけ安いレコードからやばいビートが作れるか、みたいな。
MPCの好きなところは、もう目をつぶってても触れるぐらい操作に慣れてるからですかね笑。実際俺のMPCは真っ黒にペイントしてるのでボタンの名称がまったく見えないんです。でも指が覚えてるので全然支障ないですね。MPCもシリーズによって全然音の質感とか揺れが違うと思うけど、俺は2000XLが一番合ってる感じ。でも、潰れたらMPC1000欲しいなーとか思うけど未だになかなか潰れないです笑。

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和歌山在住ということですが、和歌山にはどんな音楽活動の場所・文化・ムーブメントがありますか。音楽活動のベースは大阪なのでしょうか。大阪・京都・奈良・兵庫・そしてちょっと遠いけど三重と、和歌山(特に大國さんのお住まい)からはどこも結構短時間で行けるんですよね。都会が近くて羨ましいです。

 

和歌山はCLUBであれば老舗のGATE(ゲート)が有名ですかね。昔自分がヘッズの時はNITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのライブを体感したし、色んな有名なアーティストがライブしている箱ですね。自分ももう何回ライブしたかわからないぐらいお世話になってます。あと、夏の和歌山は海で遊べて、BAGUS(バグース)っていうプライベートビーチにあるBARがロケーションも雰囲気もめっちゃいい感じですね。近年はそこで音楽イベントもよく開催されてます。夏に和歌山くることあれば是非って感じです。

あと、中華そばはだいたいどこもうまいっすね笑。

活動はそんな意識してないんですけど、最近は特に大阪でライブさせてもらったり、大阪のアーティストの方たちとの交流が多いです。おかげさまで結構キャリアも長くなってきたので、各土地に友達や知り合いがいて、ライブのお誘いを頂けてる状況ですね。ほんと感謝です。

 

BAGUSの噂はよく耳にします。プライベートビーチのバーなんて素晴らしいですね。

今どんな音楽を聞いていますか。お勧めの音楽があったら教えてください。

 

最近は日本だとLIBROを聞きまくってます。俺と同じくラップもビートも自分でされてるんで意識しちゃいますね。「拓く人」ってアルバム超おすすめです。

海外だと、最近はTUXEDO(タキシード)とかANDERSON PAAK.(アンダーソンパーク)とか聞いてます。最新のSOUL、FUNK、DISCOって感じですかね。80S'好きなので。 あと、シカゴのCHANCE THE RAPPER(チャンスザラッパー)が好きで、彼の主催してるレーベル「SAVE MONEY」はめっちゃチェックしてます。このレーベルは音源でお金をもらわないって方針らしく、発表される作品はひたすら無料のMIXTAPE的な感じなんですけど、内容、クオリティははんぱなくイケてます。

 

今後の活動について教えてください。次回作についても教えてもらえる範囲で教えていただけますか。

 

とりあえず今は2枚目のアルバムを作ってます。このペースでいけば大きな事故にでも巻き込まれない限り今年中に発表できると思います。目標としては1年に必ず一枚は何かしら作品を出したいと思って作ってるので、是非気になったタイミングでチェックしてみてほしいです。
あと、ちょこちょこ色んな人にビートを渡しているので、そちらでも俺の名前を見かけることが増えるかもしれないです。
一番直近で言うと、Funkymicの4月にP-VINEから出るアルバムに3曲ほどビートで参加してます。ビートのインスト集とか、誰かのアルバム全曲プロデュースとか、今後も作ってみたい作品はいっぱいあるので、リスナーを飽きさせない活動をしていけたらなと思ってます。あと、俺のレーベルBRAIN WASH RECORDからポストニック森川のアルバムを出したいです個人的に笑。

 

松阪の夜景はどうでしたか笑。

 

んー、夜景なんてありましたっけ???笑
いやDISではないですよっ!!まじで和歌山より田舎でびっくりしました笑。

 

最後に一言メッセージをお願いします。

 

今回チャクラダイナミクスに誘ってもらってほんまありがとうございました!
また次のアルバムが出来たときにはお招きいただきたいです!!


 


 

album

「THINK OVER」大國 a.k.a. THINK

 

和歌山で活動するアストニッシュから、大國 a.k.a. THINKのソロデビューアルバム「THINK OVER」完成!無料配信「THINK TWICE EP」、COCOLO BLAND PRESENTS V.A.「INDIE RAP」への参加を経て、名前も092から大國へ一新し、1stソロアルバムのリリースが決定。全曲のProduceをTHINK(大國のトラックメイ カー名義)が手掛け、FUNK、SOULなどからサンプリングされたBEATがアルバム全体を彩る。そのBEAT上に、俄然何もない和歌山で生活してる中 で感じた日常を、時に冗談交じりに、時にグサッと直球に独自の切り口でラップする。客演には、アストニッシュよりReeder、DonTuji(ex.ア ラデジャムスタ)、そしてFUNKY MIC(Channel2/MONOTONE LABEL)が参加。2015年新たに設立したレーベル、BRAIN WASH RECORDより全国発売!全14曲すべてのProduceはTHINK BEATS。また、全曲のREC、MIXも行っており、全体的な統一感を演出。ラップと同時にトラックメイクも行うため、14曲中10曲はラップ入り、他 4曲はBEATのみで構成されている。始まりを告げる爽快な1.INTROから幕を開け、一日の時間軸に沿ってラップする2.RIDE ON TIME、アストニッシュの相方であるReederを招いての4.MY CLASSIC、今作のリードトラックである6.CHILLIN'、TV、メディアについて歌う7.CHANNEL、FUNKY MICのサビが印象的な夜の曲11.NIGHTMARE、どこか切ない雰囲気がする13.OUTROを挟み、最後は明日への希望をテーマにした 14.TOMORROWでこのアルバムは幕を閉じる。

 

 

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