DINO-MEDIAS

 

インタビュー企画第6回は、カタルナイシンさんに話を伺いました。

 

【プロフィール】

1989年3月生まれ。神戸在住。MC/Producer
2013年、Catarrh名義でMixtape「Exhale」を発表。
THE GRIME REPORTやGRIME FORUM等、UK GRIMEシーンで取り上げられた後インターネットを通じて世界各国のアーティストと共作するなどワールドワイドに活動。
そして2014年「Exhale」とは全く違うアプローチで仕掛ける自主制作アルバム「Moratorium」をリリース。


神戸と大阪を中心にライブを行っている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ラップを始めてから今のラップスタイルに至るまで、どういった経緯を歩んできたのでしょうか。

 

中学生の頃からラップやブレイクダンスと言ったHIPHOPの文化が好きだったので、学校の友達を誘って踊ったり歌詞を書いてラップしたりして遊んでいたのが始めたきっかけです。
ラップを始めた当初は90年代の日本語ラップを意識したフローでしたが、 アンチコン、プロジェクトブロウド、グライム等を聞き出した20歳くらいの頃からちょくちょくと倍速でラップをし始めるようになりました。
それからデモを作ってスッポンレコーズのGEBOさんに聞いていただいた際に「しっかりグライムでやってみたら良いんじゃないか。」
とアドバイスを受けてグライムのインストを使って倍速でラップし出すようになったのが今のスタイルに至る大きなきっかけです。

 

なるほど。そんなラップスタイルをもってして、どんなことを表現したいと考えていますか。

 

人間関係や仕事など日常生活から生まれる様々な感情や思想、自分の目を通して見た現実をそのままラップで表現しているつもりです。
HIPHOP畑の方にもそうじゃない方にも、ジャンルに囚われず伝えられるような表現を心掛けたいと思う反面、
言葉遊びの要素やHIPHOP的なアプローチも大事だと思うのでその辺りをバランス良く表現していきたいです。

 

チャクラダイナミクスにも数回出演していただきましたが、イベントの印象はどうでしょうか。数回出演していただき、出演者やお客さんの雰囲気も伝わりつつあると思いますが。

 

絶好のロケーションで音響やステージもチャクラダイナミクスの皆さまのお陰で素晴らしい環境が作れていると思います。
あの片田舎であんなにしっかりしたイベントを打てているのは本当に凄いです。心から感心しています。
ただ、普段三重県のクラブに遊びに行ってるような方々が来てくれていないのは少し気になるところです。


チャクラダイナミクスと同じ三重県出身という視点で、アドバイスをいただけますか。また、兵庫県のクラブシーンの様子はどうでしょうか。

 

チャクラダイナミクスはDIY精神を大事にしていて良いクルーです。足りないものはないと感じます。
誰にでも言える事ですが、経験を積んで何事にもめげずやり続けていくだけじゃないでしょうか。
あと自分の作品が批判されても不貞腐れずに飲み込む能力は必要だと思います。

 

兵庫県全体のクラブシーンは把握出来ていませんが神戸は色んなスタイルの方が居て面白いですよ。
今、主流の英語っぽいフローのラップをする方も居れば90年代の日本語ラップの影響を受けている若い方も居ます。
グライムではないのですが、BPM140で倍速ラップするMCの方もチラホラと居るのが個人的に嬉しいです。
アルバムに参加してくれているTEETWOまた旅さんもその内の1人です。MIXTAPEも出しているので是非とも聞いてみてください。

 

アルバム「Moratorium」リリースおめでとうございます。聞き所を教えてください。

 

ありがとうございます。
全体を通して歌詞に注目して聞いていただきたいです。
「猿とアバズレ」という曲は僕が生まれて初めて作ったラブソングなのですが、
もうラブソングは書く事がないと思うので是非ともこの機会に聞いてみてください。


アルバムは制作に対する熱心さが伝わる内容でしたが、制作について苦労した点、工夫した点はありましたか。

 

苦労したのはミックスとマスタリングです。
トラックメイクからマスタリングまで全部自分でやりたいと思い今回のアルバムでやってみたのですが
いざやってみるとすごく大変でした。次回からミックスとマスタリングはエンジニアの方に依頼します。

工夫ではありませんが、「グライムMC」とカテゴライズされるのが嫌だったので
今回のアルバムではグライムらしさを皆無にしてナードラップのアルバムとして完成させたつもりです。
BPM140の曲も何曲かありますがどれも良い具合にナードな雰囲気が出せたと思います。

 

これまでに大きな影響を受けた音楽、文化、芸術作品などあったらなんでも教えてください。

 

スッポンレコーズ、ナードラップ、グライム、US西海岸のアンダーグラウンド、
大雑把ですが上記4つの影響を受けています。
そして、これらを僕に教えてくれたのが先輩のMCラプタさん、RITZZZさん、DEKISHIさんです。
なのでこのお三方の影響がとても大きいです。

ラップ以外の音楽だと森山直太朗さんが好きです。

 

普段聴いている音楽でオススメのものがあったら教えてください。

特にグライムなんかは詳しく知りたいところですが。

 

レーベル紹介になりますがTech N9ne率いるStrange Musicが硬派でヘンテコで格好良いです。
ファストラップ好きの方は気に入ると思います。

あとCeschi、Sadistik、AstronautalisなどスキルフルでナードなMCが多く在籍しているFake Fourもオススメです。

グライムに関しては日本でも流通していて入手しやすいWileyやDizzee Rascalが良いんじゃないでしょうか。

あとは色んなグライムMCがフリーのMIXTAPEを沢山リリースしているので TheGrime Report、Grime Forum、Grime.JP等のサイトをチェックして片っ端からダウンロードするのが良いと思います。

 

僕の一押しグライムMCはScrufizzerです。

 

ライブ、制作など今後の活動予定を教えてください。

 

2014年8月23日(土)神戸KINGS CROSSでリリースライブさせていただきます。

音源だと日本語グライムのプロジェクトが幾つか進行中です。
年内には発表できると思います。

 

読者の皆さんにメッセージをどうぞ。

 

こんな無名MCのインタビューを読んでくださってありがとうございました。
またどこかで見掛けた際は気軽にお声をかけてくだされば幸いです。

 

ありがとうございました。またリバーサイド茶倉でライブが見れる日を楽しみにしています。


哀愁漂うトラックに力強くも儚い言葉が胸を打つ。終始曇り空のような1枚。
LOW HIGH WHO?のフリーダウンロードV.A.「GOLDEN DEMO 3」に収録された「Like You」を新たに録り直し収録。
客演にはRaputaTengoku、Ritzzz、Sheepq-ill、TEETWOまた旅、寛治が参加。

 

1. Poetic Youth
2. ケダルス feat. Sheepq-ill
3. Like You
4. 迷路 feat. TEETWOまた旅
5. 耳鳴り feat. Ritzzz
6. Butterfly Effect
7. 猿とアバズレ
8. Conceal
9. 宇宙遊泳 feat. RaputaTengoku
10. わずらい
11. Insomnia feat. 寛治
12. 凡庸
13. Moratorium

 

販売価格:1,000円

WENODRECORDS等にて販売中。

 

LINK


Copyright@Cakradinomix