みなさんこんにちは。チャクラダイナミクスのラプタヘイブンです。僕はラップをするMCですが、楽曲を作るトラックメーカーでもあります。今回はトラックを作るための機材、AKAI Professionalの「MPC1000」について研究したいと思います。
研究とありますが、専門的な使い方ではなく、使い方がわからずに使用をやめてしまった人が、再度トラック作りにチャレンジできるよう、専門用語やカタカナはできるだけ減らしてわかりやすく書ければと思います。説明が甘い個所や内容に間違いがあることもあるかもしれません。現場で見かけたときにでも間違いを教えていただけると嬉しいです。
 また、この記事にはMPC1000を中傷する意図も、宣伝する意図もありません。使用方法において自由度の高い機材の、ほんの一例の紹介だと考えてください。
 それでは無限に広がるサンプリングの世界へ、一緒に足を踏み入れましょう。

 

 僕が使用しているMPC1000は、チャクラダイナミクス代表の寛治君に借りたものです。黒色モデルで、OSのバージョンは2.13、内蔵メモリ128MB、AKAI MPC SOUND LIBRARYを含む128MBのコンパクトフラッシュを使用しています。

 

・セーブについて

・ロードについて

・接続の確認

・サンプリング/録音について

・トリムについて

・プログラムについて

 

 まずはセーブ(保存)とロード(読み込み)を見ていきたいと思います。
 個人的に最重要だと感じたので最初に書きましたが、録音工程あってのセーブ、セーブあってのロードですので、全くの初心者の方は読み飛ばして、録音後に戻ってもらえればと思います。

 

・セーブについて


1.「MODE」ボタン→「SAVE」パッドでセーブ(保存)画面が開きます。

2.画面上の「Save TO」で保存先を内蔵メモリーにするか、メモリーカードにするか選べます。僕は「MEMORY CARD」を選んで保存しています。32MBから2Gまでのカードが使用可能とのことです。カードは最初使う際に、フォーマット(初期化)が必要です。もし初めての場合は「MODE」ボタン→「SAVE」からF3「UTILIT」を選択し、「Do:FORMAT」画面で「DOIT」してフォーマットしてください。


3.「Type」ここが重要なところです。最初は「SAVE A SAMPLE」が表示されています。これで保存すると、録音したサンプルの音声ファイルだけが保存されることになります。楽曲のデータ全てを保存したつもりでいると、制作を続けたいときに保存されていないため、ロードできずに挫折してしまいます。MPC内のデータは主に4種類のファイルで構成されています。

 

A.録音したサンプルの音声ファイル 
B.サンプルをパッドに割り当てたプログラムファイル 
C.曲中で音が鳴る個所を記録したシーケンスファイル 
D.シーケンスファイルをどう構成するかを記録したソングファイル 

 

この4つ全てを保存して、1曲分のデータ保存に至ります。実際にはこれを省略して行うことができ、「Type」から、「SAVE All PROGRAMS & SAMPLES」を選ぶことによりAとBが、また、「SAVE All SEQS AND SONGS」を選ぶことによりCとDが保存されます。ですから、1曲のデータを保存したいときは「SAVE All PROGRAMS & SAMPLES」と「SAVE All SEQS AND SONGS」で2度保存しています。「Type」選択の中に「SAVE ENTIRE MEMORY」という選択肢がありますが、曲単位での保存の際に混乱が生じたので使用しませんでした。

4.「To」で保存先を選択できます。「To」のところにカーソルを持ってきて「WINDOW」を押すと、PCのフォルダ管理に似た要領で保存先を選択できます。F5の「NEW」を押すと新規フォルダを作成でき、右カーソルでフォルダを開けます。保存先を作成/決定したら「DOIT」で保存します。この時、オプションメニューが表示され「Make new folder」を問われます。新しいフォルダを作るか聞いてきますが、あらかじめ作成したフォルダにファイルを入れているので、答えは「NO」。同時に問われる「Replace same files」は同じファイルがあった場合上書きしますか?という意味です。上書きしないと同じファイルが重複して保存されることになるので、答えは「YES」です。僕は1曲ごとにフォルダを作成して、その中に1曲分のファイルを全て入れるようにしています。ちなみにフォルダを開いた際、左上に出ている「ROOT」というのが一番おおもととなるフォルダ名です。全てのフォルダは「ROOT」のもとに作られるわけです。「WINDOW」でフォルダを開いた「Directry」画面では、F2「DELETE」でフォルダ/ファイルの削除ができます。F3「RENAME」ではフォルダ/ファイル名の変更ができます。ジョグダイヤル等を使って名称を入力してください。

5.SAVE画面の「Size」には保存するファイルのサイズが、「Free」には保存先の空き容量が表示されます。親切ですね。

 

 MPCはセーブでつまづくという話を聞きます。サウンド部とシーケンス部で2度のセーブが必要で、一度やってみるまでは難しいかなと思います。直感で制作を進めているトラックメイカーの皆さんにはファイルの整理もネタ掘り以上に手間なのかもしれません。説明書でも終盤に記載があるので、そこまで読み進めないとたどり着けない情報だったりするのかななんて思います。

 

・ロードについて

1.「MODE」ボタン→「LOAD」パッドでロード(読み込み)画面が開きます。

2. 「Load from」読み込み先を内蔵メモリーにするか、コンパクトフラッシュにするか選べます。「MEMORY CARD」を選んで読み込みしています。

3.「File」から読み込むファイルを選択します。「ALL_SEQS&SONGS」を選択し、「DOIT」すると、「Load All (SEQS&SONGS)File」画面が表示されます。この画面ではエフェクトとシーケンスのプログラムだけを抽出して読み込むことができます。応用的な機能なので気にせず「DOIT」でファイルを読み込みます。次に「Program01」を選択し、「DOIT」すると、「Load a Program」画面が出て、「Load」を「WITH SAMPLE」でおこなうか、「PROGRAM ONLY」でおこなうか選択できます。プログラムと同時にサンプルを読み込みたいので「WITH SAMPLE」で「DOIT」します。この「Program01」は自動でつけられるプログラムの名前で、この中にサンプルや、サンプルをパッドに配置した情報が入っているわけです。「Replace same sample in memory」は「NO」に設定します。本体内に同じ名前のサンプルがあった場合、そのファイルをロードしないという設定です。例えば電源を入れてから、ファイルをロードする前に、録音していたサンプルの名前が「TAIKO」という名前で、ロードしたいサンプルファイルの中に「TAIKO」という同じ名前のファイルがあった場合、ロードしたいサンプルの中の「TAIKO」というファイルはロードされなくなります。この設定を「YES」にしておけば、万が一サンプル名称がかぶった場合でもロードされるので安心です。しかし作業の一番最初にロードをおこなうため、サンプル名称がかぶることはまずありません。いちいち「YES」に変更するのが面倒なのでデフォルトの「NO」で「DOIT」に押し通っています。笑 


4.ロードの中で押さえておきたい機能の一つに「Autoload」があります。起動時にファイルを自動的に読み込んでくれる機能です。しかしこの機能、僕の曲作り過程では障害になることがあります。作曲を始める時、サンプルの入っていない、打ち込みの行われていない真っ白の状態で始めたいのに、オートロードが設定されていると、サンプルが読み込まれてしまうのです。オートロードは機能をオフにして使用しています。MPCのヘビーユーザーもオートロードのオフを知らなかったりするようなので紹介します。
オートロードは「INTERNAL MEMORY」と「MEMORY CARD」の両方に存在し、それぞれでオフにする方法が違います。

「MODE」ボタン→「LOAD」パッドでロード画面を開き、「Load from」で「INTERNAL MEMORY」を選択し、「WINDOW」ボタンで「Load Setup」を開きます。ここを「OFF」に設定することで、「INTERNAL MEMORY」のオートロードをオフにできます。

「MEMORY CARD」のオートロードは、メモリーカード内の「AUTOLOAD」フォルダ内から自動的にロードされます。「MODE」ボタン→「SAVE」パッドでセーブ画面を開き、「AUTOLOAD」となっているフォルダ名を変更してしまえば「MEMORY CARD」のオートロードをオフにすることができます。僕はフォルダ名称を「@UTOLOAD」としておき、オートロード機能を使用したいときに名称を変更しやすいようにしています。実際オートロードを使用する機会といえば、MPCでライブをする時でしょう。電源を入れて即座にライブ用ファイルが読み込めるのは便利です。作曲の際にはオフにしています。

 

 保存したファイルがちゃんとロードができたでしょうか。本気で作曲を始める前に一度試してみると良いかもしれません。直感的で芸術的なトラックメーカーほど、傑作を凡ミスでロストしているものですからね。作ったビートを正確に保存し、曲単位で整理し、アルバムに仕上げて、世に送り出してあげてください。ファイルを丁寧に整理しておけば、きっとスタジオでのミックス作業などもはかどると思います。

ここから録音/編集に入っていきます。まず最初に、接続を確認しましょう。

 

 

・接続の確認

1.前面は右からヘッドフォンを差し込む「PHONES」。これは「MAIN VOLUME」で操作し、ステレオアウト(メインアウト)と連動しています。ですから、ライブの際にはヘッドフォンモニターを優先的に音量合わせしておいて、ステレオアウトはPA音響側で合わせてもらうのが良さそうです。続いてフットスイッチを差し込む「1」「2」がありますが今回接続しません。

 

2.背面は、右から「MIDI IN」「MIDI OUT」今回MIDI機器の接続はおこないません。「ASSIGNABLE MIXOUT」はライブでのエフェクター導入時やスタジオでのミックス作業に使用しますが、使用の頻度は低いです。今回ミキサーセクションで触れますが、使用はしません。「DIGITAL IN/OUT」はデジタル入出力の端子です。多くの方がデジタルではなくアナログ入力を使用すると思いますが、僕はデジタル入力も使用します。サンプリングをパイオニアのCDJでおこなっていますので、CDプレイヤーのデジタルアウトからMPCのデジタルインへ繋いでいます。デジタルケーブルの「コアキシャル」とか「S/PDIF」とか呼ぶ規格のケーブルで接続します。音質が非劣化で良いです。そしてアナログ出力の「STEREO OUT」アナログ入力の「STEREO IN」と続きます。アナログ出力/入力ともに「フォン端子」で接続します。接続ミスの一つに、インとアウトの繋ぎ間違いがあります。トップパネル上の「REC GAIN」入力ツマミは左側にあり、「MAIN VOLUME」出力端子は右側にあります。一方で背面パネルをトップパネル側からみると入力である「STEREO IN」が右側にあり、「STEREO OUT」が左側にあります。ツマミの配置と端子の配置が逆となっているので、現場での接続ミスが非常に多いです。接続の際は逆となっていることに注意してもらうといいと思います。

 

・サンプリング/録音について


1.「MODE」ボタン→「RECORD」パッドで録音画面を開きサンプルを録音します。

 

2.Input:で入力の種類を選べます。リアパネルの「STEREO IN」に接続したアナログ入力の場合「ANALOG」を選択します。

「DIGITAL IN」に接続したデジタル入力の場合「DIGITAL」を選択します。デジタル入力の場合「REC GAIN」での入力レベル調整は不要です。これはCDの出力レベルと同じ値が入力レベルとなるためで、一手間分楽できます。「MAIN OUT」を選択するとステレオ出力の音をレコーディングできるので、パッドで叩いた音をリアルタイム録音できます。加えて、シーケンサーのスタート/ストップボタンも効くので選択したシーケンス分のレコーディングもできます。実際にはあまり使わない機能かもしれません。

「Mode」はモノラル録音をしているので「MONO L」「MONO R」のどちらかを選んでいます。パンニングなどステレオであることを活かした素材の場合は「STEREO」を選択しています。「Monitor」は「ON」で音を聞きながら録音、入力レベルで自動録音するための値である「Threshold」は-∞、つまりこの機能を使用していません。「Time」は「00m10s」に設定しています。10秒間のサンプリング時間ということです。

 

3.レベルメーターを見ながら入力レベルを「REC GAIN」ツマミで調整します。画面上に最大入力レベルが網掛けで残るようにできています。この最大入力レベルができるだけ右側に来るように調整しますが、過大入力を行うと音割れが発生します。右から2コマ目に網掛け表示がくるようにすると、無難なレベルで録音できます。網掛け表示はF1とF2の「RESET PEAK」でリセットすることができます。

 

4.入力レベルの調整ができたら「RECORD」ボタンで録音します。録音中に「CANCEL」と「STOP」の選択肢が表示され、キャンセルを選ぶと録音を中止、ストップを選ぶと録音を終了し「Keep or Retry」画面が表示されます。サンプルをF4の「PLAY」で視聴し、保存しない場合はF2の「RETRY」で再度録音画面へ、保存する場合はサンプル名と配置するパッドを選択し、「KEEP」を押します。Assign to pad(パッドへの配置)についてはパッドを叩いて配置先を決定できます。配置しない場合はOFFを選びます。

 

 録音はできるだけ高音質で、入力レベルは小さすぎず、過大にならない位置で録音できるように注意しています。ジャズやファンクなどを抜くときに、狙った楽器がパンニングの都合で、LとRのどちらにたくさん含まれているか、探しながら作業をしています。ステレオで聞くと他の楽器とかぶった音でも、LとRのそれぞれで聞くとクリアに抜けたりします。録音したサンプルは「TRIM」モードで余分な部分をカットし、レベルを揃えます。

 

・トリムについて

 

1.「MODE」ボタン→「TRIM」パッドでトリム画面を開きます。

 

2.左上にサンプル名が表示されています。編集するサンプル名を選択します。ここで「WINDOW」を押すと、サンプル名の再設定、削除、コピーができます。また、「Tune」ではサンプルの音程を設定できます。音程は今後「PROGRAM」モードでも変更することができるので、僕は設定していません。しかし例えば、譜面があってサンプルを譜面通りに演奏したい場合は、ここでサンプルの音程を「ド」に設定しておくと、PROGRAM上でどのサンプルを並べた時にでも「ド」の音で始められるので便利かなと思います。

右側に「View」があり、モノラル録音したサンプルの場合は「MONO」ステレオ録音した場合は「LEFT」と「RIGHT」から表示する波形を選択できます。

 

3.「St」スタートポイントと「End」エンドポイントを設定します。
スタートポイントはサンプルの中で、鳴りはじめる位置のことです。一方でエンドポイントはサンプルが鳴り終わる位置のことで、この範囲内でサンプルに様々な編集をかけることができます。
St,Endの設定はジョグダイヤルで数値を増減させて行います。多くの人が利用しているのが「Q・LINKスライダー」です。「AFTER」キーを押しながら「Q1」スライダーを上下させることで、Stポイントを素早く設定できます。「AFTER」キーを押しながら「Q2」を上下させることでEndポイントを設定できます。他に素早く設定するための方法として、「SHIFT」キーを押しながら「◀」キーを押すことで、編集する数値の位を設定できます。僕は、SHIFTキー+◀キー3回押しで千の位を増減させています。素早く大雑把な位置でSt/Endポイントを設定したら、「WINDOW」キーを押して、「Fine」の画面を開きます。ここではSt/Endポイントの詳細な設定ができます。「ZOOM+/ZOOM-」で波形表示を拡大/縮小できます。また、「LOG」では小さな波形でも縦に拡大して見ることができます。St/Endポイントは、クロスポイントで切るのが基本です。LOGボタンを押して波を見ると、中央の線より上の波と、下の波で構成されているのがわかります。上でも下でもない、波の中央であるクロスポイントに設定することで、プツッというノイズが入るのを回避することができます。
設定したSt/Endポイントは、パッドを使って確認することができます。
PAD13によって選択範囲をループ再生できます。
PAD14によって選択範囲までの部分を再生できます。
PAD15によって選択範囲を再生できます。
PAD16によってサンプル全体を再生できます。

 

4.確認ができたら、St/Endポイント間で編集を行います。F6の「EDIT」を押すと、様々な編集を選択できます。

 

A.「DISCARD」これは便利な機能で、St/Endポイントで選択した範囲以外を削除します。要らない部分を消すことができるのです。

 

B.「EXTRACT」これはDISCARDと似た機能ですが、録音したサンプルはそのままにして、St/Endポイント間で新しいファイルを作るというものです。新しいサンプル名を付けたら、「DOIT」で新規サンプルファイルを作成します。

 

C.「DELETE」では、DISCARDの逆で、St/Endポイントで選択した範囲を削除します。僕は作業ではあまり使ったことのない編集機能です。ドラムブレイクを録ったときなど、次にスライスをかけること前提で不要な音を抜きたいときに使えるかなとは思います。

 

D.「SILENCE」はSt/Endポイントで選択した範囲を無音にします。この機能はかなりマニアックな機能ですが、使用法によってはユニークな効果を生み出すことがあります。サンプルの中に無音の箇所があると、途中で途切れたような音になります。僕はこれを飛び道具的に使用することで変態的なトラックを作ることができました。計算できない場所で音が途切れ、妙なグルーブが出たように感じました。ドラムなど大きい音量で使用するサンプルより、小さい音で使用するサンプルに使うと、他の音に無音箇所がなじみやすいと思います。他には、ベースなどついつい鳴りっぱなしにしてしまいがちなパートに、変則的に無音箇所を入れると、変態的な切れ味のあるベースラインができたりします。どちらにしてもマニアックな機能なので、飛び道具的に、余裕のある時に使用してもらえればと思います。
「DOIT」を押した後、「Keep or retry」という画面でサンプルの視聴ができます。「PLAY」で視聴、「OVER W」はオーバーライティング(サンプルファイルに上書き保存)、「RETRY」は保存せずに戻る、「KEEP」は新しいファイルの作成になります。

 

E.「NOEMALIZE」は、サンプルの音量を可能範囲の最大まで引き上げてくれる機能で、使う頻度の高い機能です。録音時の入力レベルが低かった場合、ここで音量を上げることができます。他には、スネア1とスネア2など、似たような楽器で分別がある場合、スネア1とスネア2の音量に極端な差があると、録音時、ライブ演奏時など、パッドを叩く強さを使い分けしなければいけなくなります。両方の音をノーマライズしておけば、音量の同じスネアが2つできることになるので、パッドを同じ強さ加減で叩けます。また、ミキサーの音量調節をする際、音が小さいと増加させることを考えなければいけませんが、ノーマライズされた音量は可能範囲の最大値であるため、音量を減衰する方向を基本に考えれば良いので、作業も楽です。

 

F.「REVERSE」は音を逆再生する機能です。特徴的な音が作れて楽しいです。ドラムのうち、クラッシュシンバルという楽器の音は、逆回転すると定番の音になるので、一度この機能でチャレンジしてみてほしいところです。

 

G.「TIMESTRETCH」では、サンプルの長さを、テンポをベースにして変更することができます。僕は作曲の際に、一度もこの機能を使用したことがありません。それは、音程を変えずに長さを変えるという高度な処理のため、サンプルの音質に影響するからです。上手に使っている人もいるようですので使用法だけ。「Original tempo」には最初、自分が作っている曲(選択しているシーケンス)のBPM(曲のテンポ)が入力されます。右側の「New」が変更後のBPMとなっています。「Preset」には様々なプリセットが用意されています。プリセット内のVOXというのはVOCALという意味ですね。それぞれにA,B,Cグレードのプリセットがあって、Cへ進むほど処理速度を犠牲に、品質を向上させることができるようです。「Adjst」は-50から+50まで選択できます。プリセットとアジャストの効果のほどは試行錯誤を伴いそうです。F2キーで「TEMPO」を選択すると、「Detect tempo」画面が開き、録音したサンプルそのもののテンポを検出してくれます。この検出の精度などは未確認です。

 

H.「PITCH SHIFT」は、タイムストレッチと考え方が逆で、長さを変えずに音程だけを変える編集機能です。これも僕は制作で使用したことはありません。やはり処理上音質の変化があるので、それを補うためにプリセットとアジャスト機能がついています。ここら辺の機能の違いや精度を理解している人は、本物のMPCマスターと言えると思います。

 

5.TRIMモードには「SLICE」という機能がついています。長い尺のサンプルを録音しておいて、スライス機能を使って細かいサンプルを複数抽出する機能です。畑から摘んだ(レコーディングした)キュウリ(サンプル)を切り分ける(スライスする)ようなイメージを持っています。スライス機能はステレオには対応していないので、切り分けたサンプルはモノラル(左)のファイルになります。F5キー「SLICE」を押すと、「ChopShop」という画面になり、「Mode」から「AUTO」と「EQUALLY」が選択できます。元のサンプルファイルを細切れサンプルに分割するわけですが、「AUTO」だと波形のレベルで自動検出し、最大64まで分割してくれます。「Recovery time」「Threshold」「Sensitivity」の3つの値がありますが、「Recovery time」はアタック間の間隔を狭めすぎないための調節、「Threshold」は線引きのことで、Threshold以上の値が出た時にサンプルのStポイントとして分割されるはずです。「Sensitivity」が何を指す機能なのか、説明書にも記載がありませんでしたが、おそらく感度に関わる何かだと思います。僕はスライス自体ほとんどやらないのですが、スライスするとしても触るのはスレッショルドの値だけです。ここで不可能な値を入力してしまうと「Abort!!」(失敗)と表示され、元のトリム画面へ戻されてしまいます。 「EQUALLY」では「Number of region」の数値の数だけ、均等に分割されます。 「DOIT」でスライス画面へ移動します。スライス画面ではまず「Region」という項目が選択となります。Regionは分割されたパートを指しています。このリージョンごとに改めてSt,Endポイントを設定できます。
リージョンごとのSt,Endポイントが設定できたら、F4の「CONVERT」で分割をかけます。「Convert to」を「SLICED SAMPLES」にし、「Release」は0に設定します。このReleaseを設定した際の音が、エフェクトのリバーブ効果のように聞こえます。何のためについているのか不明ですが、0の設定が良さそうです。「Create new program」では、スライスしたサンプルで新しいプログラムを作れるようですが、僕はこの機能を使用していないので、「NO」にしています。プログラムはサンプルの編集が終了してからじっくりと組みたいと考えています。
スライス画面では、CONVERT以外に、分割のやり直しであるF5「RECHOP」や、スライスしたサンプルの編集ができます。F6のEDITでは、「EXTRACT」選択したリージョンの抜き出し保存、「DIVIDE REGION」選択したリージョンの更なる分割、「COMBINE REGION」選択した連続するリージョンの結合ができます。ここらの設定を使いこなしている人は上級者だと思います。

トリムモードには「TRIM」の他に、「LOOP」の設定があり、ループの設定をONにすることによって、サンプルを繰り返し再生することができます。ループポイント(Lp:)とエンドポイント(End:)の間をループすることになります。このループ機能、長い尺のサンプルではうまく使えた試しがありませんが、短い区間をループポイントに設定すると、単音のように扱うことができます。僕はこれを16LEVELSで音程を組んで、石の音を録音したものから、ベースラインを組むのに使用したことがありました。ループ機能でサンプルを使用する場合、プログラムモードの「PlayMode」を「ONE SHOT」から「NOTE ON」に変更しておく必要があります。これで、パッドを押している間だけ、ループされたサンプルが鳴ることになります。

 

 

・プログラムについて


1.「MODE」ボタン→「PROGRAM」パッドでトリム画面を開きます。

 

2.左上にプログラム名が表示されています。ここで「WINDOW」を押すと、「Program」という画面が開き、プログラム名の変更(プログラム名を選択後ジョグダイヤルを回し「Name」画面で変更)、削除(F2のDELETE)、新規作成(F3のNEW)、コピー(F5のコピー)が行えます。削除では「ALL PG」を選ぶと全てのプログラムの削除、「DOIT」を選ぶと選択したプログラムの削除が行えます。新規作成、コピーでは、新しいプログラムの名称を設定した後、「DOIT」によって実行できます。

 

3.パッドごとにサンプルを配置し、レベルや音程を設定します。
F1の「SAMPLE」画面では、1つのパッドにおけるサンプルの配置、音量レベル、音程などを設定できます。
まずはパッドの割り当て/サンプルの配置からです。画面の一番左側にA01など、パッドの番号表示があります。A01ならば、パッドバンクAの1番ということです。「PADBANK」ボタンを切り替えることによって、64のパッドにサンプルを配置できます。右側に、1:2・3:4:と配置するサンプルの選択があります。ジョグダイヤルでサンプルを選択することによって、パッドへの配置を行います。この選択(レイヤー)を増やすことによって、一つのパッド操作(押したとき)で同時に4つのサンプルを鳴らすことができます。
僕の作曲においては、パッドの使用数は多くても20個程度、1つのパッドに2つのサンプルを配置することはありません。僕の能力では作曲する際に整理がつかなくなってしまうからです。しかし、後で触れる「Amp Envelope」における「V‣Level」機能と「Renge」機能を複合して使えば、面白い使い方ができると思います。

サンプルの選択画面で「WINDOW」を押すと、「PLAY MODE」の選択ができます。これは非常に重要な設定であり、作曲の上で必ず必要な知識です。「Layer」が1から4まであり、先ほど配置したサンプルをどう鳴らすか設定できます。「ONE SHOT」はパッドを1度押したら、その押した時間が長くても短くてもサンプルを最初から最後までの長さで鳴らします。一方で「NOTE ON」に設定した場合は、パッドを押した長さだけサンプルを鳴らします。長さのあるサンプルで、鳴らす長さに変化をつけたいときに「NOTE ON」を選択し、録音時にパッドを押す長さ変化をつけます。ドラムなど、音の鳴る長さに変化をつけないサンプルは「ONE SHOT」を選択しています。

サンプル選択画面の右側にある「Lvl」では、サンプルの音量レベルを調整でき、「Lvl」を選択時に「WINDOW」を押すと、「Amp Envelope」画面にてサンプルの鳴らし方を調整できます。左上側の「Attack」という値によってサンプルの出だしの鳴らし方を調整します。数値が0から増えるにつれ、徐々に音量が上がる設定となります。一方で「Decay」はサンプルの鳴らし終わりを調整します。数値が0から増えるにつれ、早い位置から音量が下がる設定となります。「Dcy md」はディケイモジュレーションと言って、減衰が始まる値を、サンプルの鳴り初めの「START」を基準とするか、サンプルの終わりの「END」からの位置を基準とするかを選択できます。
制作の際、「Amp Envelope」については、ほぼすべてのサンプルにおいて調整を行っています。トリミングの際、クロスポイントでトリムするのが基本ですが、これをおこなっていないとサンプルの鳴り始め/鳴り終わりで「プツッ」というノイズが入ることがあります。この際、アタック/ディケイの数値を上げることによってノイズ部分をカットすることができます。また、音圧が高かったり、音詰まりの良い音源からのサンプリングはどうしてもトリム位置が目立ちます。音の切れ目が目立ちすぎる場合、ディケイの数値を調整し、サンプル音量を減衰することで切れ目が目立たなくできることがあります。この操作を使いこなせば、サンプルの「切り/貼り」を目立たなくし、ナチュラルな印象の曲に仕上げることができます。ですからここは、初心者の方にも絶対に触って欲しい操作です。
ディケイモジュレーションについては、全てのサンプルを「END」位置から設定しています。
右側にあるのが、V‣Attack V‣Start V‣Level機能です。これはベロシティー(パッドを叩く強さ)に応じて音を変えられる機能です。応用的な機能ですが、使い方次第で面白い扱いができます。まず、V‣Levelはベロシティーの幅を設定します。100というのはもっとも幅が広い設定です。強弱で1から100まで音量を変えられるということです。試しに設定を0にしてみると、ベロシティーの強弱の幅がありませんので、叩く際に強弱をつけてもすべて最大音量で鳴ることとなります。ライブなどで叩いたときに叩き漏れが多くあったり、レベルが低く感じる場合は、70ぐらいまで下げておくと叩き損ねた時にもまあまあな音量で鳴ってくれるので、パッドを扱いやすくなります。V‣Levelを0にした状態で、V‣Attackの値を上げてみると、パッドを叩く強さによってサンプルのAttack位置が変化します。強く叩くとAttackは短く、弱くなるほどAttackが長くなります。V‣Startはスタート位置をベロシティーによって変化させるもので、強く叩くとStart位置は短く、弱くなるほどStart位置が遅くなります。長尺サンプルを叩く強さに応じた位置からスタートさせると、スタートポイントが複雑に変化するユニークな構成が可能です。
「Lvl」の右側にある「Tune」では、サンプルの音程を設定します。左二桁は+1で半音上がります。(-1で半音下がる。)+12で1オクターブ上がる。右二桁は+100(セント)で半音上がる設定です。「Tune」の「WINDOW」では、「V‣Pitch」といって叩く強さで音程が変化する設定があります。実際に使ったことがないのですが、声ネタを音程を変えながら連続で鳴らしたい場合(若干ホラーな演出ですが)などに使えそうです。「Tune」の右の「Range」では、ベロシティに応じたサンプルの繋ぎ替えを設定できます。例えば、サンプル1を笛、サンプル2をピアノ、サンプル3をギターとした場合、サンプル1のレンジを0-40、サンプル2を41-80、サンプル3を81-127とします。 叩く強さが「30」であった場合はサンプル1の笛の音が鳴り、「60」であった場合はサンプル2のピアノの音が鳴り、「90」であった場合はサンプル3のギターの音が鳴ります。つまり叩く強さによって、楽器を使い分けられるのです。サンプルが鳴る強さであるレンジは、完全に分けなくとも、重複することができます。ですから、弱く叩いた時には笛とピアノが同時になり、強く叩いた時にはピアノとギターが同時になる、といった設定もできます。設定次第で複雑な構成ができそうです。

 

4.サンプルにフィルターをかけることができます。
F2ボタンを押し、「FILTER」を選択します。PADを押し、フィルターをかけたいパッドを選択します。1つのパッドに対して、2つのフィルターをかけることができます。

「TYPE」からフィルターの種類を選択します。高域部分からカットしていく「LOWPASS」、低域部分からカットしていく「HIGH PASS」、高域と低域をカットし、指定した真ん中の周波数を抽出する「BAND PASS」、高域部分を特徴的にカットする「LOW PASS2」の中から1つを選択します。このフィルターの種類に対して、「Freq」の数値を設定し、フィルターをかけます。高音の丸まった、くぐもったサウンドを目指す場合はLOWPASSを使います。Freqを70まで下げると、変化がわかりやすいかと思います。特徴的なキック音を作る際や、ベースをなじませる際に使用しています。ウワネタのサンプルがベースやキックとかぶった際には低音をカットするためHIGH PASSを使います。サンプリングは低域の音が被りやすいので被った音を整理するのにHIGH PASSは有効なツールです。ベース、キック以外のほとんどの音にHIGH PASSを使用しています。BAND PASSはシンセサイザーの長い音などに変化をつけるのに有効です。Freq値付近の周波数が通過することとなります。0から100まで変化させてみると使い道を実感できそうです。
「Reso」の数値では、フィルターのFreq値周辺の音量を上げます。これによって音が一層特徴的になります。Resoを上げすぎると、音が大きくなりすぎることがありますので適度なレベルに設定しています。「ATT」では-6と-12で音量を簡単に下げることができ、Resoの設定などで音量が大きくなりすぎた際に使います。
フィルター1と2を組み合わせることによって、フィルターのバリエーションを増やせます。例えばHIGH PASSとLOW PASSを組み合わせてそれぞれにFreqを設定すれば、ハイとローをカットした中間を抜き出せます。BAND PASSの周波数幅が一定なので、より細かい設定で音を抽出できます。また、1と2にReso値を設定すれば、2つのフィルターのFreq部分が強調されたかなり特徴的な音を作り出せます。フィルター2のTypeを「LINK」にすることで、1のフィルターを2重に重ねることができ、より強力なフィルターとして使用できるそうです。フィルター1つでもかなり効いていると思うので、LINK機能って一体どういうときに使うのかなと思いますが、きっと完全にKILLしたいときに使うのでしょう。笑
「FILTER」画面で「WINDOW」を押すと、「Filter Envelope」を設定できます。「Time」でフィルターをかける前の音から、フィルターがかかった後の音になるまでの時間を調整します。「Amount」では変化をかけるスタート位置を調整します。Amountが高い位置からスタートすると、高い音から変化が始まり、低い位置からスタートすると低い音から変化が始まります。フィルターの時間変化はほとんど使いませんが、ベース音でLOW PASSフィルターを選択、Freqを60、Resoを50に設定し、Filter EnvelopeでTimeを30、Amountを-50に設定すると、低い位置からの時間変化でローパスフィルターがかかるので、ワブルベースのような、一瞬沈み込んだ印象の音を作ることができます。
さらにこの設定に、V▲Timeでベロシティによる長さの変化をつけることができます。値を+50にすると、ベロシティが弱い場合、フィルターのかかる時間が、設定した時間よりも長い状態からスタートします。逆に-50にするとベロシティが弱い場合に、フィルターのかかる時間が、設定した時間よりも短い状態からスタートします。V▲Amountは、ベロシティの強弱でエンベロープにかける量をコントロールすることができるらしいのですが、使用したことはありません。効果的な使用法もわかりません。V▲Freqではベロシティで周波数を変化させることができます。値を大きくするほど、ベロシティが大きいときにフィルターをかける位置が高くなります。
ベロシティとフィルターを関連させることによって、ベロシティの弱い音から強い音に伴ってフィルターの閉じた音から開けた音へと変化させることができます。

 

5.F3ボタンの「PARAMS」ではパッドごとに、サンプルの鳴り方を設定できます。
「Voice overlap」では、1つのサンプルを重ねて鳴らすかどうかを設定します。「POLY」では、音が重なって鳴ります。パッドを2回連続で押したときに、1つ目の音が鳴ったまま、2つ目の音が鳴り始めます。「MONO」ではサンプルを重ねずに鳴らします。パッドを2回連続で押したときに、1つ目の音が消えて、2つ目の音が鳴り始める設定です。ドラムを組む時、キックの音が重複するとレベルが上がりすぎるので、キックは重複しないようにMONOにしています。一方で、ハイハットやクラッシュなどの音はMONOにすると音が重なる部分で切れてしまうので、自然な鳴りを出すためにPOLYにしています。ベース音も、長い尺のサンプルに音程をつけて使用しているので、MONOに設定しています。
「Mute Group」は、サンプルを鳴らすときに他のサンプルをミュートすることができます。
Mute Groupは01、02など任意の数字で設定し、同じ数字のグループ同士でミュートし合います。この機能はウワネタを繋ぐときによく使います。ウワネタ同士でミュートグループを設定しておくと、ネタ同士が重複することが無く、非常に便利です。ベース音を2種類使用する場合もベース音同士でグループを設定しておくと、重複せずに鳴らせます。一般的な使用例としてオープンハイハット/クローズハイハットの設定が挙げられます。オープンとクローズでグループしておくと、クローズのタイミングでオープンの音が切れるので音の重複がなく、本物に近い音になります。
「Mute Target」では、ミュート機能をグループごとではなく、パッドごとに設定することができます。設定しているパッドの音を鳴らす時、ターゲット設定したパッドの音をミュートします。
パッドを選択している状態で、F6「EDIT」を押すと、「Pad Sample Edit」が起動し、サンプルのタイムストレッチをおこなうことができます。機能の詳細はTRIMの項同様です。このタイムストレッチ機能も使用していません。

 

6.F4「NOTE」はMIDI接続を行った際の設定なので、ここでは割愛します。

 

7.F5「LFO」ではパッドごとにLFOを設定できます。LFOとは「Low Frequency Oscillator」(ローフリークエンシーオシレーター)の略です。知らない方はLFOで検索したらたくさん出てきます。僕のイメージとしては、「うねり」を作りだす機能だと覚えています。

「Wave」、「Rate」、「Delay」の値でうねりを作っておき、それを「Pitch」つまり音程、「Level」つまり音量、そして「Filter」先ほど触れたフィルター機能に対して適用することができます。

Waveの種類としてTRIANGLE(三角波)、SINE(正弦波)、SQUARE(矩形波・くけいは)、SAW(ノコギリ波昇り)、SAWDOWN(ノコギリ波下り)、RANDOM(ランダム波)から選べます。どの波がどうというのは他のサイトで。どれを選べばうねりがどうなるというのは経験と試行錯誤でお願いします。

Rateではうねりの速度を設定します。この数値はテンポと同期で、左側がビート、右側がティックとなります。ビート4分音符の数を示しています。96ティックで4分音符1つ分なので、8分音符だと48ティック、16分音符だと24ティック、16分音符の3連符だと16テッィク…となります。8の倍数で規則的な変化ができるので、試行錯誤の時に覚えておくと便利です。初めて使うなら24ティックからがわかりやすいと思います。最初にカーソルがビート側にいきますが、ビート側の数値を上げても周期が遅すぎて変化がわかりにくいので意味が分からず触るのをやめてしまう人が出そうです。ティックから操作すれば変化は明確です。
DelayではLFOがかかるまでの時間を遅らせることができます。サンプルの最初だけ、うねらせずに聞かせたい場合に使います。ベース音にLFO(フィルター適用)と、このDelayを設定すると、最初は音程感のあるベース音を聞かせ、その後変化するうねった音を作ることができます。DelayもRateと同様にビート/ティックの数値で調整します。
ここで作成したうねりは「Pitch」「Level」「Filter1」「Filter2」へ適用することができ、その適用の量を右側で調整します。Pitchに適用すると、そのうねりに応じて音程が上下します。Levelでは、音量が上下し、トレモロのような効果が得られます。Filter1,2ではF2のFILTERで設定した値に対してFreqが上下します。FILTERのFreqを低めに設定しておいて、LFOをFilterに適用すると、ワブルベースを作ることができます。RateやDeleyを変えて、パターンをたくさん作ることができればベースミュージック作りで活躍しそうです。

 

 

 さて、素材の録音から加工までの過程がこの前編です。説明書片手に書き進めていく中で、MPC1000が非常に優秀な機材であり、それぞれの機能の中にまだまだ可能性があるなと思いました。

 一方でビートメイカーの初心者が挫折しそうな個所もありました。この記事をきっかけに、挫折したビートメイカーがもう一度MPC1000の電源をONにしてくれることを、そして聞いたこともないような新しい音楽を世に出してくれることを願います。
 後編ではミキサー機能、シーケンス録音機能、ソング機能、制作過程について掲載します。

 

 

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