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My ちょこっと Comment

沈まぬ太陽
(2009)


 これって凄い映画なんだろうと思うけど(実際 第33回日本アカデミー賞最優秀作品賞受賞!ってことで、凄い映画と評価されたのでしょう)、さてどこが凄いのか・・こういう内容で、俳優さんたちがあんなふうに演技したら、凄い映画ってことにはなるよね。ってことで、見応えはありましたけど・・・

 2倍3倍濃くて凄いんじゃなくて、2倍3倍たくさん入ってて凄いという印象です。いえ別に文句を言ってるわけではなく、映画は2時間くらいでと思っているわけでもないので、例えば大好きな俳優さんが出てたり、大好きな内容だったりしたら、少しでも長い映画を作って欲しいくらいなんですけど、UKIUKIにとってはこの作品は長すぎ〜、3時間22分は観ているのがしんどかったです。

 それに、この映画は楽しむ映画じゃないと言われているような映画、真面目に感想書きなさいと言われているような映画で、それもしんどいから感想はちゃんと書かずに逃げちゃいます。なぜなら日航ジャンボ機123便の墜落事故のことでしょ!としか思えない内容(あっ映画では国民航空なんですけど・・)ですもん。でもね〜実は映画としては 事故に絡めたそれ以外の部分が凄いんだとも思うんです。

 組合活動で目を付けられて左遷に次ぐ左遷で人生を翻弄させられていく恩地元(渡辺謙)は、どんな事に対しても誠実で正しいと思うことに信念を曲げない人物です。そんな恩地が、事故の遺族お世話係をすることになります。
 共に組合活動してた仲間は、八木和夫(香川照之)とか何人かはやはり信念を曲げずに閑職に甘んじている者やら、行天四郎(三浦友和)のように会社に寝返って昇進していく者やら、そんな社内事情や人間ドラマが展開していきます。

 乗客の生命を預かる航空会社のお話だからこその内容という部分もあって、原作の小説としては墜落事故と人間ドラマの絡ませ具合が見事なんでしょうけど、それを通常の2本分もの長時間で映画にして、大作だろ!凄いだろ!って観せつけられてる感がちょっとしてしまいました。
 あくまでもフィクションだというのに、小説ではどんな印象なのかわかりませんけど、映像で観てしまうと日航ジャンボ機123便の事故としか思えなくて、どうしたって遺族の人たちのシーンには、涙、涙になっちゃいますし、墜落の状況を全く別の設定(奥深い山中にではなくとか・・)にもできたでしょうに、なんか・・ずるいな〜って思ってしまいました。
 でもこれって、実際の遺族や関係者の方々のお気持ちはどんなでしょう。しかも、恩地は誠実な人物だけど、会社にとってはどうでもいい人材を遺族係にしたわけですし・・・。

 まぁそんなこんなで、恩地はもちろん事故に関わった登場人物たちの人生を思うと、救われないような気分が残ったラストでしたけど、そんなラストだってことを観届けてよかったです。(〜〜ちょこっとおしゃべり♪〜〜2011.1.25より転記)