Comment page 2008.9.19 renewal


My Short Comment

闇の子どもたち
(2008)


 楽しめる内容ではないと分かっていたけど、タイが舞台ということで、観光旅行で行った所だし気になって、観てみたい作品でした。タイの現実と日本の現実が闇で繋がって行われているという臓器密売による移植手術を扱った作品だという予備知識だけだったのですが、同時に幼児売春の実態も描かれていて 日本人や他の外国人も客として関係しています。
 南部浩行(江口洋介)は新聞記者の立ち場で、闇臓器移植の実態を記事にすべく危険な取材を始めます。音羽恵子(宮崎あおい)は子供たちのためのボランティア活動に参加して南部からそのことを知らされ、何としても目の前の移植を止めさせようとします。実績はないようだけどフリーカメラマンだという与田博明(妻夫木聡)は南部に協力を求められ、気は進まなかったもののやがて見過ごせなくなってきます。
 幼児売春に売られた子たちの悲惨な現実と闇臓器移植が絡んで、見たくない映像ばかりなのですが、我慢することになりました。でも、南部も言っていたように、ちゃんと見なきゃ!と思いました。原作の小説はフィクションなのでしょうか、でもそんな現実がベースにあるのでしょう。旅行先の観光地では分かりにくいけど、移動中の車から眺める景色にも、極端に格差のありそうな生活環境が目に入ったりしました。それに街で、違法な物を扱ってるらしいけど存在しているお店もありました。買う者がいれば、売るシステムが出来上がる。それがよりにもよって、命とは。。。
 結局、南部の闇に唖然とし、でもそういえば彼はそんな自分に苦しんでいたんだと思い出しつつ、でもそんな闇のシステムを壊せる気配もなく空しいラストを迎えました。
 この映画を観て凄く心が痛んだけど、しかも買う日本人がいるっていうのがショックだし、だからってUKIUKIは何にも出来ないけど、観ないよりは観て知ったことはよかったんだと思いたいです。知ってる人の目が増えれば・・・ そういう映画だったような気がします。(Comment2009.8.29)