Comment page 2008.9.19 renewal


My Short Comment

地球が静止する日
THE DAY THE EARTH STOOD STILL   (2008)


 ある日突然やって来た謎の球体。地球存亡の危機に召集された科学者たちの一人、宇宙生物学者のヘレン(ジェニファー・コネリー)は 亡き夫の連れ子ジェイコブと一緒に、宇宙からの訪問者クラトゥ(キアヌ・リーヴス)と行動を共にすることになります。

 ”複雑に影響しあって多くの生物が存在している貴重な地球を守るために、いつまで経っても地球を傷めるばかりで変わろうとしなかった”人類だけ”を滅ぼす!”とは、一瞬その発想なるほど!と思ってしまいました。1951年制作映画のリメイクとは、観てから知ったのですが驚きました。現代の人類による地球環境の悪化に警鐘を鳴らすような内容だと思いましたから。戦後間もなくあらゆる分野の発展に人々が希望を託していた時代に、地球の将来的危機を予想してそういう作品が作られていたとは。それはともかく、なんとなくXファイル的なところもあちこちにあって、楽しめます。  クラトゥが人類の姿で登場するのは、借り物の体(人体に寄生している)なんですね。過去にやって来て地球に住み着いているクラトゥの仲間もいました。宇宙人が美しいと思う地球の音楽って、やっぱりバッハなんだ〜っていうのが、UKIUKIとしてはちょっとしたツボでした。そういうの、Xファイルふう。(バッハのブランデンブルグ協奏曲2番はボイジャーに搭載された曲で、その曲を聴きながら、「フォックス、もし異星人がこの曲を聞いたら、地球は素晴らしい星に違いないと思うだろう。最初の出会いにこれほどふさわしい曲はない。」というセリフがあります。)

 でもね、観ていくうちにいろいろ物足りなさがつのってきたんですよ。映像的には まぁ好きな感じかな〜って思うのですが、登場人物にほとんどアクションというかパフォーマンスがないっていうか、物語の展開もですね、単調なんです。それと、一番肝心なクラトゥが人類を滅ぼすことを中止した理由に 説得力がないと思いました。まさか、たった二人の人間(ヘレンとジェイコブ)に情が移ったからではなく、二人を通して人類は変われる!と思い直して希望を持てたからだと思うのですが、そこんところがなんとも曖昧です。だったら地球のためにどう変わるのか!といったことが、全く欠落していたと思います。(見逃したのかな〜?)
 とにかく好きなジャンルの映画って雰囲気なだけに、まるごと拒絶するのは勿体なくて、残念〜な気分です。(Comment2009.6.18)