Comment page 2008.9.19 renewal


My Short Comment

おくりびと
(2008)


 チェロ奏者として身を立てていくことを諦めた小林大悟(本木雅弘)が、故郷の山形に戻って職探しを始めます。“旅のお手伝い”という求人広告を見て面接に出かけた先は、旅行代理店ではなく・・・。

 ウルウルいっぱいしちゃいながら、あったか〜い気持ちになれる物語でした。納棺師という仕事が身近な人に理解されないのは悲しかったけど、それも解消されていったと思いますし、全体的に ユーモアも織り込んで様々なヒューマンドラマが描かれていくのを、ゆったりした気分で楽しめたような気がします。
 登場人物それぞれの描き方はもちろんですが、社長の佐々木生栄(山崎努)の暮らしぶりやら、大悟が堤防でチェロを弾いていたり、まあいろいろと映像的にも 雰囲気作りがあるな〜と思いました。

 印象に残っているところはと振り返ったとき、妻の死に気持ちが乱れているのか5分の遅れも許せなかった男性が、納棺の儀を終えて、今まででいちばん綺麗な妻の旅立ちを見送ることができたと感謝するところが ふといちばんに思い出されました。なんか亡くなった妻に共感(?)しちゃったのかな〜、嬉しかったんです。
 そしていろいろ観ていくうちに、納棺師って、”旅立ちのお手伝い”という以上に ”お見送りのお手伝い”をしているようにも思いました。

 納棺師は楽しいお仕事ではないし、事件や事故や孤独死の場合は特に大変なお仕事でしょうし、だから自分や家族がするっていうのは正直辛いな〜と思います。でもUKIUKIは亡くなった人が 穢らわしいとは思わないし、それって宗教的?或いは社会的?な謂れは知らないけど、身近な人や親しくしていた人が 亡くなったら穢れた存在になるとは思えないという単純な理由で、だったら自分に関係ない人だって同じだと思うからです。だからお葬式から帰っても清めの塩なんか意識して使いません。そしたら映画の中で妻の美香(広末涼子)や友人が はじめすごく悪い仕事をしているように非難したり、穢らわしいと忌み嫌うように避けようとしていたのには共感できなくて、なんだかそれが一般的な感覚ってことなのかな〜と気分が重くなりました。でも彼らには、物語が進んで、酷い言い方をしたけど立派な仕事だといったセリフを言わせたりせずに、嫌がっていた気持ちがスゥ〜っと引いていったふうに自然に表現していたのが とってもいいと思いました。

 さて まだまだいっぱい、Comment書くべき内容を残しながら このへんで・・・。 (Comment2009.4.14)