Comment page 2008.9.19 renewal


My Short Comment

フィクサー
MICHAEL CLAYTON   (2007)


 弁護士事務所に所属するモミ消し屋(フィクサー)の物語。というので、法の網をかいくぐって都合の悪いことを裏でもみ消すなんて誇りの持てる仕事じゃないけど、見事に何かもみ消したら そこに救いがあった・・というような物語かな〜って勝手に想像して観始めました。そしたらなんだか予想外れでなんとなくツマンナイな〜と思いつつ観てたのですが、そのうちこれはこれで味があるな〜と思えてきました。
 マイケル・クレイトン(ジョージ・クルーニー)は個人的な問題も抱えながら、上司の指示でしかたなくモミ消し屋をやらされています。同僚のアーサー・イーデンス(トム・ウィルキンソン)は、大物クライアントの農薬会社U・ノース社側弁護を担当していながら、集団訴訟の原告に対して奇行に走ったものだから、マイケルがその事態の収拾を任されます。アーサーも、ある意味企業に都合の悪いことをもみ消すのが仕事なわけだけど、ふと正義に目覚め、自分の人生を悔いて 精神に支障をきたしたうえに、U・ノースを敗北に導くべく闘おうとしているのです。マイケルは説得するのですが・・・。
 アーサーにしても、マイケルにしても、モミ消し屋としての立場を逸脱しようものなら逆にモミ消しの対象になるのです。アーサーは、最も卑劣に消されてしまいました。マイケルは、アーサーが U・ノースの農薬が有毒だという決定的証拠をつかんでいたことを知ることになり・・・。
 マイケルは、個人的な問題のひとつである 従兄弟の借金を肩代わりさせられた8万ドルの返済と、モミ消し屋としての立場と、良心と・・・その心中は複雑だったんでしょうね。
 モミ消し屋として生きる者の苦悩が描かれている作品でした。 (Comment2009.1.23)