Comment page 2008.9.19 renewal


My Short Comment

重力ピエロ
(2009)


 なんだろうこの感覚。。。問題ありまくりな行動してるでしょ。でも、いいとか悪いとか理屈ではなく、登場人物たちの思いが心の中に入ってくるんです。雰囲気だけで観ていたかもしれないけど、ひと言で言えば、とってもよかったです。

 犯罪(レイプ)被害者と家族の物語です。父 奥野正志(小日向文世)、母 梨江子(鈴木京香)、兄 泉水(加瀬亮)、そして梨江子がレイプされて生まれてきた弟 春(岡田将生)。その事実と世間の目という重力を背負って生きているんです。だからと言って、春のしたことが許されるとはこれっぽっちも思ってないけど、心の痛みに寄り添い合う家族愛、とりわけ兄弟愛にすっかり浸ってしまいました。原作は知らないのですけど、脚本だけなら納得できない展開のような気がするのに、そんな気分になったのは、なんといっても俳優さんたちの演技によるところが大きいと後で思いました。特に加瀬さんが さり気なく絶妙に泉水の人物像を作り上げていらして、岡田さんもそんな兄に支えられつつ内心もがいている春を上手く演じたと思いました。少年時代の子役さんたちも、二人とすっかりリンクできていてよかったです。もちろん、小日向さん他皆さんも・・・。
 春はね、泉水がいてくれて孤独じゃないでしょ。それが救いです。だからこの後、ちゃんと立ち直れる(更生していく)と思いました。 (Comment2009.11.27)