Comment page 2008.9.19 renewal


My Short Comment

ベンジャミン・バトン 数奇な人生
THE CURIOUS CASE OF BENJAMIN BUTTON   (2008)


 老人から子どもへと逆戻りの体で生きることになった男と 運命の女性の物語。それぞれに生きながら、想い続けた人生が切なかったです。

 80歳の老人の体(サイズは赤ちゃん)で生まれて、逆向きの成長を生きるという運命を背負ったベンジャミン・バトン(ブラッド・ピット)。成長と共に体は大きくなりつつ若返り、でも精神は子どものようで逆ではないようです。それから年相応の成人男性の体の時期があって、彼の人生の中でやはりいちばん幸せなときだったでしょう。それは彼を想い続けたデイジー(ケイト・ブランシェット)にとってもそうだったでしょう。二人にとって愛しい娘の存在は、やがて二人の幸せな時間を終わらせる決断を迫ることになっていきます。その後ベンジャミンの体は さらに若返っていきます。そしてまた小さくなっていくあたり、ちょっと都合いいなと思ったけど、まっいいんです。彼の人生は仕事も恋愛もいいことも悲しいこともいろいろあったけど、その終盤は認知症で物忘れがひどくなってそんな人生の記憶もなくなって、体は幼児期から赤ちゃんになって、それでも最期のひと時がとっても素敵で穏やかだったので よかったわ〜。

 人の一生を描くのですから時間が長くなるのは仕方ないにしても、167分のうち今のデイジーのシーンは多すぎると思いました。 死の床に臥しているということ以上に 特殊メイクのせいか表情のせいかあまり心地いいものではなかったので、よけいにそう思いました。

 早老症は現実ですし、その原因や治療の関連からしても その気になれば不老不死はある程度までは科学的に可能性があるって気もするけど、その逆方向のようなこの映画の設定はあり得ないことだと思うんです。なので単純にドラマそのままを楽しめました。 (Comment2009.11.29)