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 『魂萌え!』を観ました。 関口隆之(寺尾聰)が定年を迎えた日のシーンで始まりました。これは妻 敏子(風吹ジュン)の回想シーンだったのですが、それから3年後、隆之の急死で平穏だった敏子の生活が一変します。

 夫が 伊藤昭子(三田佳子)という女性と、10年もの間 不倫していたことが 発覚します。夫の知人とも 初めて出会います。敏子の知らない隆之の生活があったのです。だいいち、隆之の病気も知らなかったのです。また、家を飛び出してアメリカで勝手に結婚していた長男の彰之(田中哲司)が、妻子を連れて帰国するからと同居を迫り 遺産相続の話を進めようとします。一時的に家を飛び出した敏子はカプセルホテルに泊まりますが、そこで人生を語っては金を要求する老女 宮里しげ子(加藤治子)とその甥の野田(豊川悦司)に出会います。娘 美保(常盤貴子)とのやり取りや、友人たちとの関係も織り交ぜて、物語は展開します。

 雰囲気はすごく日常的なんだけど、物語の要素が豊富で、UKIUKIの感覚としては それぞれに”フツウ”よりちょこっと はみ出してるお話や人たちって感じで、それが上手く構成されてて映画として おもしろかったです。登場人物それぞれに味があって、俳優さんたちの演技が素晴らしかったです。観てよかったと思いました。

 でも頭でそんなふうに思いつつ、UKIUKIの気持ちとしては、何かにつけて嫌〜な気分になることばかりの物語でした。いちいち書きませんが、いっぱいありました。これは思うつぼに はまっていたのかもしれないな〜とは思います。それにしても、誰にも共感できなかったです。それでラストに、定年の日のことがハッキリして、野田の涙があって、敏子が新しい人生を歩みだすというのを観て、そこまでの気分を乗り越えられたら、素晴らしい作品だな〜って思えたのでしょうけど、UKIUKIはそんなに素直になれなかったです。だから、心に残しておきたいことは特にないし、素敵な余韻に浸ることもできなかったです。残念。。。こういうときって、自分の感受性に正直ではいたいけど、自分の感覚に柔軟性がないのかな〜なんて考えちゃいます。 (〜〜ちょこっとおしゃべり♪〜〜2008.5.15より転記)